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任意売却の相談で気を付けるポイント「不安をあおる業者」はアウト!
任意売却を行うにあたって、お客様が最初にすることは相談先の業者選びです。
任意売却の相談先は規制も無いため、インターネットで検索すると実に多くの窓口や業者がヒットします。
残念なことに、この業界には住宅ローン等の返済に悩む方をターゲットにした、「不誠実なダミー業者」や「競売の不安をあおる業者」も存在します。
任意売却を検討するならば、信頼できる相談先を見つけることが大切です。
その上でまず、最初に知ってほしいのが「任意売却ができるのは宅地建物取引業の免許を持つ者」だけということです。
「宅地建物取引業の免許を持つ者」とは、不動産業者のことになります。
「任意売却はどこに相談すべきか?」
「どこの不動産業者でも大丈夫なのか?」
このような疑問を解消するため、「任意売却の相談から業者選び」全般について記事にしました。
「一般的な不動産業者との違い」や「ダミー業者の見分け方」など「業者選びのポイント」を任意売却の現場に携わるFP&不動産コンサルの有資格者が解説します。
「任意売却の相談先に迷っている方」は、参考にしてください。
任意売却の相談先はどこがベスト?
任意売却の相談をするならば、実際に任意売却の現場に携わっているのは当然で、その上で「任意売却に精通する不動産業者」がベストと言えます。
任意売却に携わる者は「任意売却コンサルタント」とも呼ばれますが、相談に始まり任意売却の取引終了までサポート可能な任意売却に精通する業者です。
任意売却に精通する業者の最大のミッションは「相談者の不安をやわらげ、問題を解決」することです。
一般的な不動産業者よりも、任意売却について専門知識と経験や交渉力を求められるのが、本当の任意売却に精通する業者となります。
相談者の悩みに寄り添うのが任意売却の第一歩!
任意売却に精通する業者と一般的な不動産業者の違い
一般的な不動産業者は、主に不動産の売買や賃貸、管理などを行います。(代理・仲介を含む)
賃貸物件やマンション購入など、家探しをする時の相談先となる業者のことで、街中で見かける不動産業者(不動産屋)のイメージとイコールです。
街でよく見る不動産屋
一般的な不動産業者これに対して任意売却に精通する業者は、その言葉の通り任意売却についても専門的な知識を持つ不動産業者のことを指します。
任意売却を成功させるには、債権者やその関係者との交渉が必要不可欠です。
ある時は専門家との連携が、またある時は、相談者が不安に陥った際の心のケアが必要な状況もあります。
相談者にとって有利な取引となり、かつ債権者が納得できる内容を提案するのが仕事です。
任意売却に関する知識と経験が豊富
任意売却は弁護士でも対応できるのか?
任意売却でよく混同されるのが、弁護士も任意売却が可能?という内容です。
弁護士は任意売却ができるの?
任意売却は不動産を担保にした借金の問題でもあるため、当然ながら弁護士も積極的に相談に乗ってくれます。
また繰り返しとなりますが、任意売却ができるのは不動産業者(要宅地建物取引業の免許)だけです。
弁護士は法律の専門家であり、不動産の取引に該当する任意売却は行えません。
仮に弁護士に相談して任意売却の流れとなった場合は、「弁護士が紹介する不動産業者」が携わるケースがほとんどとなります。
従いまして弁護士に相談しても、任意売却は不動産業者が行うことに変わりありません。
ただし、住宅ローン等の不動産担保ローンが払えなくなり、即自己破産を選択するならば弁護士が相談窓口となります。
任意売却前の自己破産なら弁護士へ!
任意売却業者の選び|3つのポイント
今では何事もインターネットで調べるのが当たり前の時代です。
インターネットで任意売却の業者を選ぶ際は、次の3つのポイントを確認しましょう。
〈任意売却の業者を選び3つのポイント〉
- 難しいケースの解決実績
- 担当者のプロフィール
- アフターフォロー体制
インターネットで気になる業者が見付かったら、具体的にチェックすべき内容を解説していきます。
1.難しいケースの解決実績
任意売却の相談先を探すときは、これまでにどのような難しいケースを解決してきたか?
