任意売却歴15年の知見がつまった

コラム
「任意売却大全」

競売回避と滞納税の差押えを解決する4つの選択肢は?

競売の申立は、それだけでも大事件ですが、更に輪をかけて深刻な状況を招いてしまいます。

納付を後回しにしてきた、税金のツケが回ってくる瞬間でもあります。

競売の申立ては、裁判所から役所に連絡がいく仕組みになっているのは、以前記事にしました。『競売開始は裁判所から役所に連絡があり差押えも!

住宅ローンが払えなくなり、自宅が競売の瀬戸際にある方は、かなりの確率で未納の税金を抱えています。

経済状況を考えれば、住宅ローンが払えなくなり、税金の負担にも耐えきれないことは容易に想像ができます。

多額の滞納税は競売と隣り合わせ

誰しも、いきなり数十万円を超すような、税金の滞納がある訳ではありません。

数万円の滞納から始まり、それを積み重ね延滞金も加わり、やがて驚くような金額になってしまいます。

増えてしまったのは仕方ないので、どうすれば競売を回避するために任意売却ができるかを考えるしかありません。

それでは100万円を超えるような税金の滞納がありながら、競売回避ができるのか?

相談事例も交えながら見ていきましょう。

<相談事例>

相談者:自営業男性

住宅ローンを1年滞納

競売開始の通知後に相談

役所の差押え有

相談者は競売回避には、任意売却以外は手立てが無いことは理解しており、大急ぎで任意売却を希望していました。

確認すると、固定資産税、国民健康保険税、市県民税、軽自動車税、延滞金と軽く100万円を超えています。

これは市役所の差押に関する税金のみで、その他に自動車税の滞納もあり、合計すると約150万円程の税金滞納が判明しました。

これだけあると、任意売却の障害であることは間違いありません。

任意売却で役所の差押えを解除する方法

多額の税金の差押えがあるとき、役所から差押えの解除を認めてもらわなければ、任意売却は実質不可能です。

それには滞納分の全部又は、一部にしても納付が必要になり、そのお金(原資)を以下4つ、どの様に用意するかで、任意売却の成否が決まります。

相談事例からは一旦別にして説明します。

<任意売却時の税金納付の原資>

1 売却代金から(金融機関の同意必須)

2 売却代金から(金融機関の同意不要)

3 売却代金から、一部納付で残りは分割

4 別に用意する

・ 自宅を1,000万円で任意売却・税金の滞納額100万円は1~4で共通

・ 住宅ローンの残債は1~4で異なる

※ 売却時の諸費用等は省略

1 売却代金から納付(金融機関の同意必須)

自宅を1,000万円で任意売却・税金の滞納額100万円

住宅ローンの残債1,500万円

自宅の売却代金1,000万円の中から100万円を税金分として納付することを金融機関に認めてもらえば、簡単に済みます。

しかし、金融機関からすると住宅ローンの残債が1,500万円あるため、100万円も回収額が減るとなれば、認めてくれることは通常ありません。

任意売却の現場では、金融機関と交渉し20万円~30万円位であれば、認めてくれることもありますが、多くは望めません。

金融機関が公式に基準を示している場合もあり、条件に合致すれば任意売却時に税金の納付が可能となります。

2 売却代金から納付(金融機関の同意不要)

自宅を1,000万円で任意売却・税金の滞納額100万円

住宅ローンの残債900万円

自宅の売却代金1,000万円で住宅ローンは完済、税金の納付も可能になり、金融機関と交渉する必要もありません。

住宅ローンも完済、税金も滞納分を完納できるため理想的です。

3 売却代金から、一部納付で残りは分割

自宅を1,000万円で任意売却・税金の滞納額100万円

住宅ローンの残債1,300万円

自宅の売却代金1,000万円の中から、50万円を税金分として納付することを金融機関に認めてもらえば、役所と交渉し任意売却時に50万円納付、残りは分割で納付することを条件に応じてくれる場合もあります。

上記は滞納税の半分としてますが、役所によっては滞納分の7割納付で残り3割は分割を認める等、対応は一律の基準がある訳ではありませんので、任意売却時は役所との協議が必要です。

しかし、現実には滞納額を完納しない限り、差押解除には応じないとする役所が多く、交渉の余地も無く断られるのは、今となっては普通の光景です。

4 別に用意する

自宅を1,000万円で任意売却・税金の滞納額100万円

住宅ローンの残債1,200万円

任意売却時に1,000万円を金融機関に返済、税金分は100万円を別途に用意して納付。

任意売却する時点で、厳しい経済状況だったのに100万円を自力で工面するのは、ほぼ不可能で、身内等の協力が得られない限り難しいでしょう。

以上、任意売却で役所の差押えを解除する方法1~4ついて説明してきましたが、この中で任意売却が無事成立する可能性が高いのは、2『売却代金から納付(金融機関の同意不要)』と 4『別に用意する』となります。

その理由は、金融機関が多額の滞納税によって回収額を減らす必要が無いのと、役所も滞納税が完納されるので差押えの解除には必ず応じるためです。

しかし、現実には2『売却代金から納付(金融機関の同意不要)』のケースに該当する以外は難しいと思われます。

任意売却で多額の税金が納付できるのは稀

相談事例の自営業者も2『売却代金から納付(金融機関の同意不要)』に当てはまり、売買価格が住宅ローンの残債と未納税額を上回ることができたため、競売で処分される前に任意売却が成立。

自宅は失いましたが住宅ローンも完済・多額の税金も完納となり、晴れやかな再スタートを切ることができました。

100万円を超えるような税金滞納による差押えがある場合、任意売却時に解決できるケースは本当に極わずかです。

目安としては、任意売却によって住宅ローン等の残債が完済とならなければ、税金の滞納分にあてがう余裕はありません。

また、説明では省略しましたが、任意売却時には通常の不動産売買と同様に諸費用も発生するため、その分も加味しても任意売却が成立するのは、ほんの一握りの方だけです。

多額の滞納税がある場合、任意売却を断念することは、今では常識となりつつあります。

税金の納付と住宅ローンの返済、どちらが優先?

国民が納税義務を負っていることは憲法に記されています。

従いまして、税金は住宅ローンの返済よりも優先して納付しなければなりません。

税金滞納の時点で住宅ローンの返済もストップしていなければ、順序が逆と言われてしまっても仕方ないものです。

税金の負担が重く感じられ、滞納が1年以上も続いてしまえば、もはや住宅ローンの返済は不可能でしょう。

手遅れとなる前に専門家へ相談し、早めの解決を心掛けて下さい。

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