自宅を任意売却される方の多くは引っ越しが必要になります。特に違う市町村へ引っ越す場合、よく調べずに引っ越してしまうと思わぬ負担が増え、生活が苦しいから任意売却したのに、以前と変わらない事態に陥ってしまうことも想定されます。
深刻な市町村格差
九州の佐賀新聞に佐賀県内の国民健康保険に関して、以下のような記事(一部引用)がありました。
県内市町の国保税額は2017年度、42歳夫婦と子ども2人で所得が233万円あるモデル世帯で、最高の江北町と最低の玄海町との差は年間11万7800円ある。
要するに年間の所得が233万円のモデル世帯だと、同じ佐賀県内のどの市町村に住むかによって年間で納める国民健康保険税(料)が11万7800円も違うということです。記事によると最高の江北町では527,100円、最低の玄海町では409,300円、月々にすると約1万円近く変わってきます。
余談ですが、佐賀空港(九州佐賀国際空港)には春秋航空というLCC(格安航空)が乗り入れているため、海外旅行にも行けそうなくらいの差が出てしまっています。
更に記事では国民健康保険の広域化に伴い、今までより負担が増える場合もあるため、簡単に理解が得られるか自治体が困惑しているとしております。平成30年度より、国民健康保険の財政運営の責任主体が今までは市町村だったが、そこに都道府県が加わるようなイメージです。
しかし、広域化としていても、今のところ市町村ごとに標準保険料を算定するため、同じ都道府県内でも保険料がバラバラということになります。また、国民健康保険は資産割という固定資産税に料率を掛けて保険料の算出基準に取り入れている自治体もありますので、任意売却後に所得は変わらなくても同じ自治体内で引っ越しても国民健康保険税(料)が下がる場合もあります。
社会保険に加入している給与所得者等の方には、あまり関係ない話に思えますが、実は市町村格差はこの他にもあり、決して佐賀県だけでに限った話ではなく、日本全国で問題が深刻化しています。
市町村格差の代表例
○ 水道料金
○ 子どもの医療費無償化
○ 国民健康保険の介護保険料とサービス
水道料金
水道料金に関しては、人口減少に伴い水道の利用量が減れば、それに伴い徴収できる水道料金も減少するため、維持管理コストが捻出できずに水道料金を値上げせざるを得なくなり、自治体によって既に大きな差が生じています。これから先は下水道も含め、更に問題は大きくなるばかりです。
子どもの医療費無償化
子育て世代には切実な問題で、子供の年齢がいくつになるまで医療費が無料になるのかは、引っ越し先の決め手にもなります。また、自治体によって年齢だけではなく、入院のみ無料や所得による制限等、条件が細かく異なりますので事前にきちんと調べることをお勧めします。
国民健康保険の介護保険料とサービス
国民健康保険の加入者で40歳以上の方は介護保険料も自治体により異なります、また介護保険の場合にも資産割を取り入れている自治体もあります。住民数に対し介護サービスの利用者の割合が多い自治体であれば、介護保険料も上がることになります。従って介護サービスの質についても地域格差が現れてきておりますので、介護保険料も含めどの様な介護サービスが受けられるかの確認も必要になります。
引っ越し前のリサーチは重要
これだけ様々な市町村格差があると、任意売却後のお客様が引っ越し先によっては家計が楽になる、又は苦しくなる等の違いも生じてしまいます。任意売却をきっかけに新生活をスタートするならば、自身に合う、より良い暮らしが望める自治体か見極めるのも重要になってきます。
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