困難なケースの解決実績を確認することは、非常に重要です。
「住宅ローンが払えなくなり、相談の結果、任意売却をしました・・・」的な解決事例は参考になりません。
任意売却に精通する業者にとって、ただただ「住宅ローンが払えなくなり任意売却は普通のこと」で特別なことは何もありません。
むしろ、困難な状況の解決事例見れば、相談先の業者のスキルが分かるため参考になります。
任意売却に強い業者であれば、ウェブサイト内で困難な解決事例などが紹介されているはずです。
その他に、住宅ローンに限らず、事業者が利用する不動産担保ローンの任意売却に取組んでいる業者は、困難なケースに遭遇しているため、難易度の高い任意売却の実績を残している可能性が高いでしょう。
トップページなどよりも、任意売却ついてのブログなども大変参考になる情報が確認できます。
困難な状況の解決事例は参考になる!
2.担当者のプロフィール
仮に任意売却の相談から実際に任意売却を依頼するとしたら、相談者の私生活の深い部分まで、お話を伺うことになります。
それだけ深刻な内容を、相談者が打ち明けてくれるからには、真摯に向き合う必要があります。
親身に対応してくれる業者を探すため、「担当者の経歴や理念」は、可能な限り把握すべきであると考えます。
また、宅建士の資格や他に保有資格は何かあるか等を確認することも大切です。
任意売却のコンサルタント=宅地建物取引士?
宅地建物取引士(以下、宅建士)の資格がなくても、不動産業者で働くことは可能です。
不動産業者は、営業担当5人に1人の割合で宅建士を置くことが義務付けられています。
宅建士にしか行えない業務もありますが、それ以外の業務であれば、無資格の社員が行っても大きな問題はありません。
しかしながら、任意売却に携わっても特に問題はありませんが、任意売却のコンサルタントが宅建士の資格が無い・・・
あなたが相談者なら、どう思うでしょうか!?
任意売却取扱主任者とは
任意売却取扱主任者の試験を実施する、全国住宅ローン救済・任意売却支援協会は、同資格を次のように定義しています。
「任意売却取扱主任者」は、任意売却を行うために必要な知識を有していることを証明するとともに、一般消費者にとって分かりやすい判断基準となることを目指して創設された資格です。
引用元:任意売却取扱主任者」の資格制度|全国住宅ローン救済・任意売却支援協会
任意売却取扱主任者は民間資格であり、この資格がなくても任意売却は行えます。
宅地建物取引士は国家資格です。
なぜ、担当者のプロフィールがポイントになるの?
担当者のプロフィールがポイントになる理由の1つは、基本的には担当者が任意売却の取引や関係各所のやり取りにすべて関わります。
それ故に担当者のスキルが不足していると、状況によって的確な判断ができずに不都合が生じることもあり得るからです。
特に、「連帯保証人を巻込んだ任意売却」や「他の債権者が差押えしている」ケースなど、一筋縄では任意売却が進まず、担当者のスキルが結果に影響を与える可能性があります。
記事の筆者でもある当事務所代表のプロフィールはこちら
担当者は、どんな人?
重要なポイントです!
3.アフターフォロー体制
任意売却は、購入者を見つけることがゴールではありません。
買主が決まれば、引っ越し先を探さなければいけません。
残債の返済や今後の生活についても考える必要があります。
1人では解決が難しい問題も、任意売却の知識と経験が豊富であれば、生活再建のためのアドバイスにも説得力が感じられます。
任意売却の相談者にとって、任意売却の終わった後が未知の領域となるため不安は大きいものです。
任意売却後も積極的に相談に乗ってくれる業者が、やはりお勧めできるのは言うまでもありません。
気になる業者や担当者を見つけたら、任意売却後についても確認しておくのがいいでしょう。
任意売却後の生活が依頼者にとっては重要
任意売却の誘導サイトに要注意
インターネットで情報収集するのが、当たり前の時代ですが、そこを逆手に取る「誘導サイト」にも気を付けましょう。
インターネットでは任意売却について非常に詳しく説明しているサイトも多くあり、知りたい情報が簡単に見つかる場合もあります。
ただし、その中には、サイトに訪れた方を提携している業者に紹介するだけのサイトも存在します。
紹介先は任意売却に精通する業者とは限らない
任意売却の誘導サイトを見破るには
簡単に見分ける方法は、運営者情報や会社概要を確認することです。
運営者情報や会社概要には、任意売却に必須の宅地建物取引業(不動産業)の免許番号等が大抵は記載されています。
また、任意売却の相談を受ける担当者名もきちんと確認できる業者がほとんどとなります。
依頼する側にとって、「大切な情報が確認できないサイト」は、誘導サイトや紹介サイトの可能性が高いです。
また、先に記載した「任意売却業者の選び|3つのポイント2.担当者のプロフィール」も確認できなければ、まずは疑ってみる必要があります。
悪く表現すれば、任意売却を扱いたい業者(スキルは不明ですが・・・)の寄せ集めサイトになります。
誘導サイトは必須事項が確認できないことも
集客上手なダミーの任意売却業者も存在する
住宅ローンが払えない方をインターネットで集客、不動産屋に紹介して、手数料を受け取るダミー業者は数多く存在しています。
先の誘導サイトと異なるのは、実際に電話応答が可能という点です。
問題なのは、任意売却を担当する不動産業者が、実は任意売却に不慣れで、債権者(金融機関)も困ってしまうようなケースもあるからです。
結果的に任意売却で無事取引できれば良いのですが、ただでさえ不安な中、とても安心して頼める状態といえないでしょう。
普通の不動産業者が任意売却を担当するリスク有!
