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任意売却の引っ越しで失敗しない予備知識と新生活の意外な心境とは?
任意売却で自宅を売るとなれば、引っ越しも必要となります。
「いつ、引っ越せば良いのか?」任意売却と同時に考えなければなりません。
家族構成や条件なども三者三様なので、どれが正しいというのも、特にありません。
次に住むのが賃貸で金銭的な損得勘定だけを考慮するなら、自宅の売買契約成立後、引き渡し期日ギリギリまで住んで引っ越すのがベストと言えます。
その理由は、任意売却の販売期間から引き渡しまで、住宅ローンの返済と家賃の負担が無いため、その間、生活再建に向け貯蓄できるからです。
しかし、任意売却が必要な方にとって、必ずしも損得勘定だけで次に住む場所や引っ越し時期を決めることが適切でない事情もあります。
任意売却に精通するFP&不動産コンサルの有資格者が「任意売却の引っ越しで失敗しない予備知識と新生活の意外な心境」について記事にしました。
任意売却後の引っ越しが、不安な方は是非参考にしてください。
任意売却の引っ越しで失敗しないためには?
任意売却に伴う引っ越しで失敗しないためには、どうすればいいのか?
出費だけを考えると、先述したギリギリまで住むのが、「断然お得です!」
しかし、現実的に家族同居のケースでは、転校の問題など「損得勘定だけでは決められない」問題も出てきます。
そうなると子供の進級や進学、又は夏休みなどのタイミングに合わせて引っ越すことも必要な場合もあります。
むしろ、大人の事情で引っ越すのだから、子供にとって「少しでも良いタイミングで引っ越すこと」を大切にするべきでしょう。
また、介護が必要な親など、年配者と同居している方もいます。
次の引っ越し先が手狭になることが予想され、同居が不可能なケースも考えられます。
その際、老人ホームなど施設のお世話になりたくても、順番待ちでスムーズに入居できないことも念頭に置いておきましょう。
このような事態が予想されるならば、引っ越しを任意売却と同時にスタートしても差し支えありません。
上記のようなケースは、決して珍しくありません。
引っ越しについて考える場合、個々に見合った引っ越しのタイミングがあり、「何が大切で何を優先させるのか?」
ご自身にとって「重要な何か?」を事前に見極めることが、非常に有効となります。
任意売却を依頼された業者は、お客様の家族構成や状況を考慮するのは当然です。
引っ越しの適切なタイミングや方法をアドバイスするのも、プロとしての大事な業務の1つです。
任意売却を依頼した業者と綿密に相談してください。
優先させるべきは何か?
任意売却後の新生活は意外にも落ち着く
任意売却後の新生活が賃貸となる場合、任意売却前と比較して、どのようなイメージでしょうか!?
まずは、どれくらいの広さの部屋に住めるか?
床面積にすると今まで住んでいた持家より、引越し先の賃貸住宅の方が、家賃等も考慮すると狭くなってしまう方がほとんどです。
50㎡のマンションから、任意売却後に100㎡の一戸建賃貸住宅に住み替えた方もいらっしゃいますが、例外中の例外です。
筆者のざっくりとした感覚ですが、割と近いエリアに引っ越す場合、任意売却前と比較して、約半分程の広さになってしまう方が多い印象です。
もともと、賃貸住宅から住宅ローンを借りて自宅を購入された方は、少し思い出してください。
購入当時、賃料と住宅ローンの返済額とを比較して「同じ位なら払っていける!」と決断された方、「購入すれば持家で、更に部屋も広くなる」と考えたのではないでしょうか?
