任意売却の依頼業者を変更したい!2つのポイント

任意売却業者を変更する2つのポイントとは?

 任意売却を依頼したら、少しはホッとできても、不安は完全に消えるものではありません。

時間が経つにつれ、依頼中の業者が「本当に自分のために動いているのか?

何もしていないのでは・・・?

つい、疑ってしまう気持ちも、分からなくもありません。

その様な場合は、まず依頼した業者へ連絡し、現在の状況をきちんと説明してもらいましょう。

大抵は、納得のいく答えが得られると思います。

むしろ、依頼者が不安になり、納得のいく説明ができない業者であったとしましょう。

それは、任意売却に不慣れか、本当に怠慢の可能性も疑うべきかもしれません。

もしも、そうだとしたら一大事です。

速やかに、任意売却業者を変更する必要があります。

この記事は、任意売却に精通するFP&不動産コンサルの有資格者が「任意売却の依頼業者を変更する際のポイント」を解説します。

すでに競売申立(開始)後の方は、特に注意してください。

目次

任意売却の依頼業者を変更する際のポイント(競売申立後は要注意)

 任意売却を依頼する業者の変更を考え始めたら、ご自身の分かる範囲で、まずは以下の2点を確認して下さい。

1.十分な時間があるか?

 最も重要なのは、そもそも残された時間はあるのか?

こればかりは限られているので、最初に確認しなくてはなりません。

競売申立(開始)前であれば、特に問題ないでしょう。

任意売却を依頼したい業者があれば、先に相談してください。

変更したい旨を伝えれば、あとは任せてしまって大丈夫です。

競売申立(開始)前は任意売却業者の変更はOK

競売申立(開始)後の場合

 競売申立(開始)後の場合、残された時間は限りなく少ないと認識してください。

それでも諦める前にまずは、ご自身で競売の進捗状況を確認しましょう。

競売の申立がなされた裁判所に電話して、進捗状況を確認したいと事件番号を伝えれば、裁判所によっては教えてくれます

事件番号は、裁判所から届いた書面に記載されています。

〈事件番号の例〉
令和05年(ケ)999号
令和05年(ヌ)777号

競売の進捗状況の確認について

ご本人(又は申立てた債権者)が裁判所へ行かないと教えてくれないケースや第三者が電話で聞いても教えてくれる場合もあります。
裁判所ごとに異なり基準が統一されておりません。
まずは、電話で確認してください。

開札のスケジュールが決まっていなければ、多少時間的に余裕はあります。

競売は開始されているけれど、まだスケジュール等の詳細が決まっておらず、これから裁判所が調整していく状況です。

任意売却を依頼する業者の変更は、この辺りまでと考えて下さい。

詳しい競売の流れ

競売のスケジュールが未定なら可能性あり

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すでに任意売却業者の変更が難しい場合

 裁判所のホームページに情報が掲載され、3点セット(競売物件の資料)がダウンロードできる状況であれば、開札のスケジュールも決定しております。

この段階で任意売却を依頼している業者を変更しても、ほぼ時間切れとなるでしょう。

むしろ、依頼中の業者に対して、働きかける以外厳しい状況にあります。

ただし、次に説明する「2販売価格の決定要素」によっては、依頼業者を変更しても間に合う可能性もあります。

まずは裁判所へ進捗状況の確認

2.販売価格の決定要素

 任意売却で競売回避できるかは、買手が現れるか否かです。

結局は、限られた時間の中で「売れるか・売れないか」どちらかとなります。

大きく左右するのは販売価格となり、この点で市場価格とズレが生じていると、売れるものも売れません。

時折、驚いてしまうのですが「任意売却中の販売価格が、どの様にして導き出されたのか?」を尋ねると。

任意売却を依頼した業者が「残債と諸費用等を足した金額で販売中です!」と答えることがあります。

また、金融機関に配慮してか「市場価格からすると随分と高いなぁ・・・」という印象で、これでは売れないと感じることもあります。

<任意売却時の販売価格>

X 販売価格=残債+諸費用等
〇 販売価格=市場価格

※ 市場価格でなければ、通常の不動産売買でも売れません

任意売却の販売価格は、基本的に「残債が多い・少ない」は無関係です。

不動産の一般市場で売却できる価格が販売価格となります。

従いまして、残債や諸費用等を考慮した販売価格は、そもそも間違いです。

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競売が開始された段階で、市場価格での販売を行わない業者は、おそらく任意売却についての知識が乏しい。

その他、多額の税金の滞納等、何かしらの問題があると考えられます。

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また、任意売却開始当初は、金融機関が強気の販売価格を提示してくることもあります。

