複数の不動産が競売に自宅だけ任意売却は可能?

 不動産を複数所有していると聞けば、何とも羨ましいと思うことでしょう。

しかし、何かのきっかけで、その複数の不動産がまとめて競売を申立てられたら、一部の不動産だけに絞って任意売却はできるのでしょうか?

リスケジュールで経営の立て直し

 当事務所への相談される方の事情は実に様々で、難しい相談も寄せられます。

1年以上前の話になりますが、農業を営む方から相談がありました。

状況としては、複数の広大な農地を所有し、農業施設などの設備投資で日本政策金融公庫から借入れたものの、約束通りの返済ができなくなってしまいました。

その後、日本政策金融公庫に相談、リスケジュールを申入れたものの、簡単には応じてもらえず、やむを得ず自宅を追加担保として提供することになったのですが・・・

農業も例外なく競争が激しいため、やはり、経営を立て直すことは難しく、やがて自宅と農地を含めると数十以上の不動産がまとめて競売へと進展してしまいました。

相談者は、経営が上向かない以上、農地の部分に関しては競売回避を断念し、自宅だけは任意売却で手放すことを希望しておりました。

競売では複数の不動産はどの様に売却されるのか?

 複数の不動産が競売の申立てへと進んでしまった場合、まとめて落札するような入札者に売却するのでしょうか?

今回のケースに当てはめると、自宅の土地建物と複数の農地をまとめて欲しがる者しか入札に参加できなくなってしまいます。

これでは、条件としては厳しく、競売で、しかも高値で売却するのは難しいと考えるのは素人でも分かると思います。

まず、競売の話を整理してから説明しましょう。

複数の不動産を担保にお金を貸している債権者が、担保の不動産を一度にまとめ競売を申立てると、裁判所では1つの事件番号を割当てます。

 例 【 令和2年(ケ)999号 】といった感じです。

複数の不動産があっても、事件番号は1つで不動産ごとに物件番号が付けられます。

不動産が20個あれば、物件番号も順番に1~20までとなり、建物も1つの不動産としてカウントされ、各不動産を個別に売却するのが原則となっています。

複数の不動産でも裁判所の判断で一括売却となることも

 前項では、個別に売却するのが原則としましたが、複数の不動産をまとめると有利に売却できることもあります。

分かりやすい例として、一戸建ては土地と建物に分かれ、個別の不動産ですがバラバラに売却するよりも、土地と建物をセットで売却するほうが高値で売れそうですよね。

その様な場合、複数の不動産をセットで売却します、これを一括売却といい、裁判所の裁量で決めることができます。

相談者の所有する不動産を大きく分けると、自宅以外は点在する農地です。

自宅(土地・建物)

点在する複数の田畑(土地)

下の図を見ると、それぞれ場所が異なる田畑は、まとまりごとに一括売却と裁判所が決めていきます。

複数の不動産がまとめて競売になる一括売却

 ※ 図は説明しやすいように、13の不動産がまとめて競売になった例としています。

裁判所は状況に合わせて競売でも、より高値で売却できるよう、一括売却にするか、個別に売却するかを判断しています。

そのため、同じ事件番号でも複数に分かれて入札されますので、実際の競売では落札される不動産と落札されない不動産も当然出てきます。

一括売却は裁判所の裁量

 実際の裁判所のウェブサイトが参考になります。特に地方の物件は同様のケースが多く見られます。

特定の不動産だけを任意売却できるのか?

 それでは、本題の複数の不動産がまとめて競売になった場合、自宅等、特定の不動産を選んで任意売却はできるのか?

任意売却が競売よりも有利に売却できると判断されれば、その答えは、限りなくYESに近づきますが、結局は競売を申立てた債権者が認めるかで決まります。

そうなってくると、任意売却は元々、債権者の同意が無ければ不可能なので、基本に戻れば、それは債権者との交渉次第となります。

任意売却は債権者の同意で可能となる

 債権者からしてみれば、何を今更と言われないように、任意売却については早めの相談が重要です。

一括売却の不動産から特定の不動産だけ任意売却は?

 ここで、ちょっとした疑問が出てきます。

例えば、競売で一括売却となっている複数の土地を特定の土地だけを選んで任意売却したいと希望した場合、任意売却は可能なのか?

先ほど一括売却にするかの判断は、裁判所が決めていると書きました。

その一括売却となっている不動産の中から、特定の不動産だけを任意売却して下さいと頼んでも、まず、首を縦に振る債権者はいないでしょうから、難しいと言わざるを得ません。

 ※ このページでは相談者を例に農地を一般の土地同様に表現し、競売の説明をしていますが、実際の農地の入札には買受適格証明書が必要ですので、買受適格証明書が無い場合、農地の入札には参加できません。

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