ダミー業者の見分け方
任意売却のダミー業者を見分けるには、以下3つのポイントがあります。
〈ダミー業者の3つのポイント〉
- 相談と任意売却の実務が別担当
- 相談後や地域で担当者が変わる
- 業者名や免許番号が確認できない
1.相談と任意売却の実務が別担当
任意売却の相談を受けた者は、相談者の状況をしっかりと把握できます。
そして、その者でなければ、任意売却を進めるのは実務上かなり困難です。
相談時に任意売却が必要と判断された場合、任意売却を担当するのは誰なのか、誘導サイトと同じく、しっかり確認しましょう。
ウェブサイト上に、「相談を受けた担当者が見当たらない業者」ならば、ダミー業者の可能性があります。
インターネットで探した業者に相談する場合、その相談を受ける担当者がホームページ上で確認できるかは大変重要なポイントになります。
当事務所の場合は相談及び任意売却を担当する者がこの様に確認できます。
担当者不明のサイトは要注意
2.相談後や地域で担当者が変わる
任意売却の相談で、地域の担当者や担当業者へ回される場合、また一旦連絡先を聞かれ、後から別業者から連絡が来るような場合も、可能性は大です。
最初は顔の見える担当者でも、別の者に相談自体を引き継ぐことがあります。
最初は顔が見えても、顔が見えない担当者に代わってしまうのです。
実は知らぬ間に、別の業者へ紹介されている場合もありますので注意しましょう。
相談の結果で担当が変わればダミー業者の可能性大!
3.業者名や免許番号が確認できない
任意売却には宅地建物取引業の免許が必要と書いてきしました。
通常、任意売却を取り扱う業者はウェブサイトで、会社概要等から、業者名(法人名または個人の場合もあり)と免許番号くらいまでは、最低限確認できます。
当事務所もそうですが、任意売却に関係した法人名等であるかは関係ありません。
繰り返し書いていますが任意売却で取引をするには、宅地建物取引業の免許がある業者なのかが重要となります。
宅地建物取引業の免許番号が確認できない任意売却のウェブサイトは、誘導サイトと重複しますが、ダミー業者の窓口になっている可能性がこちらも大です。
従って、「相談を受ける業者」と「任意売却の業務を担当する業者」が異なる場合は、最も注意が必要です。
念のため相談時に連絡した業者のウェブサイトに、任意売却の業務を担当する業者の掲載があるか確認しましょう。
仮に宅地建物取引業の免許はあっても、任意売却に精通する業者とは限りません。
ダミー業者の中には宅地建物取引業の免許がなく、不動産取引すらを行えないことも珍しくありません。
任意売却と名の付くウェブサイトで集客し、実態は入手したお客様情報を提携先の不動産業者へ紹介しているに過ぎないのです。
任意売却ができない者 → 相談しても解決するのか?
相談者の中には、任意売却について相談したところ、後日まったく別の不動産会社がやってきたという経験をされた方もいます。
蓋を開けてみたら、その会社は任意売却の知識も経験もない、ごく一般的な不動産業者だったとのことです。
その他、一見すると公的機関のように見える団体もあります。
しかし、任意売却を取り扱う公的機関は、そもそも存在しません。
信頼できる業者を探すのもなかなかの苦労ですが、ダミー業者の巧妙な営業に騙されないようくれぐれもご注意ください。
公的機関のような名称は要注意
免許のある不動産業者か判断するには
任意売却の相談をしようにも、相手が宅地建物取引業の免許がある不動産業者なのか?
