少し前に『リスケジュールで身内を巻込み老後破綻』という記事を書きましたが、ここ最近、金融機関と相談の結果、リスケジュールしたものの、それでも住宅ローンが払えなくなった方からの相談が相次いでおります。
リスケジュールしても住宅ローンが払えなくなる原因
なぜ、リスケジュールしたにも関わらず、住宅ローンが払えないのか? 相談者に事情を伺っていると、3つの共通点が見えてきます。
○ リスケジュール後も返済が厳しい
○ リスケジュール後の計画が無い
○ お勤め人(サラリーマン)のリスケジュール
リスケジュール後も返済が厳しいとは
月々の返済が厳しいため、リスケジュールを申し込んだが、リスケジュール後の返済額でも家計が苦しい状況が変わっていない。
もともと無理な返済が少々負担の軽くなった程度だと、リスケジュール当初は頑張ってみたけど、結局は払えなくなってしまった。
リスケジュール後の計画が無いとは
子どもの進学で出費がかさむ時や一時的に収入が落ち込むなど、一定期間だけ返済額を減らし、その後は元の返済額に戻す、又はリスケジュール期間の不足分を上乗せして返済するのとは異なり、返済が厳しいため、単に月々の返済額を減らす事が目的になり、返済期間を安易に伸ばしている。
お勤め人(サラリーマン)のリスケジュール
お勤め人の方が、雇用先である企業の業績が大幅に伸びたため、すぐに賃金も大幅にアップするかとなれば、そうでもありません。最近ではボーナスに反映されることもありますが、ベースアップとは異なります。
従いまして、給料が増加するのも減少するのも、企業の業績に左右されますが、そのスピードは極めて緩やかです。その反面、リストラでもされない限り、ある程度は安定しています。
先のリスケジュール後の計画が無いと重なる部分になりますが、その安定した給料で住宅ローンが払えないとなれば、その先はリスケジュールで減額したまま返済を続ける道しか残っておりません。
リスケジュールでお勤め人の方が救われるのは、定年までに完済、若しくは退職金で完済可能な方となります。
それ以外の方は、リスケジュール後に再度、住宅ローンが払えなくなる可能性は非常に高く、該当する方は、相当数に上ると思われますが、表面化してくるのは正にこれからでしょう。
住宅ローンが払えなくなる他の要因
社会保障費の負担増も、もはや無視できないレベルにまで到達しています。強制的に徴収されるため、呼称が違うだけで税金と同様でしょう。
そのため、リスケジュールで少々負担が軽くなっても、社会保障費の負担増がじわじわと影を落とし、再度、生活苦に陥ってしまいます。
また、輸入大国の日本は円安が家計にもたらす影響は相当なものです。食料品の値上げやガソリン価格の上昇を見ても、一般家庭にシワ寄せが来てしまうのは避けられそうにありません。
切り詰めても生活は楽にならない
総じて感じるのは、リスケジュールで家計を立て直そうと、生活を切り詰めても、その分を軽く飲み込んでしまう、負担増や支出が一般家庭に重くのし掛かっています。
その結果、可処分所得が減り続けるため、所得が増えなければ住宅ローンの返済は不可能なレベルまで来ています。
リスケジュール後に住宅ローンが払えなくなったら
相談者は皆一様に生活を切り詰め、頑張ってきているため、本当に気の毒でなりませんが、厳しい生活から解放されるには、負担となっている自宅を手放す必要があります。
ある程度、安定した収入のある方は、その決断は容易ではないでしょう。
しかし、手放さなければ住宅ローンの滞納を続けてしまうため、金融機関も見過ごすことはできません。
リスケジュールで一度は大目に見てくれても、それ以上の救済は認められず、早いうちに任意売却等の対応を検討するべきです。
リスケジュールが有効な方
リスケジュールが有効な対策となる方は、中小零細企業の経営者や自営業者の方です。
自身で事業を営んでいるため、浮き沈みもあり所得が増えることも減ることも、その年によって異なります。
そのため、売り上げの見通しや先の入金予定等があり、一時的な返済額の減少が経営を続ける上でプラスに作用するケースです。
お勤め人(サラリーマン)のリスケジュールは馴染まない
最後になりますが、もともと企業にお勤めの方が、住宅ローンの返済苦をリスケジュールで対処することが、適した利用法ではなく、結果的には問題の先送りとなってしまいます。
住宅ローンの返済が厳しくなった時点で金融機関に相談し、リスケジュールすることは返済を継続するため誠意ある対応となりますが、そのリスケジュールによって住宅ローンが完済できなければ、根本的な解決法ではありません。
もし、リスケジュールするか悩んでいるならば、完済の見通しはあるか? そこが一つの判断基準になるのではないでしょうか。
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