任意売却のデメリットを徹底的に探ってみました!

 住宅ローンなど不動産を担保にしたローンが返済できなくなったとき、この問題の解決策として任意売却はとても有効です。

だからといって、良い面ばかりではありません。

任意売却にデメリットは無いのか!?

任意売却を検討するか悩んでいるとき「任意売却のデメリット」は、一番知りたいことだと思います。

この記事は、現役で任意売却に携わるFP&不動産コンサルの有資格者が任意売却のデメリットについて徹底的に掘り下げてみたいと思います。

目次

任意売却のデメリットは競売より高く売れるという「印象操作」

 任意売却の希望者は『競売より高く売れる』という思い込みをしています。

無理もありません。

インターネット上では『競売は一般の不動産市場よりも2割~3割程度安くなってしまう・・・』というような触れ込みを目にします。

任意売却は『競売より高く売れる』というのは単なる印象操作でしかありません。

『競売より高く売れる』という思い込みで任意売却をしてしまうと、後悔する結果につながるかもしれません。

『競売より高く売れる』との印象操作を信用して任意売却に臨んでしまうのは『任意売却一番のデメリット』となります。

不動産の売却価格が「競売と任意売却では、どちらが高いのか?」については『分からない』としか答えようがありません。

任意売却を希望するならば、競売と任意売却では売却価格で、どちらが有利なのかは分からないと認識した上で依頼しましょう。

競売との比較で借金を多く減らす目的には、必ずしも適さないということになります。

競売より高く売れるは「印象操作」

競売より高く売れるという「印象操作」はなぜ起こる?

 筆者も任意売却については積極的に携わっており、依頼されることで仕事になるのは事実です。

任意売却の依頼が増えれば、会社としての売上もアップするため商売繁盛となるのは間違いありません。

その反面、任意売却の相談を受けても依頼されずに相談者の不動産が競売になってしまったら、何の報酬も受取れずに終わります。

その結果から言えることは、住宅ローンが払えない方に対して『競売より高く売れる』とアピールすることで、任意売却を勧めるのが効率の良い集客方法の1つになります。

任意売却が『競売より高く売れる』と告げられれば、何となく現実味も感じられ信用してしまいます。

これと同じような集客方法は『リースバック』についても同様です。

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従いまして、『競売より高く売れる』や『リースバック』は任意売却の依頼を獲得するための営業トークのような意味合いで受け止めておく必要があります。

もしかしたら、競売より高く売れるかもしれない・・・

もしかしたら、リースバックが成立するかもしれない・・・

可能性はゼロではないからです。

『競売より高く売れる』はポジショントーク

競売が任意売却よりも安く落札されるとは限らない理由

 任意売却業者もさることながら、一般的に競売では安値で落札されると認識されがちです。

しかし、それは過去の話であり、特にマンションや一戸建てなど普通の住宅が安値で落札されることは、通常ありません

ましてや、現実に人が住み生活している住宅です。

汚れや痛みはあるかもしれませんが、家族で生活していた家ならば、再度、別の家族も生活できると考えるのが自然です。

競売ビジネスも熾烈な競争が繰り広げられ、多数の参加者により高値で入札しない限り、競売物件を落札するのは難しいのが現実です。

そのため競売で落札される前、あるいは競売申立ての前に取引を終える任意売却は、もし競売になれば、もっと高値で売却できて借金を減らせた可能性もあるのです。

競売で普通の住宅は人気物件

任意売却業者が教えない競売の落札価格の秘密

 競売の落札価格について、筆者としてもデータで示してないので説得力が無いかもしれません。

実は簡単に、競売の落札価格が安くない理由に説得力を持たせる方法があります。

それは「競売の入札代行業者のウェブサイト」に目を通していただければ、良く分かります。

「競売の入札代行業者のウェブサイト」をインターネットで検索しよう

競売の入札代行業者とは

競売となった不動産の入札を手伝い、落札できた際に手数料を受取るビジネス。
一般の方や一部の不動産投資家などが落札したい不動産がある場合、主に相談に始まり落札まで代行する。
競売の入札代行業者の多くは不動産業者。

実際に競売物件を落札する側の立場になると、競売の落札価格が安くないと感じると思います。

競売の入札代行業者は入札し、競売物件を落札できなければ大した報酬は手にすることはできません。

そのため、競売は安く落札できるという認識を持たれてしまうと、仮に依頼を受けても落札することができません。

競売もそれなりの価格で入札しなければ競売不動産を落札できません

競売自体もビジネスとなり、競争原理が働いているからです。

競売ビジネスも今では盛んになっている

任意売却では内見(内部見学)に応じる必要がある

 次にあげるデメリットは任意売却する以上、通常の不動産売買と同様に一般の不動産市場で売却します。

当然ながら、不動産に興味を持って見に来る人が現れます。

そして、建物内もじっくり見てもらう必要があります。

また、散らかったままでは失礼なので、建物内をきれいに保つことは必要です。

内見希望者は自宅を購入してくれる、お客様の可能性がありますので不愛想な対応はマイナスになってしまいます。

内見に応じずに任意売却は、ほぼ不可能と言っても差し支えないでしょう。

そのため「任意売却=消極的な売却」という感情もあり、内見に応じることも負担となりデメリットと感じる方もいます。

内見の対応が負担となる人も

競売申立て後は落札前の引越し

 次にあげるデメリットは、競売の申立て後に任意売却を行うことが前提となります。

任意売却は、競売の開札期日の前日までに取引を終了し、裁判所に対して競売の取下げをしなければなりません。

一旦、競売の申立てをされると、競売で落札されるよりも早く売却するため、その分早く引越しが必要になることです。

引っ越し先が賃貸の場合、競売よりも早く家賃が発生します。

とことん覚悟ができているならば、強制的に退去させられるまでは落札後も住み続けることは、実質的にはできてしまいます。

損得勘定だけで判断するならば、ギリギリまで住み続けてから引越すのが、家賃の発生時期を遅らせることになります。

※ 競売で落札後も居座ることを推奨している訳ではありません。

任意売却は競売の落札前に済ませる

任意売却のデメリットまとめ

 任意売却のデメリットをまとめると、以下の3点となります。

任意売却のデメリット

  1. 競売より高く売れるとは限らない
    競売との比較で借金を多く減らす目的には、必ずしも適していない。
  2. 内見対応
  3. 早期の引越し

以上のようになりますが、実際には人それぞれケースも異なります。

重要なのは、「1.競売より高く売れるとは限らない」であり、「2.内見対応」「3.早期の引越し」は任意売却ならば受け入れるのは当然でしょう。

筆者がどうしても伝えたいことは「都合のいい言葉に惑わされずに任意売却を検討してほしい」と常に考えています。

なぜ、任意売却をするのか?

 目的をハッキリさせ、後悔しない任意売却を成功させましょう。

ちなみに、あえて任意売却のメリットをあげるなら、それは「競売による精神的な負担を軽減できること」この一点です。

精神的な負担を減らすなら任意売却

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