親子間売買で老後破綻を回避する成否を分けたポイントとは?

 『両親の家を買いたい』というお嬢様(以下、お客様)からの相談です。何でも御両親が働き続ける理由が住宅ローンの返済のため、もう高齢なので仕事を辞めさせてあげたいとの思いが発端でした。

最近特に多い、年金だけでは足りず老後破綻に直結する住宅ローンの問題で、体調を崩せばかなり厳しい状態に追い込まれるのは目に見えています。

実は当事務所へご相談いただく前に、他業者様へ2件相談済みとのことでした。

親子間売買の相談へ至る理由

 1件目に相談したのは法律事務所でした。そこでの相談結果は住宅ローンという借金から解放されるには、自己破産を勧められました。

返済は継続しており滞納も無く、売却すれば住宅ローンは完済できそうなので、何か違うと感じ、それまでとなりました。

問題は2件目の相談です。1件目の相談結果が自己破産なので、そこまでするなら自分が買ってあげれば救えるのではないかと考え、インターネットの広告を見て、任意売却を扱う不動産業者へ相談しました。

もう既に相談目的は、親子間売買となり具体的に進めることになりましたが・・・

住宅ローンの申込に関して、3つの問題が発生し、話は一旦ストップしました。

住宅ローンの申込3つの問題

問題1 親子関係を伏せたまま金融機関に申込み

問題2 変動金利

問題3 団体信用生命保険

問題1 親子関係を伏せたまま金融機関に申込み

 2件目の業者曰く、親子間売買で住宅ローンを利用するのは相当困難なため、結婚後、姓が変わっているので親子関係は内緒で住宅ローンを申込みしましょうとの提案。

お客様は事実を告げずに住宅ローンを借りることに抵抗を感じ、もし何かのきっかけで親子関係が判明してしまったらと考えると恐ろしくなったそうです。

問題2 変動金利

 お客様は将来の金利上昇に備え、固定金利を希望しておりました。しかし、現状では、固定より変動タイプの方が金利も低いので、強引に変動金利を勧められたのに違和感があったそうです。

問題3 団体信用生命保険

 住宅ローンの返済中、不幸にも死亡してしまう、あるいは高度な障害を負ってしまった場合、保険金により返済が免除される仕組みがあります。

この保険を団体信用生命保険といいますが、その種類も多様で特定の病気が判明すると、保険からの支払いで返済を免除されるタイプも存在します。

お客様はそこも気にされていたため、どうしても譲れない部分でもありましたが、聞き入れてもらえなかったそうです。

以上の3点を考慮せずに進めようとする姿勢が腑に落ちず、態度を保留し当事務所へ相談となりました。

親子間売買の問題点は?

 親子間売買に伴う住宅ローンに対して、金融機関は積極的ではありません。審査も厳しいとされるのが一般的です。

しかし、親子間の不動産売買自体が難しいのではなく、住宅ローンの利用が難しいので、決して何か障害のある不動産取引ではありません。

金融機関が懸念するのは、親子間の不動産売買が適切なのか? その意味は、売買される金額が身内だから安くしていないか? 借金の返済のため不当に高く購入する等の可能性を疑うからです。

要するに親子間の売買が、単純な住宅の購入目的でない場合を問題視するためです。

では、御両親が住宅ローンの返済が難しくなってきているので、今回のケースではどの様に対応するかが成否を分けるポイントになります。

親子間売買の要件

 親子間売買の成立に欠かせない条件が、子が親名義の家を購入し、別の場所から引っ越してきて自宅にするケースでないと住宅ローンはほぼ利用できません。親が子の家を買う逆のパターンも同じです。