色々とサイト内を見て回っても分からないとき、非常に簡単な調べ方があります。
国土交通省のサイトには建設業者・宅建業者等企業情報検索システムがあり、赤枠で示した宅地建物取引業をクリックして進んで下さい。
必要事項を記入して検索ボタンをクリックすると下記の画面に結果が表示されます。
※ 画像は当事務所の結果ですが、アルファベットの法人名はカタカナで検索しないと結果に表示されませんのでご注意下さい。
きちんと検索結果に表示されれば、免許を与えられた宅地建物取引業者の証です。
この「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」が優れているのは、業者が過去に行政から受けた処分履歴も調べることが可能で、最初の画面にある「緑色の処分情報(国土交通省ネガティブ情報検索サイト)」をクリックして進み、検索したい事業分野を選んで調べることが可能です。
任意売却の相談先に宅地建物取引業の免許は必須
任意売却の相談で競売の不安が増大したら「営業トーク」 です!
ここまで、任意売却の相談と業者選びのポイントも含め、詳しく解説してきました。
意外なほど「任意売却の相談先探し」や「任意売却の業者選び」は難しいものがあります。
ここからは、任意売却の相談者に対して「不安をあおる営業手法」について触れておきます。
不安なので相談したのに、更に不安が大きくなってしまった・・・
実は、任意売却についても特有の「営業トーク」と呼べそうな表現があります。
初めての電話相談などで、「競売に対する不安を更に大きくさせる」任意売却の相談時に特有の営業トークなるものがあります。
不安ばかりをあおるような業者であれば、相手のペースに飲まれないよう注意して下さい。
ほぼ、「任意売却の営業トーク」と理解して差し支えありません。
不安だから相談するのに不安をあおるのはプロ失格
任意売却の相談で競売の不安をあおる「営業トーク」は3つ
当事務所も含め任意売却の依頼者がいなければ、仕事にならない部分もありますので「営業トークに走る」気持ちは理解できます。
しかし、相手の弱みに付け込み、過度に不安をあおるような言動は慎まなければなりません。
特に任意売却の相談者は自分の力だけでは解決できないため、悩み疲れて深刻な状況を他人に話しています。
ある意味、正常な精神状態ではない場合も考えられます。
そのような状況の中で「任意売却の営業トークは競売との比較で強調」されます。
後から考えれば「何だかおかしな説明だった」と後悔しないためにも、事前に正しい知識を持って相談に臨むことは大切です。
以下に、挙げる「3つの営業トーク」をある程度理解していれば、相談先の業者が任意売却に取組む姿勢が、どのようなものか判断する目安になります。
〈任意売却3つの営業トーク〉
- 売却額が安くなる
- 引越し費用がもらえる
- 残債を一括請求される
上記1.2.3.は、競売と比較すると「任意売却に利点がある!?」とされる営業トークとなりますが、順番に詳しく見ています。
そうすると「果たして本当なのか?」と疑問も生じることでしょう。
営業トークは任意売却と競売の比較!
1.売却額が安くなる
任意売却は市場価格で売却できるので、競売より高く売れると説明されているのは、任意売却関連のウェブサイトでもよく目にします。
この点も、何とも言えないところですが、否定しづらい部分でもあるので、そこは良しとしておきます。
注意して欲しいのは、競売時の入札価格になります。
専門用語になりますが「買受可能価額」を持出し、その価格で落札されると錯覚するような説明をすることもあります。
買受可能価額は、競売での落札価格とは異なります。
競売となった場合、最終的には「いくらで落札されたか?」
この落札価格が意味を持ちます。
では「買受可能価額って何?」となります。
「買受可能価額」を知るには、まずは競売時の「売却基準価額」について理解が必要です。
そのため競売時の「売却基準価額」、そして「買受可能価額」について順番に説明していきす。
売却基準価額や買受可能価額は落札価格ではない
競売の売却基準価額とは
競売では通常の不動産評価額(以下、市場価格)に競売特有のマイナス分(以下、競売のリスク)を差引き、裁判所が売却基準価額を決定します。
この売却基準価額の決定については、裁判所が不動産鑑定士に依頼して算出されます。
市場価格から、競売のリスクを考慮しー20%~ー30%の価格となっております。
この価格が競売時の「売却基準価額」です。
市場価格ー20%~ー30%が本当ならば不動産のバーゲンセール
競売の買受可能価額とは
買受可能価額は、裁判所が最低入札額を売却基準価額のー20%を下回らないようにと決めた金額です。
これ以上低い入札価格を裁判所が規制する金額で、いわば最低ラインとなります。
買受可能価額より低い入札額は不可
少し分かりづらいのでシュミレーションしてみます。
市場価格2,000万円のマンションを例に見てみましょう。
〈買受可能価額の算出例〉
市場価格2,000万円
競売のリスクー30%
↓ ↓
売却基準価額1,400万円
-20%
↓ ↓
買受可能価額1,120万円
(この金額から入札に参加可能)
いくら競売のリスクがあるとは言え、市場価格2,000万円のマンションが1,120万円で落札できるなら、入札希望者が殺到します。
あり得ないの一言で片付く話です。
売却基準価額の1,400万円ですら、落札は非常に難しいのが現実です。
※ 任意売却の相談者が所有し、居住中の権利関係等に何ら問題の無い場合を想定しています。
つまり、売却基準価額や更には買受可能価額を持出し、競売の価格面で任意売却を勧めるならば、悪質な営業トークと言って差し支えないでしょう。
もしも、相談先の担当者が「今までに売却基準価額や買受可能価額で落札されてしまった相談者がいた!」とするならば、具体的にはどの様な不動産だったかのか?
