土日祝日も受付中
オーバーローンだけど任意売却はできるの!?

住宅ローンの返済が困難になったとき、対処法の一つに任意売却があります。
任意売却は債権者の同意を得た上で不動産を売却、その代金を残債の返済にあてる方法です。
返済の負担が軽減できるとなれば多少気は楽になりますが、一方でローン残債が売却代金を上回ること(オーバーローン)に不安を感じる方もいるでしょう。
この記事は「オーバーローンでも任意売却できるか知りたい」との疑問に対して、FP&不動産コンサルの有資格者が解説します。
また、「任意売却後の残債はどのように返済する?」との疑問にも合わせて解説しますので悩んでいる方の参考になれば幸いです。
目次
オーバーローンでも任意売却はできる

自宅を売却しようにも、オーバーローンの状態では売れないと不安を感じている方は多いでしょう。
結論を先に書くと、オーバーローンでも任意売却は可能です。
むしろ『オーバーローンだから任意売却』が適切な表現ではないかと筆者は考えています。
オーバーローンだから任意売却とは
住宅ローンが払えなくなることは、珍しいことではありません。
近年、住宅ローンが払えなくなる方の対処法が任意売却として認識されつつあります。
その結果「住宅ローンが払えない=任意売却」のような感覚でとらえている方もいます。
しかし、実際は住宅ローンを滞納し自宅の売却を考えたとき、オーバーローンのため普通には売却できない事態に陥ります。
このとき、用いられる方法が任意売却となります。
従いまして「任意売却はオーバーローンのときに不動産を売却する方法」となり、オーバーローンでも任意売却できるは少々ニュアンスが異なります。
実際は「オーバーローンだから任意売却」となります。
通常の不動産売買では、住宅ローンが完済できなければ自宅の売却はできません。
ただし、任意売却は住宅ローンを借りている金融機関の同意が得られれば、残債があってもオーバーローンの自宅を売ることができます。
細かいことを言えば、任意売却ができるのは住宅ローンを滞納している場合のみです。
さらに付け加えると、住宅ローンを滞納し「期限の利益を喪失」している(=金融機関から一括返済を求められている)状態でなければ、任意売却はできません。
期限の利益を喪失するのは、滞納を3〜6回続けたあたりが目安となります。
あわせて読みたい

期限の利益の喪失で住宅ローンはどうなるの?
住宅ローンを滞納したら「期限の利益喪失予告書が届いたけど」、どうすれば・・・ 「期限の利益の喪失」の意味が、分からない? 住宅ローンの返済が滞ると、金融機関...
〈任意売却の要件〉
- オーバーローン
- 期限の利益を喪失(一括請求されている)
オーバーローンは任意売却で対処
オーバーローンとは

冒頭から「オーバーローン」という言葉を頻繁に使ってきました。
そもそも「オーバーローン」とは、どいうことなのか少し説明します。
不動産の資産価値よりも、住宅ローンの残債が上回っている状態を「オーバーローン」といい「債務超過」と表現されることもありますが、意味合いとしては同じです。
自宅を売却しようと考えたとき、不動産業者に査定を依頼します。
査定価格が住宅ローンの残債よりも低ければ、オーバーローンの可能性は大きいでしょう。
あくまでも査定価格なので、売買が成立しなければオーバーローンかどうかはハッキリしませんが、おおよその見当はつくことでしょう。
売値≦ローン残債=オーバーローン
不動産は築年数とともに価値が下がるのが一般的です。
新築で購入した物件も、10年経過すればその価値が半分ほどになることは決して珍しくありません。
月々の返済額が少ないと元本がなかなか減らず、自宅の価値よりもローンの残債が高くなってしまうことは、よくあります。
通常の不動産取引ではオーバーローンの不動産を売却するには、不足分の現金を用意した上で売買するのが基本です。
ここがが任意売却と通常の不動産売買との大きな相違点となります。
※ 近年「購入する物件の価値以上の融資を受けること」もオーバーローンと表現することがあるようですが、本記事では不動産価値よりもローン残債の方が高いことをオーバーローンとして説明します。
オーバーローンでの不動産売却は現金の持出しが必要、任意売却は例外
住宅ローンは滞納でもオーバーローンでない場合
住宅ローンを滞納中でもオーバーローンでないケースは、どうなるのでしょうか?
オーバーローンでなければ、自宅の売却と同時に住宅ローンは完済となります。
このケースについても、オーバーローンでは無いものの最近では、広い意味で任意売却と呼んでいます。
先に書いた通り、「住宅ローンが払えない=任意売却」のような感覚でとらえている不動産業者も多く存在しています。
ただし、住宅ローンを滞納中の場合、1点だけ遅延損害金の扱いには注意が必要です。
本来、住宅ローンは約定通りの返済であれば金利は低く設定されています。
しかし、滞納が続いた結果、遅延損害金が発生した場合「元金+遅延損害金」も含めて金融機関から請求されますので注意が必要です。
遅延損害金も合わせて請求されてオーバーローンとなる可能性もありますので、返済状況については正確に確認しましょう。
あわせて読みたい

