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【実録】他人の借金で自宅が競売へ!担保提供者が望んだ「たった1つの解決策」

「1円も借りていないのに、なぜ自宅を追われなければならないのか?」
もし、あなたが身内や知人の「借金の担保(保証)」として自宅を提供し、その影響で競売の通知に怯えているとしたら。
自分は借りていないのに
1円も使っていないのに
その怒りと不安は、通常の住宅ローン滞納とは全く別物となります。
そんな理不尽な現実に直面したとき、多くの不動産業者は「すぐに売ったほうが賢明です」と提案してきます。
もちろん現実を見れば、その答えも間違ったものではありません。
しかし、相談者が求めていたのは、単に不動産売却の話ではなく、「唯一の望み」をどう叶えるのか?
この1点のみでした。
20年以上前、まだ「リースバック」という言葉も仕組みも一般的ではなかった時代。
どうやって「競売回避」と「1年間のリースバック」を成し遂げたのか?
あえてこの古い事例を記事にしたのは、今でも変わらない物上保証人が競売を回避するために必要な「たった1つの本質」が詰まっているからです。
20年を超すキャリアの中で最も困難だったこの実例が、今まさに不条理な状況にいるあなたの、解決へのヒントになれば幸いです。
任意売却に精通するFP&不動産コンサルの有資格者が、「あなたを悩ませる」特殊な立場から解説していきます。
目次
他人の借金で家を失う「担保提供」という過酷な現実
聞き慣れない言葉かもしれませんが、今のあなたの置かれた状況は「物上保証人」と呼びます。
〈物上保証人の悩み〉
- 自分は借金をしていない(1円も使っていない)
- 身内や知人の借金の担保で自宅を提供している
- 債務者が返済不能で、自宅に競売の通知が届いた
債務者(お金を借りた本人)とは異なり、非常に理不尽な立場に置かれてしまいます。
ご自身の不動産を他人の借金の担保とした結果、不動産を失ってしまうリスクがあります。
物上保証人をもう少し詳しく
物上保証人とは、借金の返済を約束するのではなく、自分の不動産を担保として差し出し、その不動産の価値の範囲内で責任を負う人のこと。
返済ができなくなると、不動産が売却されることで責任を負う仕組み。
もちろん、売却代金は回収に充てられ余剰が出れば手元に残ります。
不動産を手放す原因が他人の失策
20数社が群がった「物上保証人」を巡る異常な現場
今でも鮮明に覚えている、ある相談者の話です。
その方は身内の事業を支えるため、都心の一等地にある自宅を「借金の担保として提供」していました。
やがて事業が傾き、返済不能へ。
銀行から自宅の売却を迫られた相談者は、当時存在した※「滌除(てきじょ)」という制度を使い、なんとか自宅を守ろうと手続きを進めていました。
※ 当時の専門用語について
「滌除(てきじょ)」という当時の専門用語が出てきますが、文中で解説します。
しかし、銀行の出した答えは「No」
それどころか、この「滌除(てきじょ)」が引き金となり、事態は競売申立てへと一気に加速してしまったのです。
競売が申立てられたことで、相談者の自宅には20社を超える業者が任意売却のアプローチを掛けてきました。
私が相談者宅で打ち合わせの最中にも、他社から営業電話が鳴る状況です。
そのことからも、物上保証人の自宅は超一等地であったことが容易に想像できます。
アプローチする業者の多くは、物上保証人の理不尽な立場に同情するものの、提案の中身は結局「単なる任意売却」ばかりでした。
その中で、私が選ばれた理由は、相談者の唯一の希望であった「1年間のリースバック」を具体的に提案できたからです。
| 比較項目 | 他者の提案 | 私の提案 |
| 視点 | 売却価格のみ | 相談者の希望 |
| 買手 | 一般的な買手 | 現金投資家 |
| 引渡し | 代金受領と同時 | 1年間のリースバック後 |
物上保証人の希望は1年間のリースバックのみ
「1年間のリースバック」が唯一の希望だった理由
相談者の希望は、単なるわがままではありません。
実は相談者は、すでに自宅を手放す覚悟を決め、動き出していました。
マンション購入という、極めて現実的な選択肢を受け入れた
しかし、新築のため完成時期と競売による退去の時期にはズレがありました。
競売で家を追われれば、新居ができるまで一旦家族で転居し、仮住まいが必要になります。
「短期間に2度の引っ越しは避けたい・・・」
理由はここにあったのです。
この願いを叶えるには、やはり1年間のリースバックが不可欠でした。
リースバックは家族みんなのため
高値売却すら喜べない、物上保証人の複雑な心境
多くの業者は、単なる任意売却の営業で、売買価格など金銭面での優遇に終始しました。