その賃料と変わらない住宅ローンの返済額が払っていけなければ・・・
任意売却後に借りる部屋は更に狭くなる、もしくはグレードが下がってしまうのは致し方ないことです。
そして、賃貸の場合は貸主との間で賃貸借契約を結ぶため、おおむね2年に1回の契約の更新料が必要となるのがほとんどです。
ここまでは、いわばデメリットをお伝えしました。
〈賃貸のデメリット〉
- 部屋が狭くなる
- 設備や建物のグレードダウン
- 更新料が必要なことも
続いて、賃貸に引っ越した際のメリットについて。
〈賃貸のメリット〉
- 固定資産税の負担が無い
- 建物・設備の修繕費も不要
- 賃料のコントロールが比較的容易
続いて、上記に挙げた賃貸の場合のメリットを順に解説しますが、特別なことはありません。
しかしながら、任意売却後は「無理な返済から解放」されるため、落ち着いた生活を取り戻せたと感じるようです。
無理な返済は大きな心労だった
固定資産税の負担が無い
持家での生活から、賃貸に代わるということに、多少(もしかしたら相当)抵抗があることでしょう。
しかし、毎年負担となっていた固定資産税の納付についても、もう気にする必要はありません。
〈賃貸のデメリット〉にも書きましたが、民間の賃貸住宅の多くは、2年に1回の契約の更新料が必要となりますので、この点は考慮する必要があります。
任意売却が必要な方にとって、固定資産税の納付は大変苦しいと感じてきたものと思われます。
事実、任意売却を依頼される方の多くは、固定資産税を滞納されている方が大半です。
それだけ、固定資産税の負担が重くのし掛かっていたのです。
固定資産税の滞納は危険信号
建物・設備の修繕費も不要
持家に必ず付いて回る修繕費の問題についても、悩むことは無くなります。
一戸建なら、雨漏りすれば屋根の修理も自己負担でした。
賃貸になれば、大家の責任と負担で直します。
長く住むと、建物や住宅設備の色々な箇所に修理が必要になってきます。
賃貸になると修理費用について、借り手が気にすることはありません。
給湯器の故障やトイレの水漏れ等、部屋を借りるときに設備として備え付けている器機が故障すれば、大家の負担で修理することになります。
その反面、今までは普通に使って便利だった住宅設備は望めない可能性が高いでしょう。
以下の住宅設備は、基本的にあきらめなければなりません。
〈任意売却後の賃貸で無くなる設備〉
- 床暖房
- 浴室乾燥機
- 食洗器
※ 上記設備が備わった部屋もありますが、その分家賃も高額になります。
持家の場合、今では床暖房や浴室乾燥機、食洗器は、特に珍しい住宅設備ではありません。
しかし、給湯タイプの床暖房は、給湯機の故障で交換が必要となると、軽く40万円~50万円位掛かっても不思議ではありません。
快適な住宅設備も、それだけ大きな負担のもとに利用していたことになります。
ただし、女性にとっては、食洗器は捨てがたい設備の1つでしょう。
それでも、ちょっとした住宅設備の修理ともなれば、軽く数万円単位で掛かることを考えれば、随分と負担が軽くなったと思います。
任意売却で自宅を手放し、望んで賃貸住宅に入居した訳でなくても住み慣れてしまうと、案外と居心地が良くなってしまうものです。
基本的な設備で生活は成り立つ
賃料はコントロールが比較的容易
毎月、収入のある方が前提ですが、今まで住宅ローンを払っていた場合、収入減、又は支出増によって家計が苦しくなったとします。
その中で、家計をやり繰りし住宅ローンの返済額を減らすという選択肢は、ほぼ皆無でした(一時的であればリスケジュールで対応できる方もいます)。
賃貸の場合、家賃は毎月掛かりますが、住宅ローンの返済のように生活が苦しくなっても、容易に住み替えができない状況とは異なります。
家賃が負担になってきたら、引っ越しを検討できる。
住宅ローンの返済は減額が困難
今までは「何が何でも住宅ローンの返済」で、税金の納付よりも優先してきた方も多いでしょう。
気付かぬまま、住宅ローンのために生活も犠牲にしていたのです。
それが自分の意志で家賃を含め、支出をコントロールすることも可能になります。
この部分が同じ住むための支出として考えると、住宅ローンの返済と家賃の支払いで大きく異なる点です。
〈住宅ローンと家賃の違い〉
- 住宅ローンの返済 = 減額が非常に難しい
→ 引っ越には、売却が伴う - 家賃の支払い = 減額が比較的容易
→ 引っ越しも容易
支出のコントロールは心の余裕を生む
日々の生活では、「冠婚葬祭のような急な出費」も必要になり、その予測も難しいものです。
住宅ローンを払いながら自宅の修理費等、突然の高額出費に備える余裕が無ければ、「常に考えるのはお金のこと」になります。
持家を手放し、賃貸に住み替えると収入に不釣り合いとなった住宅ローンの返済に怯えることも無くなります。