遅延損害金とは|利率や計算方法、免除の方法などを解説【住宅ローン】
住宅ローンを滞納すると、気になるのが遅延損害金の存在です。 遅延損害金とは、約束の期日までに住宅ローンの返済が行われなかった時に発生するペナルティのことです。...
遅延損害金の総額に注意!
オーバーローンで自宅を売る際に考えるべきこと

オーバーローンで自宅を売却するには任意売却となるため、確認すべきポイントが3つあります。
〈任意売却を検討するとき3つのポイント〉
- 相談先
- 住宅ローン残債の返済方法
- 売却活動(内覧対応)
ここからは具体的な内容を解説します。
1.相談先
任意売却は通常の不動産売却よりも手続きが煩雑であり、一般的な不動産業者では対応が難しいケースがほとんどです。
最善の方法で住宅ローンや家の売却問題を解決するには、専門知識のある不動産業者へ相談しましょう。
『弁護士や司法書士でも手続きできるの?』といったご質問をいただきますが、債務整理や法的な対処がなければ、弁護士や司法書士への相談は原則不要です。
2.住宅ローン残債の返済方法
任意売却は、自宅を売って終わりではありません。
オーバーローンで売却すると、当然ながら残りのローンの返済が続きます。
任意売却を検討する時点ですでに返済が困難であると予想されるので、金融機関に対して返済額の交渉が必要となるでしょう。
任意売却を進める過程では、毎月の収支を記した生活状況表の提出が求められます。
この書類をもとに手続き後の返済額を決定しますが、一般的には月々5,000〜50,000円程度で返済していく方が多いです。
任意売却に精通する不動産業者であれば、残債の対処については事前にアドバイスしてもらえます。
なお、不動産業者は金融機関と直接、残債の減額交渉は行えませんので、第三者の力を借りるならば弁護士に依頼する必要があります。
任意売却に精通する業者は残債についてアドバイス可
3.売却活動(内見対応)
任意売却は自宅に住みながら売却活動を進めていくため、内見希望者に対して丁寧な対応が求められます。
内見(ないけん)とは
内部見学の略語で、実際に物件を訪れて部屋の中を見ることをいう。
設備や内装などを確認するために行われる。「内覧」と呼ぶこともある。
購入希望者が物件を気に入るよう、建物内はできるだけ綺麗に清掃しておきましょう。
戸建てであれば、庭の手入れも行っておくと物件全体の印象が良くなります。
内見では、購入希望者から居住環境について質問されることも多いです。
日当たりや騒音、隣人住民についてなど、実際に住んでみなければわからない内容を事前に把握しておきたいと考えるからです。
ネガティブに捉えられる内容も、笑顔で明るく回答すれば受け取る側の印象は大きく変わります。
内見対応について不安があれば、あらかじめ不動産業者に相談することも大切です。
離婚するとオーバーローンの家はどうなる?注意点は?

自宅を売却する理由は、住宅ローンの滞納だけではありません。
離婚を理由に売却を決意される方は多く、この場合残債の返済が問題となりやすいです。
ここからは、離婚によってオーバーローンの不動産を売却する際に注意すべきポイントを解説します。
ケース①元夫が返済し、元妻が居住を続ける場合
不動産の名義人:元夫
住宅ローンの名義人:元夫
離婚後の返済:元夫
離婚後に居住する人:元妻
離婚してもお子さんの生活環境は変えたくないという、ご家庭でよくあるパターンです。
元夫名義の家に元妻が住み続けること自体に法律的な問題はありません。
形式上は、元夫と賃貸借契約を交わした上で居住を続けることになります。
話し合い次第では、家を無償で借りる代わりに養育費を減額するといった内容で決着がつく場合もあります。
元夫が返済を続け、元妻が住み続ける場合に注意すべき点は次の2つです。
〈2つの注意点〉
- 元夫が住宅ローンを滞納すると強制執行される可能性がある
- 住宅ローン控除が受けられない
夫婦間で特別な取り決めでもしない限り、離婚後にお互いの経済状況を把握するのは困難です。
仮に元夫が住宅ローンを滞納しても、元妻はその事実を知ることはできません。
滞納が続けば、自宅は競売にかけられることになるでしょう。
また、離婚によって住宅ローンの対象物件から退去すると、住宅ローン控除が受けられなくなります。
住宅ローン控除を受けるには、対象物件に住んでいることが条件となります。
新築または取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
引用元:国税庁|No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
住宅ローン控除による還付金は、その年度によって異なります。
離婚の際はお金のトラブルが発生しやすいため、あらかじめ夫婦間で話し合っておくことをお勧めします。
あわせて読みたい