つまり、子が親の家を買う場合、親と同居し現在住んでいる親名義の家は、住宅ローンの利用は原則不可となるのが一般的です。

また、売買金額も不動産の適正価格での取引となり、親子間売買だから価格に手心を加えるのもいけません。

<お客様の条件>

御両親と現在のお住まいは別

売買金額は適正価格での取引を希望

自宅として購入

 お客様としては、御両親が住宅ローンを払えなくなり、第三者へ売却するならば、ご自身が購入し、住みたいというのが最終的な希望となりました。

現状ではまだ、御両親は住宅ローンの返済は継続しており、滞納や固定資産税の未納等の問題もありませんでした。

また、価格査定してみると、御両親の住宅ローンは完済できる見込みがあり、適正な売買価格での取引が可能と判断できました。

親子間売買でも住宅ローンの条件に合致

 断言はできませんが、住宅ローンの利用が十分に可能と思われたため、親子関係を包み隠さず、正直に伝えることを念頭に申込へと至りました。

まずは、事前審査となりますが、お客様と当事務所と申し込めそうな金融機関にあたりを付け、まずはお客様の希望する金融機関へ必要書類を準備し手続きを進めたところ、すんなり事前審査はパス。

そのため、早急に売買契約を締結し、本審査へと進みます。

そして、当初の心配をよそに本審査も通過し、問題なく親子間売買は成立しました。

では、2件目に相談した業者の問題点はどうなったか? 気になるポイントですので以下に記載します。

<相談者が利用した住宅ローンについて>

1.親子関係を正直に申告

2.全期間の固定金利

3.通常の団体信用生命保険プラス三大疾病特約付き

1.親子関係を正直に申告

 金融機関によっては、事前審査の申込用紙には旧姓があれば、記載する項目があります。そのため親子関係を隠すとなれば、その時点でウソの申告となり、金融機関から見れば一番貸してはならない人物となってしまいます。

今回の金融機関は旧姓の記載項目はありませんでしたが、すぐさま金融機関から親子関係について問い合わせがあり、正直に伝えました。

つまり、記載する項目が無かったため、隠した訳ではありませんが金融機関は親子関係に気付き確認してきました。

これにはお客様も驚き、やはり正直に申告していて助かったとホッとしておりました。

2.全期間の固定金利

 変動金利と比べれば、固定金利はやや高めですが、それ以上の金利上昇はありませんので希望通りとなりました。

3.通常の団体信用生命保険プラス三大疾病特約付き

 住宅ローンは長期で組むため、将来的に何が起きるか分かりません。そのため、通常の団体信用生命保険にプラスして、ガンなどが発覚した場合にも対応できる保険にも加入することができました。

結果的には、全てお客様の希望通りとなったので、可能性のある金融機関へ正直に申し込んだ成果と言えるでしょう。

親子間売買で他業者との成否を分けたポイント

 今回、当事務所と2件目の相談業者との大きく違う点は、お客様の希望を聞き入れずに取組もうとした姿勢です。

お客様も、単に親子間売買が可能であれば、何でもいいという訳ではありません。

例えば、『親子間売買ができれば、ノンバンクの高利でも返済できればいいでしょう』というのを押し付けるのと同じで、そこにはお客様の希望が反映されていません。

また、親子関係を伏せ、金融機関に申込もうとすることに、お客様は不安に感じていました。

単純なことですが、お客様目線では無かったこと、そのことが、親子間売買の成否を分けたポイントになります。

親子関係を伏せたまま住宅ローンを申込み、金融機関から尋ねられたとき、事実と異なる返答をしていたら、そもそも審査もパスしなかったでしょう。

そして、今回の親子間売買はきちんと対処すれば、かなりの確率で住宅ローンの利用が可能と事前に把握できたのに、それを怠ったことではないでしょうか・・・。

親子間売買は売る側の状況が悪くなる前であれば、成立する可能性も十分にありますので、是非早めの相談を心掛けて下さい。

住宅ローンは不動産業者の関わりが必要

 最後になりますが、親子間売買を含め、個人間の不動産売買で住宅ローンを利用するには、多くの金融機関では不動産業者が仲介に入ることが条件となっております。

そのため不動産売買に伴い仲介手数料も必要となりますが、成功報酬のため住宅ローンの審査がパスしない限り、発生しない費用となります。

どうしても不動産売買で住宅ローンを利用するならば、仲介手数料も含めた金額が諸費用になりますので事前に資金計画を立てる場合、忘れないよう注意して下さい。

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