心にも余裕が持てることで、皆一様に精神的にも楽なように見て取れます。
住宅ローンが払えない等、不安な状態を続けるより、負担となった自宅を手放すことは、「落ち着いた生活を取り戻す」第一歩となります。
支払いに悩む日々から解放
任意売却の引っ越し予備知識
当たり前ですが自宅を任意売却すると、引っ越しが必要になります。
引っ越し先が賃貸であれば、住宅ローンの返済と引換えに、毎月家賃の支払が発生します。
今さら説明の必要は無いかもしれませんが、任意売却中は住宅ローンの返済をストップさせます。
家賃も不要で住んでいるようなものですが、ただ喜んでばかりでは過ごせません。
その期間は大変貴重となり、経済的に苦しい状況から新生活に向けた準備をします。
新しい引っ越し先の費用を捻出するため、計画的な貯蓄が必要だからです。
任意売却後の生活設計の準備
任意売却中は次の準備で住み続けている
任意売却をされる方は、無理して返済を続けてきたので、生活に余裕はありません。
引っ越しする費用もない、ギリギリの状態に陥っている方が多いのが現実です。
任意売却中は住宅ローンの返済が無い分、引っ越し費用を捻出するために貯蓄しなければ、次の住居費用が賄えません。
そういった理由で、買手が決まり引渡し直前に引っ越すのが、任意売却ではごく普通のケースとなっています。
また、引っ越し費用を貯めていく過程で、「どの程度の家賃なら支払えるのか?」
新居を借りる、家賃の目安も分かってきます。
従いまして、経済的な理由でギリギリまで住んでいるので、本当は早めに引っ越したくても、引っ越す余裕が無くて住んでいる方もいるのです。
家賃決定のお試し期間
債権者からの引越し代では不十分
任意売却では債権者の厚意で引っ越し代として、現金を手元に残してくれるケースもあります。
ただし、最近の傾向では引っ越し代は、「ほぼ望めない」とご理解ください。
また、仮に債権者が引っ越し代を残してくれたとしても、引っ越し業者への支払いや入居費用をすべて賄うには十分とは言えません。
債権者からの引っ越し代について、期待は禁物です。
任意売却の期間中に、計画的な引っ越し費用の貯蓄を考えていきましょう。
引っ越し代の受取は期待薄
買手無しで引っ越しても任意売却は可
引っ越し費用が用意できる方が、早めに引っ越したいと考えている方もいるでしょう。
すぐにでも引っ越しを希望し、その費用も用意できるならば、早々に引っ越しても一向に構いません。
何も買手が決まってから、引っ越すルールなるものも存在しません。
むしろ、お子様の転校を新学期に合わせるなど、御家族の事情を考慮して引っ越しが可能であれば、そちらの都合を優先させるべきで、任意売却中でも問題はありません。
また、マンションの場合は住宅ローンの返済と一緒に、管理費や修繕積立金の支払いもストップしてしまいます。
管理組合の手前、気が引ける方は早めに引っ越してしまう等の対応も可能です。
早めの引っ越しは問題ない!
任意売却で早々に引っ越す場合の注意点
任意売却でも引っ越し費用が用意できれば、いつでも引っ越して構いません。
しかし、買手が決まらない状態で引っ越すとき、注意して欲しいポイントがあります。
〈早期引っ越しの注意点〉
- 最低限の清掃
- 残置物の処分
最低限の清掃
これは、当たり前のことなので、細かく説明する必要はありませんが、わざわざ家を見に来てくれる方は真剣です。
貴重な時間を使って、内見に訪れます。
可能な範囲で、「きれいに保つのは最低限のマナー」です。
ハウスクリーニングを頼める余裕はありませんので、ご自身でしっかりと掃除しましょう。
建物が古くても、清掃が行き届いていれば、それだけで見栄えは違ってきます。
見に来る方に失礼はないか?
残置物の処分
残置物の処分とは、部屋の中を空っぽにすることです。
家を購入した時のことを思い出してください。
何も無かった状態をイメージしやすいでしょう。
新居に運べない物は、処分費用も必要になるかもしれませんが、不用品だから置いていくほうが、むしろマイナスです。
住人がいない家は、空家になります(あたりまえですが・・・)
リフォーム直後の部屋ならモデルルームのようです。
しかし、生活感のある家具や家電が置いたままの空家は、全く違います。
見たことがある方なら、分かると思いますが「かなり不気味です」
少しでも見に来た方へ好印象を与えるには、残置物は全て撤去し、そのまま引渡しても問題ない状態にしておくのがベストです。
不用品は処分が鉄則
一戸建ては敷地内にも気配りを
一戸建ては、建物の周辺に物置やプランターなどがある場合、そちらも処分して何も残さないのが、やはり好印象です。
また、樹木は抜く必要はありませんが剪定等、自身で手の届く範囲で枝を落としてスッキリ見せるだけでも全く違います。
プラスで除草剤も撒いておけば、雑草もある程度防げますので、尚よろしいかと思います。
雑草が伸び放題はアウト!