金融機関が販売価格の引下げを拒否することも

その際は、任意売却業者が金融機関と交渉し徐々に販売価格を下げていく、調整能力が試される場面でもあります。

また、いくら任意売却業者が交渉しても、金融機関が全く販売価格の引下げを認めないことも実際にはあります。

任意売却業者は適正価格での販売を目指す

依頼者が働きかければ有効な場合も

 そもそも、任意売却の依頼者が指摘するのも、おかしな話です・・・

しかし、残り時間を考慮に入れれば業者に対して、ご自身が働き掛けるのも1つの方法です。

適正な市場価格で販売できるよう、金融機関へ交渉してもらうのが望ましいでしょう。

つまり、任意売却の知識の乏しい業者が、間違った価格で販売していても、価格を見直せば速やかに買手が見付かる可能性があります

そのため、業者の変更する場合は、同時に販売価格の見直しができれば、残り時間が少なくても任意売却成立の可能性は、少なからず残されています。

まずは販売価格が適正なのか依頼業者へ確認する

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販売価格の見直しをしないとなれば

 市場価格がとのズレが生じている関わらず、市場価格での販売ができないようであれば、その業者とは早期に見切りを付けましょう。

他業者へ依頼することで間違った販売価格を是正し、金融機関が応じれば適切な価格で販売できます。

その結果、買手を見付け、競売を回避する可能性は格段に上がります。

その一方で任意売却の専門業者から見れば、やはり競売開始後に別業者への変更は、かなりの時間的なロスが生じるので、できる限り避けたいところです。

任意売却のスタート地点である、業者選びは競売回避の分かれ目

根拠の無い数字や実績、都合のいいキャッチフレーズ等に惑わされること無く、見る目を持ってから任意売却の依頼をして下さい。

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任意売却の依頼者を不安にさせる理由は?

 なぜ依頼者は、信頼していたはずの任意売却業者に対し、不安を抱くのでしょうか?

多くの場合、任意売却を依頼された業者が、決して不誠実という訳ではありません。

大抵は、些細なコミュニケーション不足が原因と思われます。

任意売却は金融機関との交渉があります。

金融機関は任意売却の際の専門部署があり、社内での承認作業など担当者ベースでは何1つ決めめることはできません。

交渉には本当に時間が掛かります

任意売却時の販売価格の決定や変更についても、上司のお伺いが必要となってしまいます。

また、金融機関も電話連絡可能な時間帯が17:00までと限られる場合(早いと16:30もありました)もあります

金融機関の意思決定に、意外なほど時間を要してしまいます。

いわば、何も進展していないため、新たに依頼者へ伝える情報がありません。

この様なときに、依頼者は疑心暗鬼に陥ってしまいます。

では、依頼者としてどうするか?

ご自身から任意売却業者へ連絡し、色々質問してみること!

これに限ります。

そうすれば担当者自身も、この依頼者は不安になっていると気付いてくれるはずです。

疑ったけどチョットした誤解だった

任意売却の依頼者へは定期的な報告義務がある

 任意売却を依頼しているならば、任意売却業者と口約束とはなりません。

必ずや書面でのやり取りがあったはずです。

基本的に任意売却は不動産取引の仲介業務に該当するため、依頼者に対して「媒介契約書」にサインを求めます。

媒介契約書を以て本格的に任意売却スタート

任意売却は1社のみに依頼するのが基本ですが、その際は依頼者に対して最低でも2週間に1回は売却状況についての報告義務が課せられています。

従いまして、任意売却を依頼して2週間以上、音沙汰無の業者は「不誠実かも・・・」と疑うのは当然かもしれません。

2週間に1回の連絡は基本

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そもそも任意売却業者を変えるのは得策か?

 業者からの説明も何だか腑に落ちない、任意売却中ではあるけれど、やはり業者を変えるべきか悩んだら・・・

どうすればいいのか?

更に競売申立(開始)後でありながら、他業者へ乗り換えるべきか?

その選択が、本当に正しいのか判断は難しいでしょう。

仮に競売申立(開始)後であれば、ただでさえ任意売却のハードルが高いのに・・・

そこから更に他業者へ変更することで、本来の目的となる競売回避の妨げにならないか、とても心配になります。

実際、的確な返答はできません。

しかし、状況は人それぞれ異なります。

1度、信頼できそうな他の任意売却業者へ相談してみてから、判断するのが1つの目安になります。

誠実な業者であれば、セカンドオピニオン的な対応も受付てくれます。

まずは1度他業者へ相談する

任意売却専門業者も依頼を受けるか悩みどころ

 当事務所にも競売開始後で任意売却中の方からの相談が舞い込みます。

内容からすると依頼業者の変更が望ましくても、残り時間との兼ね合いで、お勧めできない事案もあります。

また、同時に当事務所への依頼を要望される相談者もいらっしゃいます。

しかしながら、競売の進捗状況により、お断りする場合もあります

依頼業者の変更を検討するときは、上にも書きましたが事前に他の任意売却業者へ相談し、時間的な猶予があるか見極めてもらう必要があります。

もう、失敗は許されないため、任意売却の業者選びは慎重な判断が求められます。

信頼できる担当者を見付ける

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任意売却業者を変更する2つのポイントとは?

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この記事を書いた人

小田嶋譲のアバター 小田嶋譲 代表取締役

 有限会社 O&Trade代表 大学卒業後、不動産会社と譲渡債権回収の金融機関での勤務経験を経て独立。競売間近の自営業者の不動産担保ローンや不動産投資の失敗による相談など、お金と不動産の専門家として難易度の高い任意売却に精通し、「不動産に関わるお金の悩みの解決」に取組んでいます。この度、「ADR」と呼ばれる法務大臣認証の裁判外紛争解決機関(一社)日本不動産仲裁機構の調停人として登録しました。

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