なるべくならば、競売は回避するのが望ましいのですが、その理由をきちんと理解しておかないと、あまり競売回避のメリットを感じない場合もあります。
任意売却の相談者の中には、ただ、ただ競売は避けたいと希望され、状況をお伺いすると、競売のデメリットがあまり無い方もいらっしゃいます。
分かりやすいので具体的な例で、ご紹介します。
東北地方にお住いの30代男性
ご家族 : 妻
現在の住居 : 新築後2年の一戸建
任意売却した場合の引っ越し先 : 中部地方の妻の実家
住宅ローンの返済状況
収入が減少し、住宅ローンの滞納が既に1回、もう次回の引落も難しく、今後、収入の回復も見通せない。
住宅ローンが返済できないので、このままだと競売となることは、容易に想像できます。
競売回避のメリットがあまり感じられないとは
上記の相談者は、理由は分かりませんが、今の新居に越してきてから、あまり良い思い出が無いとのことでした。ゆえに、自宅には既に愛着も無く、ご家族も奥様だけ、引っ越し先も遠く離れた土地に行きます。従って、早々に引っ越せば、競売時の情報公開による、ご近所の目等の精神的な負担も、ほぼ無いことになります。
やはり、競売は不特定多数の目に、自宅が晒されるという部分に、ご家族が耐えなければならない状況が、一番厳しいと思います。その部分について、引越し先も確保され、いよいよ競売となれば、自身のタイミングで自宅を離れることも可能なので、精神的負担をかなり軽減できることになります。
競売回避は強い意志が必要
競売回避のデメリットが少ない方が、任意売却に臨む場合、強い思いが必要です。その理由として、任意売却が成立するまで時間を要するとき、面倒な場面に遭遇する等、途中で競売でも構わないという気持ちが芽生えることもあります。そうなると任意売却に対する熱意が、当初とは異なり薄れてしまうからです。
競売のデメリットが少ない方には
上記のようなケースでは、まず、競売のデメリットは、さほど大きくないことをご説明させて頂きます。その上で、任意売却は依頼者の協力無くしては、成立しないので、競売回避に対して最善を尽くせるか?どうかが任意売却を成功させるポイントにもなります。
任意売却中も不安は大きい
先の競売回避に対して、最善を尽くす必要について付け加えると、任意売却は必ず成功するわけではありません。その理由は複数あり、手を尽くしても、どうにもならない場合もあります。
また、無事に任意売却をスタートさせても、購入希望者が現れるまでの期間は、依頼者にとって、非常に不安な時期でもあります。
まず、購入希望者がいなければ、何も前に進まず、競売もありうるという不安の中、ただ待つことになります。そして、購入希望者があらわれても、取引終了の最終日(引渡時)まで本当に安心できないのが任意売却の難しい部分でもあるからです。
任意売却は競売より、精神的負担を軽減できるのは確かですが、経験者でしか分からないであろう、何とも言えない不安な時期もあります。競売のデメリットが少ないと思われる方は、任意売却にこだわる必要は、それほどないかもしれません。
詳しい競売の流れ
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