任意売却歴15年の知見がつまった

コラム
「任意売却大全」

返済計画に狂いが生じた飲食店経営者からの相談

 コロナウィルスの影響により、飲食店経営者からの相談が増えております。

当事務所への相談例としては、飲食店経営者が店舗となる建物(土地も含む)も所有し、その建築費や改装費用を借入れて返済してきたけれど、極端な売上減少で限界にきているという内容がほとんどです。

また、閉店は避けたいのでリースバックを検討できないかという相談。

その他、飲食店経営者の身内が連帯保証人となっており、早い段階で任意売却を決断するべきなのか? といった相談もあります。

特徴的なのは融資している金融機関も、返済計画の一時的な変更(リスケジュール)に関しては、非常に協力的で柔軟に対応はしています。

しかし、想像をはるかに超える経済的な打撃を受け、返済がほぼ不可能な状態まで来ていることです。

飲食店の急激な売上減少

 先述しましたが、店舗の建築費や改装費用を不動産を担保に借りているため、その融資金額も何千万円単位となります。

当然ながら、毎月の返済額も住宅ローンの数万円~十数万円というレベルではありません。

しかも、コロナウィルスの影響で、あまりにも急激な売上の落込みにより、回復の見込みが想像もつかなくなっています。

1年前とは全く異なる状況で、返済計画に狂いが生じてしまうのは無理もありません。

リスケジュールでは対処不可

 今回のコロナウィルスの影響は、零細企業に対し金融機関がいくらリスケジュールに応じても、しばらく様子を見るような状況では全くもってありません。

政府が補正予算を組んで対応した持続可給付金(自営業者100万円・法人200万円)もあるのでは? との意見もあります。

しかし、有り難いことではありますが、実際のところ事業者にとっては、無いよりはマシ程度でしかありません。

ベテランの飲食店経営者が苦境に立たされている

 小規模な飲食店の経営者が、所有する店舗で営業を行っている場合、大方は相続等で元々所有していた土地に店舗を構えているケース、或は自宅兼店舗の様な営業スタイルとなっております。

これまでは派手に儲かるとはいかなくても、借入れは計画通りに返済し順調に経営してきた方たちです。

そのキャリアはここ数年の話ではなく、10年~20年超といった経歴です。

筆者の主観ではありますが、飲食業は参入はしやすくても、一番と言っても過言では無いくらい経営の難しい業種です。

その難しい業種でありながら、今までは経営が成り立ってきた、いわばベテラン経営者たちが立ち行かなくなっています。

今までの対処法は通用しないことも

 これまでであれば、相談者の年齢や残債を考慮し、店は閉店しても賃貸の店舗として貸し出したりと、売却以外の選択肢も提示できるケースもありました。

しかし、最近では街を歩けば、立地の良い場所でも本当に空き店舗が多いと感じます。

決して思い過ごしではなく、現状では飲食店に限らず出店しようとする積極的な経営者も少ないのは容易に想像できます。

政府の方針もあり、柔軟な返済方法へと金融機関も応じてはいますが、ほぼ返済が不可能となれば、ただ見過ごす訳にはいきません。

やはり担保となる不動産の処分が、必要となってしまいます。

つまり、競売を待つか、任意売却を決断するかの実質は2択です。

任意売却に関わる者から言えること

 これまで経験したことが無い、感染症による世界経済の落ち込みとなりました。

また、今後は落ち着くのかどうかの目安も分からないまま年を越すことになるでしょう。

飲食店の経営者、他業種の中小零細企業の経営者の方々も、このまま事業を継続していいものなのか判断に迷っていると思います。

これまで任意売却に携わったからこそ言えることがあります。

長年事業を続けてきた自営業者や零細企業の経営者は、皆まじめで仕事熱心です。

しかし、事業の継続を優先させ、借金の返済を借金でまかなう、自転車操業を考えるようになったら要注意です。

必ずや、そこで思いとどまって下さい。

不動産があるから2番抵当や3番抵当を設定し、少額を借入れるのも同じことです。

その先を進めば、多重債務者となり単なる返済苦の先延ばしで、不動産を手放す結果は変わりません。

ただし、同じ不動産を手放すでも、競売と任意売却では大きな違いがあり、後者を選ぶならば傷が浅く、そして債権者数も少ないうちに決断できれば、計画的に進めることも可能です。

先行きは全く見通せない

 今回は、大規模な経済政策を行ってはいるものの、ジワジワと影響が出てきているように思えてなりません。

そのため、来年から多少景気が上向く程度では、状況が改善するほどの実感が持てるかは疑問です。

そして、金融機関もいつまで柔軟に対応してくれるのか、現時点で答えは出ません。

また、柔軟に対応すれば、そのツケを払う時がやってきます。

状況が好転していれば、さして問題では無いかもしれませんが、そうでなければ考えただけでも恐ろしくなります。

もうこれ以上無理をしないと決断するのも経営者です。

来年あたりが事業を継続するか見定めるタイミングになるのかもしれません。

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