知り合いの業者に依頼してハンコ代で失敗!?

 売買メインの不動産業者であれば、任意売却の業務は扱えると、当事務所では考えておりますが、任意売却が全くの未経験の業者には少々ハードルが高いのでは?と思えるケースもあります。

任意売却業者の選び方

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二番抵当・三番抵当の対応

 法人が所有する事業所(土地建物)の任意売却について相談がありました。

馴染みの不動産業者に任意売却を依頼、もう既に買主も決まり、銀行とは売却価格についても話が付いていました。ところが、よくよく話を聞くと、銀行は任意売却に協力的で問題は無いのですが、銀行の他に二番抵当も設定されていました。

法人や自営業者所有の不動産、個人の住宅でも旧住宅金融公庫の利用等では、二番抵当や三番抵当が設定されていることは珍しくありません。

任意売却の際は後順位の抵当権があれば、その債権者の協力も必要になり、きちんと話を決めなければ取引はできません。

相談者の状況

売却価格    1億5千万円(土地建物)

一番抵当 銀行 2億5千万円

二番抵当 法人 5千万円 

銀行は1億5千万円で任意売却を認めてくれています。

※ 説明上、分かり易くするため、数字を簡素化し諸費用等も考慮していません。

ここで問題です。

上記の状況で1億5千万円の売買価格で任意売却した場合、二番抵当の法人は、通常いくら受取れるでしょうか?

1 銀行は半分以上回収できるので、500万円~1,000万円

2 抵当権を解除してもらう手間として数十万円

3 一番抵当が全額回収できないので二番抵当は0円

は気持ちとしては、よく理解できます。は競売と変わらないので二番抵当権者が任意売却に協力するメリットはありません。

答えはです。任意売却業者ならば、迷うこともない問題です。

不可能な配当

 相談者の依頼を受けた不動産業者は、こともあろうに二番抵当の法人に対して500万円~1,000万円を受取れるように銀行と交渉しますので、任意売却に協力して下さいと事前に説明していたそうです。二番抵当が金融機関であれば、あり得ない話と思いながら聞き流すかもしれません。

しかし、残念なことに相談者と取引があり、その代金が未払いのために抵当権を設定した、普通の法人で金融機関ではありませんでした。結局、銀行が認めてくれた二番抵当権者への支払金額(配当)は数十万円です。

つまり、最初に『500万円~1,000万円回収できますので、任意売却に協力して下さい!』と説明されたものが、あとから『数十万円になりました・・・』ということです。

誤った説明で先行き不透明に

 前置きが長くなりましたが、この数十万円の金額が妥当なのか?について、相談者はとても気に掛けていました。結論としては、銀行の認める数十万円について、その程度の金額が普通です、となります。

根本の問題は任意売却について不慣れなのか? 未経験なのか?抵当権の優先順位の重みを全く理解していない業者へ依頼してしまったことでしょう。

まだ、交渉が完全に失敗に終わった訳ではないので、仕切り直して二番抵当の法人に対しては事情を理解してもらい、協力してもらう以外ありません。

抵当権は上位が有利

 抵当権の優先順位は競売時に、落札金額から受取れる順番でもあるため、一番抵当が競売で全額回収できなければ、二番抵当に配当が回ってくることはありません。

つまり、回収額は0円となります。その抵当権の順位が、任意売却時にも優先されることになります。ただし、任意売却で何も配当が無ければ競売と同じなので、後順位の抵当権者は協力する意味もありません。

そこで、以下に説明のあるハンコ代という慣例によって対処するようになっています。

ハンコ代とは

 先ほどの問題の答え、抵当権を解除してもらう手間も含めて通称、ハンコ代と呼んでいます。競売になると二番抵当では、ほぼ間違いなく受取る金額が無いと考えられるとき、任意売却に応じれば、担保解除料として数十万円を一番抵当権者の取分から分けてもらうイメージです。同じ意味で担保権抹消承諾料とも言います。

このハンコ代は本来0円だったものが、幾らかにでもなるというのが基本にありますので、法外なハンコ代を要求する債権者(抵当権者)の対応には注意が必要です。

ハンコ代の基準

 ハンコ代には特に相場はありませんが、住宅金融支援機構では、任意売却促進のため一律に基準があります。他の金融機関も、ある程度の目安にしているように感じますが、金融機関によって異なります。

住宅金融支援機構のハンコ代

二番抵当   30万円(又は残元金の一割以下で、その低い額)

三番抵当   20万円(又は残元金の一割以下で、その低い額)

四番抵当以下 10万円(又は残元金の一割以下で、その低い額)

依頼者が不安に陥る典型例

 今回の相談者は、任意売却の依頼中に不安になってしまい、他業者へ相談する典型的な例です。任意売却に手慣れた業者であれば、相談者が悩むような内容ではないのですが、かえって問題を複雑にしてしまい、このまま競売になれば無念としか言いようがありません。

任意売却についてはインターネットでも情報収集は可能なので、一見すると簡単そうに見えるのですが、状況は個々に異なり、ケースバイケースで判断が必要になります。任意売却の専門業者でも競売回避は容易ではありません。

従って、その可能性を少しでも上げるためには、やはり専門業者への依頼が、それ以外の業者と比較して有利になるのではないでしょうか。

○ 『任意売却は2番抵当,3番抵当でも諦めずに相談を!

○ 『任意売却を頼んだ業者に不信感があるときは?

○ 『依頼しても業者が放置し競売の危険性もある

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○ 『中小企業の任意売却

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