エリアも含め、個人が特定できない範囲で詳しい状況なども聞いてみましょう。
聞けば聞くほど、その話が何だか怪しいと感じてくると思います。
まともな不動産が買受可能価額で買えるならニュースになる!
売却基準価額の落札も稀
売却基準価額以下で落札されるケースは、かなりの問題を抱えた不動産の場合となります。
仮に競売前に任意売却を希望しても、売出価格も相当低くなっていたと考えるのが妥当です。
最近では「負動産」なる言葉まで使われていますが、現実には所有するのが困難な不動産であったり、タダでも引取手が見付からないようなケースとなります。
その「負動産」については「売るのではなく」お金を払って引取ってもらう、いわば不動産を粗大ゴミのように処分してもらうことも最近では珍しくなくなりました。
仮にこのような不動産が競売となれば、買受可能価額での落札は十分可能性はあります。
負動産なら、あり得る話だが・・・
2.引越し費用がもらえる
引越し費用については、競売になってしまうと、落札者から受取るのは難しくなっているのは事実です。
だからといって、任意売却で必ず引越し費用を手にできる訳ではありません。
また、引越し費用があったにしても、せいぜい20万~30万円が限度。
引越し費用が判断基準になる?
任意売却 or 競売
任意売却か競売に迷ったとき、20万~30万円の引越し費用が選択基準にはならないと考えるのが普通です。
20万円もあれば大変助かりますが、その20万円で任意売却を決断すること自体現実的ではありません。
多額の引越し費用、或は多額のキャッシュバックを強調するのは、そもそも怪しいと見るべきです。
ちなみに引越し費用に関して、金融機関からもらえるお金ではありません。
任意売却の場合、金融機関が不動産の売却代金を回収するべきところ、一部引越し費用として回収ぜず、手元に残してくれるというのが正しい表現です。
多額の引越し費用を受取れることが不自然
3.残債を一括請求される
競売で落札された後は「残債の返済を一括請求されます!」
更には「残債の分割返済を認めてくれない」等の説明も信ぴょう性に疑問が生じます。
まず、任意売却に至るには返済がストップして数カ月経過しております。
その後、期限の利益を喪失しているため、もう既に一括返済の請求がされています。
任意売却前であれば相当な金額になり、競売後の比較ではないでしょう。
競売後に初めて一括請求される訳ではありません。
また、「競売後は残債の分割返済は認めてくれない!」との説明もあるようですが、残債の金額が数百万円以上となる方は珍しくありません。
競売後の残債が一括請求されたら返済できる?
→ 無理(できるなら競売になっていない)
金融機関として分割返済を認めなければ、残債の回収見込みは、ほぼ¥0となってしまいます。
従いまして、競売後でも分割で返済してくれるならば、金融機関は大歓迎と言っても間違いではないでしょう。
一括返済以外無理ならば返済不可能
任意売却の営業トークに要注意な訳
任意売却の営業トークには、やはり注意して頂きたいと思います。
その理由として、任意売却の依頼を欲しいがために「誇大表現や都合のいい言葉」を並べられても実現性が無ければ依頼者はどうなってしまうでしょうか?
