高額な自己破産の費用も任意売却で減額可能!

 いきなり自己破産と聞けば、人生終わりのような印象も受けますが、決してそんなことはありません。

実際はイメージとかけ離れて再出発のための、非常に合理的な制度です。

ただし、その自己破産も状況やタイミングによって必要となる費用が異なることをご存じでしょうか!?

この記事は、FP&不動産コンサルの有資格者が自己破産の費用が高額で悩んでいる方に費用を抑えることができるケースについて解説します。

ただし、自己破産を検討される方が不動産も所有している場合に限定した内容となっておりますのでご注意ください。

目次

自己破産のタイミング

 中小零細企業や自営業者が、取引先や金融機関等への支払いができなくなると、事業の継続も難しくなり倒産の危機に直面します。

こうなると、経営者自ら破産を検討しますが、その際の破産費用の金額に驚くことになります。

後で説明しますが自己破産の費用に関しては、経済状況の厳しい方が工面するには相当苦労すると誰もが思うほどです。

まず、実際に自己破産を検討すると2つの選択肢があります。

  1. すぐに自己破産の手続きに入る
  2. 所有する不動産を売却後に自己破産

1.すぐに自己破産の手続きに入る

 経営者自身が事業継続が困難と判断し、すぐに弁護士に依頼して自己破産の手続きを進めます。

メリットは弁護士が代理人として取引先や金融機関へ受任通知が送られることで請求や督促などがストップし、気持ちの面では相当楽になります。

デメリットは不動産を担保に借りているケースが多く、その分借入金額も高額になり、自己破産に必要な費用も高額になります。

自己破産の費用が用意できるのであれば問題ありませんが、破産に直面している方にとっては悩みの種です。

不動産を所有していると破産費用も高額になる

2.所有する不動産を売却後に自己破産

 所有する不動産を自己破産前に売却することに何の意味があるのか、気になると思います。

自己破産を検討される方が不動産を所有していれば、地方の山林や無価値なリゾート物件等でない限り、ほぼ例外なく不動産も担保になっています。

担保となっている不動産の売却代金は借金の返済に充てられ、結果として債務総額が減少します。

高額な不動産や複数の不動産を所有していれば、その売却代金も相当なもので債務総額については、その分だけ減少します。

自己破産の費用は債務総額によって変わるため、先に不動産を売却することに大きな意味をもちます。

自己破産前に不動産を手放すと破産費用も節約

自己破産費用の目安

 自己破産の費用としておりますが、決して弁護士の報酬が高い訳ではなく、それ以外の費用が大部分を占めております。

それは予納金という自己破産の申立時に裁判所に納める費用が別途必要になり、弁護士報酬と合わせて自己破産の費用となります。

※ 弁護士報酬については債権者の数、債務総額にもよりますが最低ラインが30万円位~になります。

〈予納金の金額例〉

負債総額個人法人
~ 5,000万円 50万円 70万円
5,000万円~ 1億円未満 80万円100万円
1億円 ~ 5億円未満150万円200万円
5億円 ~10億円未満250万円300万円
10億円~400万円~400万円~

※ 裁判所によって必要な金額も異なり、目安として記載しています、また債権者の数によっても追加を求められることもあります。

上の表を見ると負債総額(債務総額)が増えれば、予納金も増額しているのが分かります。

自己破産の費用を減らすには債務総額を減らすのが最も効果的です。

法人の自己破産は更に高額

 法人の場合は、基本的には法人と代表者が一緒に破産することを求められます。

また、代表者が法人の連帯保証人になっていることも多いので、同時に行うのが一般的です。

法人と個人でそれぞれ自己破産の予納金が必要になります。

お金が無いから自己破産するのですが、お金が無いと自己破産したくてもできないのが現実です。

法人の自己破産は代表者個人もセットで更なる費用負担

債務総額を減らすには不動産の売却が有効

 この記事は主に自己破産を検討されている自営業・零細企業の経営者あてに書いていますが、住宅ローンが払えなくなった個人にとっても同様の効果が期待できるケースもあります。

債務総額を減少させるには所有する不動産の売却が非常に有効となります。

もちろん、担保の不動産にも評価額を上回る抵当権(オーバーローン)が設定されている場合も多く、自由に売却はできませんが任意売却による対応で適正な価格であれば金融機関も認めてくれます

予納金を減らすことだけが目的であれば、不動産の売却(以下、任意売却)が先となりますが、取引先からの請求が厳しいため早めに自己破産をした方が楽になるケースもあります。

何を選ぶかは判断基準が色々あり、ご自身の状況次第で問題ありません。

早期の自己破産で再スタートを早めることも

金融機関はどちらを好む?

 金融機関は自己破産前の任意売却について積極的なのか?

以前質問を受けたことがあります。

不動産担保ローンの借手が自己破産となれば、すでに返済はストップし完全な不良債権となっています。

そのまま自己破産の手続きに入ると、詳細は省きますが裁判所が関わるため時間も必要となります。

金融機関にできることと言えば、費用を掛けて競売の申立てするか破産管財人(こちらも詳細は省きます)によって任意売却を待つかになります。

要するに、なかなか不良債権の処理が進みません。

しかし、自己破産の手続き前に不動産を所有者の意思で任意売却するならば、金融機関にとっても迅速に不良債権を処理できるのでメリットが生じます

むしろ適正な金額で任意売却できるならば、金融機関が断る理由はありません。

早期に任意売却の意思表示は金融機関も前向き

手間の分だけ費用が減る可能性

 不動産の売却を済ませてから破産の手続きに入ると、その分手間と感じる方もいると思います。

しかし、自らの意志で不動産を売却するので、金融機関に対しても誠意のある行動となります。

任意売却が煩わしいと考えるのであれば、素早く破産してしまうことも可能ですが、どちらが正解ということでもありません。

限界を超えてまで頑張ってきた結果、自己破産の費用が高額で工面できず悩んでいるのであれば、まずは任意売却をお勧めします。

任意売却であれば、不動産売買の諸経費も捻出可能なため売手が悩むことはありません。

そして任意売却後に改めて自己破産が必要か検討しても遅くはありません。

任意売却後に「自己破産する・しない」を決めても可

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この記事を書いた人

小田嶋譲のアバター 小田嶋譲 代表取締役

 有限会社 O&Trade代表 大学卒業後、不動産会社と譲渡債権回収の金融機関での勤務経験を経て独立。最近では特に自営業者の不動産担保ローンや不動産投資の失敗による相談が数多く寄せられ、お金と不動産の専門家、FP宅建士として難易度の高い任意売却に精通し、不動産に関わるお金の悩みの解決に取組んでいます。

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