しかし、物上保証人である相談者には、響くはずもありません。
物上保証人は連帯保証人とは異なり、担保として提供している自宅を手放せば、その責任は果たしたこととなるから。
相談者は「売買価格については、正直どうでもいい・・・」と口にしていました。
この意味は、わずか40坪程度の土地に数億円もの抵当権があり、到底その額を上回る売買価格などあり得なかったからです。
そうなると「1円も手元に残らない」ことは確定しています。
少しでも高く売って借金を減らしたい債務者(借りた本人)とは、見ている景色が根本的に違うのです。
いわば、手元にお金が残る可能性は無ければ、売買価格に興味は無くて当然と言えます。
物上保証人は売買価格に無関心
弁護士の「滌除(てきじょ)」提案と、銀行との深い溝
実は相談者はマンション購入を決断する前に、法律のプロである弁護士に依頼、すでにある対抗策を講じていました。
それは自宅の名義変更を行い、あえて第三者(身内)に所有権を移すことで可能となる「滌除(てきじょ)」という法的手段を講じ、正面から銀行に挑んでいたのです。
相談者は自宅を守ろうと法的に手続きを進めていた。
自分の借金ではないけれど、「担保の範囲内で責任を果たし、なんとか自宅を守りたい」という物上保証人としての対抗手段だったのです。
滌除とは
2004年の法改正前にあった制度。
不動産を買い取った第三者が「この金額を支払うので、抵当権を消してほしい」と債権者から合意を得る手続き。
現在は「抵当権消滅請求」として少し形を変えています。
一蹴された金額と銀行の誤算
滌除による提示金額に対して、銀行は「当行の評価とは大幅な金額の乖離がある」として一蹴されてしまいました。
銀行は任意売却に対しても強気の姿勢、相当な高値を提示しない限り、前向きな印象は無かった
しかし、後から振り返れば弁護士は、物件の正当な価値を正確に見抜いている「やり手」のプロでした。
事実、当時弁護士が提示した滌除の金額は、最終的に任意売却が成立した価格とほぼ同等だったからです。
滌除の金額は正しかった
銀行を沈黙させた、裁判所「評価額」という切り札
都心の一等地ということもあり、銀行は「競売でも、かなり高値で売却できる」と想定していたようです。
当時は、不動産ファンドバブル序章の時期、価格は上昇傾向にあった
私自身も、もし競売になれば、相当の高値で落札されると踏んでいたのも事実です。
銀行も当然、その高額な落札価格を確信し、こちらの提案など一蹴する構えだったと思います。
しかし、裁判所の「評価額」を知ったあと、銀行の担当者の態度が一変したのを強く覚えております。
市場の不動産価格は上昇中
銀行の態度を一変させた、評価額のギャップ
理由は不明ですが、銀行の期待とは裏腹に、裁判所の評価額は驚くほど低いものでした。
銀行の担当者は、これまでの姿勢を一変させ、「早急に任意売却を進めてください!」と、急遽連絡してきました。
銀行がここまで慌てたのには、明確な理由があります。
ただ単に、「評価額が低かった」だけではありません。
先んじて行っていた「滌除(てきじょ)」の拒否が、逆に銀行へプレッシャーをかけたのです。
裁判所の評価額が低いということは、競売の結果、「1割増し」で売れる見込みが無いのでは?
という可能性も出てきたからです。
つまり、銀行としては「任意売却」へと舵を切らざるを得なかったのです。
発揮された滌除の効果
担当者の「稟議」を支える、控除費用調整という実務の裏側
任意売却を進めてと促されても、債権者である銀行から価格の合意を得る必要があります。
しかし、今回のケースではダラダラと協議を重ねる時間的な余裕はありません。
まさに一発勝負の状況でした。
大きな壁は、双方の価格差
最終的に提示できる回収額は、銀行が目論んでいた金額には到底及ばないものでした。
普通であれば門前払いされ、機械的に競売へと流されてしまうような低い水準です。
そこで、銀行の担当者が「これなら社内稟議を通せる」と思えるような、実務的な工夫を凝らしました。
表向きの売買価格は銀行の期待値に近づけつつ、そこから差し引かれる「控除費用(必要経費)」を積み上げること
具体的には、測量費用や残置物の撤去費用、解体費用など、任意売却に伴う諸費用を実情に合わせて精査し、詳細な見積書を添えて計上しました。
〈売買価格の調整ポイント〉
- 表向きの売買価格
銀行の顔が立つ「一定以上の水準」をキープ - 実質的な回収額
諸費用を差し引き、投資家が購入できるラインまで落とす
銀行内部の判断基準を逆算し、担当者が上司へ「価格は妥当だが、経費がかさむため回収額はこのラインになる」と説明しやすい材料を揃えました。
こうした数字の積み上げと調整の結果、銀行から「こちらが提示した価格での任意売却(競売取下げ)」の合意を取り付けることができました。
任意売却の価格は決定したが買主は?