都合のいい言葉に代表されるのは「リースバック」も同じです。
任意売却でリースバックを成立させるのは現実的ではありません。
任意売却が必要とされる方は、経済的にも厳しい状況となり、すぐにでも現実を受入れることが重要です。
依頼者はご自身にとって、より望ましい提案をできる業者や相談して安心できる業者を求めています。
良いことばかりでなく耳の痛い話も、きちんと伝え納得のいく説明ができる業者が、依頼者のために動いてくれるものと筆者は考えております。
相談時の説明が納得できる?
任意売却は自分の意志
任意売却は言葉通りで、自らの意志で決定します。
そのため、任意売却を依頼する業者も自由に決められます。
不誠実な業者へ依頼してしまうこともありますが、間違いに気付き断るのも自らの意志です。
また、任意売却の相談は1社にとどめる必要はありません。
2社~3社程度は、相談している方は珍しくありません。
何度か相談を重ねれば、任意売却についても多少は理解も深まります。
おかしいと感じたら他の業者へ相談してみるのも、後悔しない任意売却の第一歩になります。
くれぐれも「任意売却の営業トーク」には注意しましょう。
任意売却は相談先も依頼先も自分自身で選択可能!
任意売却が間に合う相談のタイミング
任意売却を成功に導くには、早めの相談はが欠かせません。
そうは言っても、個々に事情があり任意売却の相談や決断が遅れてしまうこともあります。
ご自身の状況から、任意売却が間に合うタイミングを見極めるため、「銀行や信用金庫」などの民間金融機関と住宅金融支援機構の「フラット35」に分けて解説します。
記事自体の文字数も多くなるため、折り畳んだ表示にしています、ご自身の借りている金融機関をクリックしてください。
銀行や信用金庫の任意売却:相談のタイミング
銀行や信用金庫等の民間金融機関の住宅ローンについて、任意売却の相談をする場合、人それぞれ状況が違いますが、どの段階で任意売却が必要なのか判断できます。
1.住宅ローンの返済は苦しいが滞納はしていない
住宅ローンの返済が厳しい状況にありながら、まだ滞納はしておらずギリギリ返済を続けている場合
〈返済が厳しい状況とは?〉
- 現時点では日々の返済が厳しく、もう長くは続けられないと思える。
- 一時的な収入の減少や急に資金が必要で、短期間だが返済ができない可能性がある。
上記のようなケースでは家計の見直し、同時に金融機関に対して返済条件の一時的な見直し「リスケジュール」を申出ます。
相談の結果、リスケジュールを認めてもらえれば、任意売却の必要はありません。
リスケジュールの検討
リスケジュールは中小企業や自営業者が利用する事業用ローンと個人の住宅ローンも対象とされています。
しかし、リスケジュールを申出ても、金融機関から認めてもらえないケースもあります。
また、リスケジュール後の月々の返済額が多く、とても生活していけなくなった等、このままだと滞納が目に見えているような場合もでてきます。
そうなると、非常に残念ではありますが、任意売却は避けて通れません。
2.払えないと思ったら
もう近いうち、返済が難しいと思えるなら、この段階でご相談いただけると、金融機関としては、まだ任意売却を認めることが出来ません。
しかし、お客様は任意売却に対して心身ともに準備ができるので、落ち着いて望むことが出来ます。
月々の返済が厳しいと感じた時点で相談しても早すぎることはありません。
返済が厳しいと感じたら相談のタイミング!
3.滞納1~2回目の場合
民間金融機関では1回目の滞納で催促の電話や催促の封書が届きます。
もしも残高不足で滞納したのなら、うっかり忘れてしまうこともあるでしょう。
急いで金融機関に連絡してください。
何事もなく済むことが多いでしょう。
残高不足だけなら心配無用
4.相談が必要な段階
滞納も2回目ともなれば、現実的に支払いが不可能なケースが多く、金融機関としても面談を求めたり、返済に対して厳しい態度で臨みます。
この時点では、滞納はしているものの、非常に落ち着いて任意売却に取組めます。
なるべく、この段階までに相談することをお勧めします。
5.期限の利益の喪失後
期限の利益の喪失により、月々分割して返済していたものを今後は認めないので、一括で返済するよう金融機関に催促されます。
その時点で返済可能な方は稀で、金融機関は保証会社から残債務の返済をしてもらいます。
これを代位弁済といいます。
6.代位弁済後
代位弁済のあとは、お金を借りた銀行や信用金庫とは無縁になります。
その代わり、代位弁済後は保証会社とのやり取りすることになります。
そして、任意売却の話合いも、保証会社(保証会社も以後、金融機関と呼びます)と行います。
大抵の金融機関は任意売却を認めてもらえるので、この時点の相談でも十分に間合いますが早く取組まないと競売の申立てへ進む可能性もあります。
詳しい競売の流れ
代位弁済後は任意売却を進める時期!