住宅ローンの連帯保証人のまま離婚!妻が住み続ける方法とは!?
住宅ローンが夫の信用だけでは足りず、妻が連帯保証人や連帯債務者となり借りているケースは非常に多いと思います。 夫婦で住む家なので、妻の協力で家が買えるとなら...
ケース②名義人を元夫から元妻に変更し、元妻が居住を続ける場合
不動産の名義人:元夫
住宅ローンの名義人:元夫→元妻に変更
離婚後の返済:元妻
離婚後に居住する人:元妻
離婚後、元妻が住宅ローンを返済する場合は不動産と住宅ローンの名義を元妻に変更します。
実際は、住宅ローンの名義を変更することは金融機関が原則として認めることはありません。
このケースでは元夫が元妻に不動産を売却し、元妻の名義で住宅ローンを借りることになります。
ただし、元妻に十分な返済能力がないと金融機関が判断すれば、残念ですが元妻の名義でローンを組むのは難しいでしょう。
ケース③元夫が返済し、元夫が居住を続ける場合
不動産の名義人:元夫
住宅ローンの名義人:元夫
離婚後の返済:元夫
離婚後に居住する人:元夫
住宅ローンの名義人が離婚後も住み続ける場合、特別な手続きは必要ありません。
1つだけ確認しておきたいのが、住宅ローンの保証人です。
元妻あるいは元妻の家族が保証人だと、元夫が返済不能となった時に名義人に代わって返済義務を負うことになります。
保証人が元妻やその家族であるならば、住宅ローンが完済するまで元夫とは返済状況について、常に確認する必要があります。
元妻が連帯保証人のままでは不安は尽きませんので、可能な限りも離婚時に自宅は売却するのが望ましいでしょう。
離婚後の住宅ローン残債について
離婚の際、婚姻中に夫婦で築いた財産は原則折半となることから『住宅ローンの残債も半分ずつになるの?』といったご質問をいただくことがあります。
結論からいいますと、住宅ローンは財産分与の対象とならないため、ローン残債を夫婦で折半する必要はありません。
したがって、離婚後の住宅ローンは名義人が返済していかなければなりません。
名義人が元夫・連帯保証人が元妻のケースについては、名義人が滞納すれば連帯保証人が返済義務を負うことになります。
ペアローンなど夫婦それぞれが主債務者となる契約では、共同財産から残債が差し引かれます。
共同財産の残額は2人で分け合うのが一般的です。
あわせて読みたい

離婚で住宅ローンの連帯保証人を外れる方法はあるの!?
離婚した元夫婦が一度も会うことが無くても、切っても切れない関係が続いてしまうことがあります。 それは婚姻時に夫が住宅ローンで自宅を購入、妻が住宅ローンの連帯...
可能な限り売却する
オーバーローンと任意売却にまつわるよくある質問

オーバーローンと任意売却について、ご相談者様から多くいただくご質問にお答えします。
Q.自己破産の申立中ですが、オーバーローンの家を売却できますか?
できません。
自己破産をすると、高額な財産(金額の目安は20万円以上)は原則処分されます。
自己破産の申立中ということは、すでに財産処分に向けての準備が進められているものと思われます。
したがって、自己破産の手続き中に個人として家を売却することは不可能なのです。
この場合、事前に弁護士には任意売却後に自己破産したい旨を告げて依頼するのが宜しいかと思います。
Q.オーバーローンでも家の住み替えはできますか?
可能です。
ただし、住み替えローンは一般的な住宅ローンに比べて審査が厳しい傾向にあり、金利も高くなる場合も多いです。
オーバーローンで住宅ローンを滞納している場合は任意売却の検討を

住宅ローンの返済中、何らかの事情で自宅の売却を考えなければいけない可能性は誰にでもあります。
原則として、住宅ローン完済しないで自宅を売却することはできません。
ただし、金融機関の同意が得られれば、たとえオーバーローンであっても自宅を売却することは可能です。
すでに住宅ローンを滞納している場合、対処法として任意売却をご検討ください。
当事務所では、FP&不動産コンサルの有資格者が不動産売買や住宅ローンの滞納に関する無料相談を行っております。
ご相談者様にとって最善の解決策をご提案いたしますので、ご自宅の売却を検討されている方はお気軽にお問い合わせください。
任意売却は早めの相談が断然有利!


