任意売却中は商品としての気配りを
経済的に苦しい状況で、任意売却するのに残置物の撤去や清掃など、やや厳しい条件を突きつけているように感じると思います。
しかしながら、引っ越し後の空家も「誰かが対価を払い購入する商品」です。
少しでも、見に来てくれた方に気に入ってもらい、速やかに任意売却を成立させるためには、心配りも大切です。
早々に引っ越し、空家にしたことが任意売却を進める上でデメリットにならないよう、アドバイスするのも任意売却を依頼された業者の役目でもあります。
また反対に、「残置物はそのまま」で、買主に処分してもらう条件で話を進めることもあります。
ただし、その分は売買価格に反映しますので、任意売却を依頼する業者と相談しながら決めていきましょう。
対価に見合わなければ買手は付かない!
任意売却で引っ越すときは市町村格差に注意!
現在の自宅から、別の市町村へ引っ越す場合、注意してください。
よく調べずに引っ越してしまうと思わぬ負担が増え、生活が苦しいから任意売却したのに、以前と変わらない事態に陥ってしまうことも想定されます。
それは、「自治体間の社会保障費の違い」が生じているからとなります。
どこに住んでも同じではない
深刻な市町村格差
以前見た新聞記事で、某県の国民健康保険税(料)に関して、42歳夫婦と子ども2人で所得が233万円あるモデル世帯で、最高の自治体と最低の自治体との差は年間11万7800円あるとのことでした。
要するに年間所得233万円のモデル世帯では、同じ県内のどの市町村に住むかによって、年間で納める国民健康保険税(料)が11万7800円も違うということです。
記事によると最高の町では527,100円、最低の町では409,300円、月々にすると約1万円近く変わってきます。
国民健康保険の広域化に伴い、今までより負担が増える場合もあるため、簡単に理解が得られるか?
自治体も、困惑しているとしております。
平成30年度より、国民健康保険の財政運営の責任主体が今までは市町村でしたが、そこに都道府県が加わるようなイメージです。
しかし、広域化としていても、今のところ市町村ごとに標準保険料を算定するため、同じ都道府県内でも保険料がバラバラということになります。
都道府県単位で統一化に向けておりますが、まだ達成されてはおりません。
その他、国民健康保険では廃止の方向ではありますが「資産割という固定資産税に料率を掛けて保険料の算出基準」に取り入れている自治体もあります。
任意売却後に所得は変わらなくても、同じ自治体内で引っ越しても国民健康保険税(料)が下がる場合もあります。
社会保険に加入している給与所得者等の方には、あまり関係ない話に思えますが、実は市町村格差はこの他にもあり、日本全国で問題が深刻化しています。
合理的に考えるなら負担の少ない自治体
市町村格差の代表例
任意売却で引っ越すならば、負担の少ない自治体へと考えるのは当然です。
主な自治体間の格差が生じている代表例を挙げます。
〈市町村格差の代表例〉
- 水道料金
- 子どもの医療費無償化
- 国民健康保険の介護保険料とサービス
水道料金
水道料金に関しては、人口減少に伴い水道の利用量が減れば、それに伴い徴収できる水道料金も減少してしまいます。
その結果、維持管理コストが捻出できずに水道料金を値上げせざるを得なくなり、自治体によって既に大きな差が生じています。
これから先は下水道も含め、更に問題は大きくなるばかりです。
下水道を整備してきた自治体は、人口減少や節水効果なども合わさり、今後の維持管理コストが捻出できなければ、下水道料金も値上げしなければならない状況に直面します。
大都市でなければ、戸建ての場合は下水道よりも浄化槽が、この先、費用負担が少なくなる可能性もあります。
ライフラインでも格差が出る!
子どもの医療費無償化
子育て世代には切実な問題で、子供の年齢がいくつになるまで医療費が無料になるのか?
引っ越し先の決め手にもなります。
また、自治体によって年齢だけではなく、入院のみ無料や所得による制限等、条件が細かく異なります。
その他、一部を負担など「子どもの医療費制度」については、必ず事前に確認することをお勧めします。
子育て世代の関心事項
国民健康保険の介護保険料とサービス
国民健康保険の加入者で40歳以上の方は介護保険料も自治体により異なります。
また、介護保険の場合は自治体が介護保険料を決定するため、やはり自治体間で格差が生じています。
住民数に対し介護サービスの利用者の割合が多い自治体であれば、介護保険料も上がることになります。
従って、介護サービスの質についても地域格差が現れてきております。
介護保険料も含め、「どの様な介護サービスが受けられるか?」
事前の確認も必要になります。
高齢者も同居ならば要確認
引っ越し前のリサーチは重要
これだけ様々な市町村格差があると、任意売却後の引っ越し先によっては家計が楽になる、又は苦しくなる等の違いも生じてしまいます。
任意売却をきっかけに新生活をスタートするならば、自身に合う「より良い暮らしが望める自治体か?」
事前に見極めるのも、重要になってきます。
引っ越し先の市町村格差に要注意