任意売却歴15年の知見がつまった

コラム
「任意売却大全」

任意売却のメリットが役所の差押えで消滅の訳

 現状の経済状況を見て、短期的な減税はあるかもしれませんが、どう考えてみても長期的には、あらゆる面で増税は避けられそうに無い気がします。

また、今に始まったことではありませんが、国民健康保険料も年々上昇の一途をたどっています。

その他、水道事業も値上げ方針の地方自治体が続発する事態です。

つまり、普段の生活に必要な水道や電気・ガス・ガソリンなどのエネルギーも、そして日用品も値上げが続いています。

日常的に節約を心掛けても収入が増えない限り、可処分所得は減り続けています。

先細る日本人の所得とは!?

 経済評論家の加谷珪一さんが上梓された『貧乏国ニッポン』が大変話題になり、記憶されている方も多いかと思います。

貧乏国ニッポン

 帯もかなり衝撃的です。

この本を読むと先進諸国と比較して日本は所得が下がり、年々貧しくなっていることが分かります。

日本にいると分かり辛いと言いますか、気付かないが正しいのかもしれません。

すごく抽象的な言葉で申し訳ありませんが、普通の人が普通の暮らしをするということが、今の日本では相当困難になってきています。

突き詰めれば、普通の人が普通の家を維持していくのが、大変厳しいと感じる世の中となってしまいました。

当事務所では、住宅ローンや他の不動産担保ローンの返済がままならなくなってしまった方と数多く接し、他に方法が無ければ任意売却を提案しております。

しかし、現実にはその任意売却もあきらめて、ただただ競売で不動産を処分されるのを待つだけしかない方もいます。

競売を待つだけの状況とは?

 なぜ、その様なことが起こるのか!?

金融機関との交渉がまとまらない、云々ではありません。

税金を滞納し、不動産を役所から差押えされ、更に滞納金額が多すぎて納付の目途が立たないからです。

それは、税金を納めないのだから仕方ないでしょう! と考えるのは簡単です。

しかし、稼いだ人が税金を納付するのが惜しくて、納付しない、又は脱税するのとは全く異なります。

まず、住宅ローンも払いたいのに払えない、税金を納付したくても納付できない。

やがて、積もり積もって大変な金額になってしまいます。

現実に、このような状況の方がいる中で、更にコロナウィルスの発生が追い打ちをかけました。

ちょっと目を通して頂きたい資料があります。

税金未納明細書

 コロナ渦に競売の申立てをされた方の未納税についての明細書です。

延滞金を含めて、何と 1,255,700円になります。

任意売却を成立させるには、この金額を納付しなければ、役所は差押えの解除には応じません。

役所によっては、総滞納額の5割~7割を納付すれば、残りは分割に応じてくれる等、多少相談可能な場合もあります。

ただし、原則は完納しなければ、ほぼ差押えの解除は見込めません。

任意売却業者はこの様な状況の場合、基本的には以下の3点を確認し、任意売却の可能性を探ります。

1.住宅ローン等、不動産担保ローンの残債額

2.税金の滞納総額

3.不動産の売却予想価格(査定価格)

1 ローンの残債 + 2 税金の滞納総額 < 3 査定価格 = 任意売却成立の可能性

 住宅ローン等、不動産担保ローンの残債と税金の滞納総額は、いわゆる負債額です。

不動産の査定価格が負債を上回らなければ、任意売却が成り立ちません。

任意売却はローンの残債以下でも売却可能では?

 任意売却は、返済に行き詰まり住宅ローン等、不動産担保ローンの残債以下の価格(相場)で不動産を売却することが基本的には可能です。

しかし、多額の税金などで差押えがあると、通常の任意売却のように進めることはできません

住宅ローン等、不動産担保ローンを貸している金融機関(以下、債権者)の他に差押えをしている役所(以下、役所)が認めてくれない限り、任意売却で取引を行うことが、事実上困難となってしまいます。

役所はあまり任意売却に協力的ではない

 債権者は残債より低い金額で任意売却を認めてくれても、役所が全額を納付しなければ応じないとなると、どういうことが起こるでしょうか?

ここで、任意売却時にお金を受取る優先順位を考えてみましょう。

通常のケースとして最初は債権者、次に役所となります。

従いまして、優先順位がありながら、債権者が全額受け取れないにもかかわらず、役所が全額では誰が考えても納得できないと分かります。

債権者は残債より低い金額なのに、役所が全額受領で任意売却成立とはなりません!

役所など、他の差押えの解除は必須

 役所が任意売却に協力するのは、滞納分を全て納付するから差押えの解除に応じます。

全額納付するのだから差押えの解除は当然で、協力というよりは、むしろ義務と言って差し支えないでしょう。

役所の金額が数万円~10万円程度で済むならば、債権者も認めてくれるケースはありますが、数十万円ともなれば、どこからか用立てなければ、任意売却は成立しません。

また、債権者も役所に対して、そこまで譲歩する必要など全くありません。

役所の差押えで任意売却が進まないならば、競売で構いませんとなります。

ましてや、競売の申立後であれば、落札を待つだけで、ひとまず回収は終了してしまいます。

任意売却できない原因の多くは多額の未納税

 債権者は任意売却には協力的ですが、役所はそれほどでもないと先に触れました。

任意売却を希望しても、断念しなければならない理由の多くが、役所の差押えの解除ができないからとなります。

住宅ローン等の返済ができなくなれば、競売よりは任意売却をほとんどの方が望みます。

しかし、その際に多額の未納税があれば、役所の差押えも当然あり、解除の見込みが無ければ、あとは競売しかありません。

この現実を避けるには、やはり税金は何としても納付するが前提となってしまいます。

税金の負担は増すばかり

 今現在、自宅の固定資産税が負担となっている方も多いと思います。

もし、その様に感じているならば、今後はより一層負担が重くのし掛かる状況は目に見えております。

合わせて住宅ローンの返済にも不安をお持ちならば、今の持ち家が今後も絶対に必要なのか?

一度、考えてみてはいかがでしょう。

固定資産税が負担となれば再考も!

 最後に、資料として掲載した、未納明細書の相談者はどうなったか気になると思います。

競売申立後の依頼ではありましたが、ローン+未納税を上回る価格で買手が付いたので、無事に任意売却を終えることができました。

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