前例のない「1年間のリースバック」をどう成立させたか
銀行から、任意売却に応じる売買価格は取り付けたものの、肝心な買手はどうかというと、確定的ではありませんでした。
現在は「リースバック」という言葉も一般的になり、提案する不動産会社も増えました。
しかし、債務超過(オーバーローン)の状態で行う任意売却において、リースバックを成立させることの難しさは、当時も今も変わりません。
債権者(銀行)の回収最大化、買手の購入希望価格、そして売手の引渡し時期は、通常は相容れないからです。
個人向けリースバックなど、影も形もなかった時代
広告のリースバックが、時に不可能な理由(オーバーローンの壁)
ネット上には「住み続けられる」という耳当たりの良い広告を目にします。
しかし、実務を知る人間からすれば、それは多くの場合「釣りワード」に近いと言わざるを得ません。
なぜなら、リースバックを成立させるためには、債権者(銀行)と投資家の間で決して埋まらない「価格のねじれ」を解消しなければならないからです。
〈価格のねじれ〉
- 投資家
将来の家賃収入から逆算し、利益(利回り)を出すために「できるだけ安く」買いたい。 - 債権者(銀行)
1円でも多く貸金を回収するため、市場価格に近い「できるだけ高い」価格で売りたい。
※ 債権者は戸建てやマンションの任意売却では、買手を実際の自己使用(居住用)を想定して評価している
投資家が「これなら買える」と提示する価格は、銀行から見れば「そんな低い回収額では抵当権を外せない」という拒絶の対象になります。
特に借金が家を売っても返しきれない「オーバーローン」の状態では、この利害の対立を調整するのは至難の業です。
多くの業者が入り口では「リースバックは可能です」と期待を持たせ、最終的には「銀行の合意が得られませんでした」と、さも仕方のないことのように諦めを促してくる。
〈リースバックの集客パターン〉
STEP
リースバックは可能
需要が多いためリースバックで期待を持たせる
STEP
銀行が合意しない
リースバックは、あきらめるよう促し、任意売却を進める提案へ
リースバックの成立には、この「投資家の購入価格」と「銀行が応じる価格」という、真っ向から対立する2つの数字を合意させる高度な交渉力が欠かせません。
任意売却とリースバックの基本的な仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説していますが、本ケースのような特殊な状況ではさらに一歩踏み込んだ戦略が必要でした。
今でもリースバックと任意売却の両立は困難を極める
無理難題を成立させた、投資家へのアプローチ
相談者の希望は「1年間のリースバック」ここは譲れません。
そして、銀行が任意売却に応じる(抵当権を抹消できる)価格も、地道な調整の末に決定しました。
〈今回のリースバックの要件〉
- 〇 1年間のリースバック(相談者の絶対条件)
- 〇 任意売却の合意価格(銀行の最低ライン)
- ? 投資家(この条件で買う買い手)
問題は、最後のピースを組み立てる、すなわち「買い手である投資家」の存在でした。
実は投資家にとって、1年間のリースバックは割に合うものではありません。
そこで、投資家にとって「事業メリットが大きい」具体化した提案を行いました。
残すは投資家のみ
出口戦略を提示する「1年後の土地活用プラン」の全貌
解決できたのは、単に買い主を探したからではありません。
投資家に対し、利回りを超えた「1年後の事業価値」を提示できたからです。
持ち掛けたのは、1年間のリースバック終了後に、その土地へ賃貸用マンションを建設するプランでした。
当時はファンドバブルの序章で、不動産価格は上昇傾向にあったことは先述の通り
単に土地を転売して利益を得るのではなく、マンションを1棟建設し、完成後に不動産ファンドへ売却する。
そうすることで、土地の値上がり益だけでなく、開発利益も含めた「利益の最大化」が見込めることを示したからです。
〈投資家への提案ステップ〉
STEP
1年間のリースバック
この期間を、マンション建設の設計や近隣調整の準備期間に充てる。
STEP
賃貸用マンション建設
土地をそのまま売るのではなく、建物を建てることで付加価値を付ける。
STEP
不動産ファンドへ売却
