任意売却をスタートする方は大きく分けると2つに分類されます。1つは住宅ローンが既に払えなくなっている方、もう1つは住宅ローンの返済が苦しいけれど、まだ返済を継続中の方です。
前者は住宅ローンを滞納しているため、競売回避を希望するなら早急に任意売却に向け、取り組む必要があります。
一方、後者は住宅ローンを返済中のため状況としては、すぐに任意売却をスタートすることはできません。
今回は、まだ住宅ローンを返済しているが家計を圧迫、もう限界に近い方が任意売却を始めると、改めて気付くことについて取り上げます。
苦しい住宅ローンの返済が日常と感じてしまう
念願のマイホーム購入後、頑張って住宅ローンの返済を続けてきても、長期間安定した収入と支出を毎月繰り返していくことは本当に難しいものです。
そのため、収入は変わらなくても支出の増加により、生活が苦しくなることは多くの方が感じていることだと思います。
支出の増加が冠婚葬祭や子供の入園・入学等の一時的なことであれば、多少の我慢や節約で乗り切ることもできるかもしれません。
ところが、あてにしていたボーナスが業績不振でカットや大幅な減額があれば、いつもの生活を続けるのも厳しくなってきます。ボーナス払いがある方は、ひとたまりもありません。
その様な苦しい状況でも、住宅ローンの返済日は毎月必ず口座から決まった金額を引落としていきます。
日常的なことなので、慣れてしまっているため、特に何も思わないかもしれません。
ところが、今まで慣れてしまった住宅ローンの返済に対して、任意売却をスタートすると驚かされることがあります。
任意売却の開始は住宅ローンの滞納後
住宅ローンの滞納前の方が任意売却をスタートさせるには、住宅ローンの返済をストップさせなければなりません。つまり、住宅ローンを払わないことですが、そうなると今まで支出していた住宅ローンの返済額が、まるまる手元に残ります。
その残ったお金は次の引越しに向けプールし、今後必要になる家賃に見合った金額で生活する準備期間となりますが、やはり、幾らかは生活が苦しいため、そちらに回してしまう方が普通です。
そのため任意売却をスタートさせると、住宅ローンを払わない分、多少生活費にも使えることになり、改めて感じるのは、住宅ローンの返済に今までどれだけ振り回されていたのかが良く分かります。
しかも、頑張って住宅ローンを払ってきても、実際に売却するとなると、その価格にも多少なりとも驚く方が多いのも現実です。
苦しい住宅ローンの返済をやめて、マイホームを手放す決断をすると、愛着のある我が家の価格は・・・ 住宅ローンの残高にとても及ばず、頑張って返済してきても不動産市場では厳しい評価が突きつけられます。
住宅ローンが苦しい方に伝えたいこと
現在、苦しい住宅ローンの返済に見合っただけの価値が本当に残っているのかも知って頂きたいのです。
例えば、自宅を売却しても2000万円なのに住宅ローンの残りが3000万円だったとします。
もちろん、住むための家なので不動産市場の評価が低いから手放せとは少々乱暴で、生活に余裕があれば一向に構わないと思います。
実際、売却すること無く、住み続けるのであれば資産価値は低い方が固定資産税も低い傾向にあり、維持するには負担も少なくていいという考え方もあります。
しかし、生活を切り詰める住宅ローンの返済であれば、ギリギリの状態がいつまで続くかを考えれば、答えは完済するまでとなり、その期間が長いか短いかは個々に違います。
それでも多くの方が、厳しい住宅ローンの返済をストップすると、自身の収入に対し、どれだけ不釣り合いな返済を続け、どれだけ住宅ローンに振り回されて生活してきたかを実感し、任意売却中の不安をかき消す位の安堵感を得ているように見えます。
当事務所では、住宅ローンの返済に不安を感じるお客様に対し、机上での簡易価格査定も行っておりますので、ご希望の方は『不動産の売却は適正な査定価格を知ることが重要』のページからお申し込みください。
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