7.競売の申立後の場合
競売の申立後は、任意売却が不可能と思い込んでいる方が多いと思われます。
しかし、そんなことはありません。
任意売却は競売のスケジュールが決定し、購入希望者が入札していても開札日の前日までに競売の取下げを行えば可能となります。
ただし、現実的には、まず金融機関に任意売却を認めてもらう必要があります。
金融機関が認めれば任意売却は可能!
競売の申立後現に起こること
競売の申立て後は、「配当要求終期の公告」が裁判所で閲覧できるようになります。
裁判所が競売の申立を受理した不動産を裁判所内でのみ閲覧できる資料。
その後、競売のスケジュールが決まるため、まだインターネットで閲覧できる前段階です。
見知らぬ業者の訪問やダイレクトメールが届くのでかなり競売が近づいていると感じます。
配当要求終期の公告が出てから2~3か月位までが、任意売却を開始できる期間の目安です。
たくさんの業者がやって来るのは任意売却が可能な期間だからです。
あの手この手で接触してきます。
この場に及んで、いい話ばかりする業者には気を付けましょう。
また、その後の期間入札決定通知が届いても任意売却可能なケースもありますので、あきらめずに相談することをお勧めします。
DMや訪問業者が来るうちは任意売却可!
フラット35の任意売却:相談のタイミング
フラット35とは住宅金融支援機構の住宅ローンの名称です。
また、 旧住宅金融公庫の住宅ローンについても、住宅金融支援機構が引き継いで対応しますので任意売却を検討する場合、フラット35と同様の手続きとなります。
フラット35について任意売却の相談をする場合、ご自身の状況がどの段階なのか?によって任意売却が必要なのか判断できます。
民間金融機関とは少し流れが異なりますので、混同しないように注意してください。
1.住宅ローンの返済は厳しいが滞納はしていない
住宅ローンの返済が厳しい状況にありながら、まだ滞納はしておらずギリギリ返済を続けている場合
〈返済が厳しい状況とは?〉
- 現時点では日々の返済が厳しく、もう長くは続けられないと思える。
- 一時的な収入の減少や急に資金が必要で、短期間だが返済ができない可能性ある。
上記のようなケースでは、「家計の見直し」と同時に住宅金融支援機構に対して、返済条件の一時的な見直し「リスケジュール」を申出て下さい。
相談の結果、リスケジュールを認めてもらえれば、任意売却の必要はありません。
しかし、リスケジュールの条件が合わず、このままだと滞納が目に見えているような場合、やはり任意売却または競売は避けて通れないでしょう。
もう近いうち返済が難しいと思えるなら、この段階でご相談いただけると、任意売却に対して心身ともに準備ができて、落ち着いて望むことができます。
実際には、まだ任意売却は進められませんが、住宅金融支援機構は任意売却には積極的に対応しますので、安心して待つことができます。
月々の返済が厳しいと感じてきた時点で、相談しても早すぎることはありません。
返済が難しいと感じたら相談を!