完成した収益物件として売却し、利益の最大化が見込める
「1年待つ」という条件を、プロジェクトを成功させるための準備期間へとする。
この時代背景にマッチした最適プランこそが、投資家が購入する決定打となりました。
最適プランが受け入れられた
| 関係者 | 抱えていた課題 | 解決の着地点 |
| 相談者 | 新居完成まで1年間居住 | 1年間のリースバック |
| 投資家 | すぐに活用は不可 | 1年間で優良な開発計画を立案 |
| 銀行 | 回収額の低下、又は自腹購入 | 回収額を早期に確定 |
決済日が決まっても不安は続く任意売却の現実
買手も決まったことで、任意売却の決済日が確定します。
急ぎ足で進めてきたものの、最終的に競売の開札期日の前日となってしまいました。
ただし、銀行の内部手続きが完了し、裁判所が競売を取下げるまでは、競売の手続き自体は止まりません。
当然、裁判所の競売資料を目にする不動産業者は、任意売却が進行中であることは知りません。
そんな中で起こったのが、近所の電柱などに、どうみて相談者の不動産のことを指す「捨て看板」が貼られ始めたのです。
〈競売進行中なのに、なぜ価格が?〉
競売で、まだ落札もされていない。当然、価格など決まっているはずもありません。
では、捨て看板に堂々と書かれた「売買価格」の正体は何だったのか?
それは、業者が勝手に推測した「これくらいで落札されるだろう」という予想価格を、あたかも売物件の価格であるかのように書いていました。
この異常事態に気付いたのは、当然相談者です。
捨て看板を見て本当に取引できるのか、不安になり連絡してきました。
任意売却でも、開札前日に決済日を設定するようなスケジュールは、通常は行いません。
これが、開札前日に取引を終える任意売却の現実なのです。
それでも任意売却は無事終了
物上保証人の任意売却は、不動産知識よりも「戦略」が成否を分ける
売買価格は、抵当権の額の僅か1/5ほどの厳しい回収条件であっても任意売却は成立しました。
そして、なんと言っても相談者の希望が形になりました。
それは単なる不動産の知識ではなく、以下の3点を綿密に予測できた結果です。
〈成否を分けた戦略〉
- 競売の開札日程
- 銀行への稟議書対策
- 投資家への事業プラン
実務の戦略が、生活再建の時間を確保する
冒頭で触れた、物上保証人が競売を回避するために必要な「たった1つの本質」について。
それは自宅を担保提供していたため、最終的には住む場所を失ってしまいました。
× 物上保証人のケースは、「家の売却がゴール」ではない
〇 「その後の生活をどう着地させるか」という出口が重要
20年以上前、前例のないリースバックを成立させたとき、解決の鍵は「できないという思い込み」ではなく、可能性を探る戦略にありました。
その結果、状況を打破できたのです。
他人の借金だけど、逃れられない理不尽さに直面した際、法律論だけでは解決できない現実があります。
もし今、先が見えない不安の中にいらっしゃるのなら、まずは現状を整理し、現実的な「出口」を一緒に探してみてはいかがでしょうか。
悩んでいるならば、当事務所へご相談ください。
深刻な悩みこそ早めの相談が不可欠
物上保証人のための「生活再建タイムライン」
他人の借金という複雑な立場だからこそ、まずはご自身が今、どのステージにいるのかを把握し、対処することが重要です。
詳しい競売の流れや期間については、こちらのページで確認できます。
〈物上保証人の状況チェック〉
STEP
競売の通知が届いたばかりの方
- 優先事項
主債務者(借主)との連絡状況と、自宅の「担保提供の範囲」を正しく把握してください。 - 目的
まずは状況を整理し、競売を止めて「任意売却」へ切り替えるための準備を急ぎます。
STEP
執行官による現況調査が済んだ方
- 優先事項
開札までの猶予(残り約3〜4ヶ月)を逆算し、具体的な「出口」を検討してください。 - 目的
強制退去を回避し、平穏な引越し、あるいはリースバックの可能性を探ります。
STEP
開札日が決まってしまった方
- 優先事項
一刻を争います、任意売却で取引を終える期限は「開札日の前日」です。 - 目的
残されたわずかな時間で、競売回避を目的とした「最終交渉」に臨みます。

















