店舗兼自宅や賃貸併用住宅の任意売却は相続後だと税金に注意

 自営業者の場合、自宅の一部を事務所として利用する方や店舗兼自宅などで、個人の不動産を仕事に利用されている方も多くいらっしゃいます。事業には良い時もあれば悪い時もあり、不動産をお持ちの方は金融機関からの借入れ時に、ほぼ例外なく抵当権を設定されている状況です。

借入金の返済が滞り無くできていれば、問題は起きませんが、その返済が思うようにできなくなると金融機関からは一括での返済を迫られることになります。

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不動産の売却は避けられない

 分割での返済が不可能な状況での一括返済は不動産の売却を示唆しますが、所有者の決断に時間を要し、前向きに行動しないようならば、金融機関は競売により回収する方法を選択します。

店舗や事業所が競売により人手に渡ることは、他の場所を借りて再営業する際にも取引先等の信用問題もあり可能な限り避けたいのが実情だと思います。

引き続き事業を継続させる以上、競売回避は大きな意味を持ちます。

任意売却2つの注意点

 しかし、競売を回避するためには任意売却となりますが、ここで不動産が単に自宅の居住用不動産でない場合、慎重に進めなければならないケースがあります。

任意売却について詳しく

任意売却2つの注意点

1.不動産の居住用部分が90%未満の場合

2.取得(購入)価格が不明の場合

1.不動産の居住用部分の割合が90%未満の場合

 自宅(居住用財産)を売却する場合、買った時よりも高く売れて利益が出れば、譲渡所得となり所得に応じ課税されます。ただし、自宅であれば譲渡所得から3,000万円までは控除ができる特例があり、ご自身が購入した不動産であれば、課税される方は少ないでしょう。

ところが、この特例は自宅に限られ、売却する不動産に店舗や事務所又は賃貸部分等の割合が10%を超える場合、その部分に関しては特例の適用はありません。

従いまして、売却により利益が出る場合、自宅以外の部分に関しては課税される可能性がありますので要注意です。

2.取得(購入)価格が不明の場合

 不動産売却後に課税される税金の計算には、購入価格と購入時の経費を足したもの(仲介手数料やリフォーム代等も含む)を取得費として算出する必要があります。

不動産は自身で購入する以外にも相続により取得することもあります。この場合も先代が購入した当時の売買契約書等がきちんと保管されていれば、取得費として計算できますが、見つからないケースが多くあります。

そのため、先代がバブルの頃に購入して相続された不動産では、確実に売却時の価格の方が低いと分かっていても正確な価格が判明しない時や、ご自身で購入され価格は記憶されていても契約書等も紛失し、きちんと説明できる証拠が無い場合、取得費を購入価格から算出することができないので、譲渡所得が発生し多額の納税が必要なることがあります。

譲渡所得の計算

売却額 ― (取得費+譲渡費用) = 譲渡所得

 ※ 譲渡費用とは不動産売却時の経費を足したもの(仲介手数料や測量費等も含む)

上記の譲渡所得金額があれば納税が必要になりますが、取得費が多ければ、譲渡所得金額が少なくなります。

取得費が不明のときの対処

 非常に理不尽なことですが取得費が不明の場合、取得費を5%として計算することが認められています。繰り返しになりますがバブル期に購入された不動産が現在の売却価格の5%で買えることは、ほぼ、あり得なかったと思います。

そのため、購入価格が示せないだけで多額の納税が必要となることもありますので、任意売却時にも、事前に税金の取扱いがどうなるのか? きちんと調べておく必要があります。

最近では取得費が不明な場合、市街地価格指数を用いて取得費を算出する方法がインターネットを含めて盛んに出回っておりますが、明確な基準が無いため、必ず税務署に認められるかは定かではありません。そのため、市街地価格指数についての説明も省かせて頂きます。

賃貸併用住宅も相続した土地には注意

 近年では大手ハウスメーカーが賃貸併用住宅の建設にも積極的で、条件はありますが住宅ローン同様に低金利での融資が受けられるため、家賃収入で住宅ローンが返済できるとの謳い文句で営業を掛けています。

もちろん、賃貸併用住宅の建設後も家賃収入が継続してあれば問題ありませんが、空室リスクやサブリースでの家賃の引下げ等があると収支に狂いが生じ、ローンの返済に直結します。

賃貸併用住宅のローンが払えなくなれば、やはり精神的負担を考えると任意売却が有利となりますが、仮に相続した土地に賃貸併用住宅を建設していたとすると、賃貸部分の割合には3,000万円の控除は適用されませんので、前述の取得費によっては多額の納税が必要となることも想定されます。

競売や任意売却は非課税の場合も

 ここまで、任意売却に伴う税金について、書いてきましたが、では借金返済で不動産を売却、手元に残らないのに納税が必要なの? また、どうやって納めればいいのか? 普通に考えて無理だと思います。

そこで、所得税法第9条1項10号には以下の場合、非課税所得とされています。

『資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における国税通則法第二条第十号(定義)に規定する強制換価手続による資産の譲渡による所得その他これに類するものとして政令で定める所得』

国税庁ホームページ強制換価等による譲渡(第10号関係)

簡単に説明すると、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な状況で、競売又は競売が避けられない状態で資産を手放した場合、尚且つ、その売却代金が全て債務の返済に充てられていれば、非課税になるということです。

競売が避けられない状態での売却は任意売却となり、注意点は『売却代金が全て債務の返済』ですが、もちろん経費の支払いに関しては認められますが、売買代金の中から引っ越し代等を受取っていると非課税にならないことになります。

任意売却も、お客様の状況によって納税が必要となる場合もありますので、不動産に関する書類はきちん保管してあるかの確認も重要です。

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