2.滞納1~5回目
滞納が始まると住宅金融支援機構からの提案で、「リスケジュール」の案内が来ます。
その後、段階を経て任意売却を勧められ、お客様自身が選択することになります。
任意売却の相談をする上で、この時点では滞納はしているものの、非常に落ち着いて任意売却に取組めます。
なるべく、この段階までに相談することをお勧めします。
滞納1回~5回までの相談は任意売却を進める上で非常に良いタイミングとなります。
3.滞納6回目以降、期限の利益の喪失
「期限の利益の喪失」により月々分割して返済していたものを今後は認めないので、一括で返済するよう住宅金融支援機構に催促されます。
この時点で返済可能な方は稀です。
当然、この段階ではリスケジュールの相談も不可能になり任意売却に応じないと、競売へと進行します。
この時点の相談でも十分に間合いますが、早く取組まないと競売の申立てと進む可能性もあります。
4.競売の申立後の場合
競売の申立てをされると任意売却は出来ないと思い込んでいる方が多いと思われますが、そんな事はありません。
任意売却は競売のスケジュールが決定し購入希望者が入札していても、開札日の前日までに競売の取下げを行えば可能となります。
しかし、現実的には、まず住宅金融支援機構(委託されたサービサー含む)に任意売却を認めてもらう必要があります。
詳しい競売の流れ
5.競売の申立後は残された時間との勝負
競売の申立後は「配当要求終期の公告」が裁判所で閲覧できるようになると、見知らぬ業者の訪問やダイレクトメールが届くのでかなり競売が近づいていると感じます。
裁判所が競売の申立を受理した不動産を裁判所内でのみ閲覧できる資料。
その後、競売のスケジュールが決まるため、まだインターネットで閲覧できる前段階です。
配当要求終期の公告が出てから2~3か月位までが任意売却を開始できる期間の目安です。
たくさんの業者がやって来るのは、任意売却が可能な期間だからです。
あの手この手で接触してきます。
この場に及んで、いい話ばかりする業者には気を付けましょう。
また、その後やってくる期間入札決定通知が届いても任意売却可能なケースもありますので、あきらめずに相談することをお勧めします。
DMや訪問業者が来るうちは任意売却可!
任意売却は早めの相談が有効なのは間違いありません
任意売却にかかる費用
以下は任意売却にかかる費用の内訳をまとめたものです。
〈任意売却の費用〉
- 抵当権抹消にかかる費用
- 売買契約書に貼付する印紙代
- 仲介手数料など
任意売却にかかる費用は、通常の不動産売却にかかる費用と同じです。
諸費用は売却代金から支払える
任意売却も通常の不動産売買と同様に抵当権を抹消するための費用や印紙代、仲介手数料等、それなりの費用がかかります。
多くのお客様が、経済的に余裕のない状態で任意売却の費用はどうすればいいのか?といった不安を抱えています。
しかし、任意売却での取引となれば、諸費用を売却代金の中からから支払うことを債権者が認めてくれます。(オーバーローンの場合)
任意売却の場合、売主の持出し費用は0円で済みます。
余程のことがない限り、ほとんどのケースで債権者が売却代金から諸経費を支払うことを認めてくれます。
また、ごく稀ですが引越し費用までも認めてくれるケースもあります。
任意売却後は譲渡所得税が課税される
任意売却をすると譲渡所得税が課税されます。
譲渡所得税とは、資産を売却した時の利益に対して課税される税金のことです。
任意売却だけでなく、通常の不動産売却や株式譲渡を行った場合にもかかります。
どれくらいかかるか気になるところですが、任意売却で譲渡所得税がかかるケースはほぼゼロに等しいです。
なぜなら、任意売却をしても利益はほとんど出ないからです。
仮に利益が出たとしても、マイホーム売却または強制換価等の特例が認められれば、譲渡所得税は課税されません。
自宅の任意売却は課税される可能性は低い
不動産屋予備知識
宅地建物取引業の免許は、国土交通大臣もしくは都道府県知事が与えるもので(1)第○○○○○号と必ず免許番号があります。
(1)の数字は最初が1で5年ごとの免許更新で2、その次は3と数字がひとつ増えていきます。
○ 国土交通大臣免許は2つ以上の都道府県に宅地建物取引業の事務所がある場合
(例)東京都と福岡県に事務所がある場合
○ 知事免許は1つの都道府県にだけ事務所がある場合
(例)神奈川県に事務所が複数あっても県知事免許、他の都道府県に事務所がないため。
(2)第○○○○○号の場合、5年以上は宅地建物取引業の免許を与えられてから営業を続けていることになります。
(3)第○○○○○号は最低でも10年以上となります。
任意売却に必要な宅地建物取引業の免許番号を確認する際の参考にしてください。
( )内の数字が大きいほど営業年数が長い
まとめ
任意売却を決意するまで、相談者には様々な苦悩があったことと思います。
住宅ローン問題を解決するために大切な家を売るわけですから、少しでも有利に取引を進めたいと考えるのは当然のことです。
私たちは知識や経験、交渉力を持ってお客様の不安やお悩みを解決するのが仕事です。
最善の結果へと導けるようお手伝いしますので、住宅ローン問題でお悩みの方は任意売却に精通する業者へ相談しましょう。
当事務所では任意売却に関する無料相談を行っております。
「住宅ローンを滞納している」「競売開始の通知が届いた」といった相談も、お気軽にお問い合わせください。
任意売却の疑問があれば積極的に質問する