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あと5年で定年!老後破綻が確実なのに夫は無関心どうすればいいの?

 現役で働いている世代が厳しい現実に直面しています。

それは老後も続く住宅ローンの返済で、生活が立ち行かなくなる老後破綻です。

現在パート勤めの奥様から、次のような相談が寄せられました。

〈相談内容〉

『夫があと5年で定年、15年以上も住宅ローンが残り返済できないのは確実です。』
『しかし、夫に何度聞いても、そのとき考えるの一点張り・・・』
『どうしたらいいですか?』

この手の相談は増えており、同様の悩みを抱えている方が多くいらっしゃると筆者も認識しております。

本記事では、FP&不動産コンサルの有資格者が「老後破綻」に悩む相談者の事例をもとに「老後破綻の不安解消方法」についても合わせて解説します。

目次

住宅ローンが払えるか?「ねんきん定期便」をまず確認

 国民年金と厚生年金保険の加入者には、年1回誕生日月に「ねんきん定期便」がお手元に届きます。

「ねんきん定期便」の概要
年金制度への理解を深めていただくこと等を目的に、毎年誕生月に、ご自身の年金記録を記載した「ねんきん定期便」をお送りしています。

日本年金機構ウェブサイト大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています。より一部引用

ねんきん定期便は50歳以上と50歳未満では違いがあり、50歳以上の方には受取れる年金の見込み額が記載されています。

そのため50歳以上の方は、おおよその年金受給額が分かりますので、ご自身の住宅ローン返済額を照らし合わせれば「老後も返済できる?・できない?」はハッキリします

ご夫婦一緒にお互いの「ねんきん定期便」を確認しましょう。

お二人の合計した年金受給額がおおよそは把握でき、そこから住宅ローンの返済額を差引いて残ったお金が生活費へ回せます。

「夫婦の年金受給額」-「住宅ローンの返済額」=「すべての生活費

「すべての生活費」としているのは、この中から生活に必要な支出すべてをやり繰りしなければならないからです。

〈すべての生活費に含まれるのは?〉

  • 住宅ローンを返済しているならば持家なので固定資産税
  • 自動車があれば毎年の自動車税、2年に1度の車検費用、メンテナンス費用、ガソリン代
  • 国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料(税)、医療費
  • その他、冠婚葬祭、家電の買替え、自宅のメンテナンス、水道光熱費、食費、衣料費、etc

住宅ローン以外の支出すべてが該当します。

しつこいまでに書いておりますが、定年目前で悩んでいる方は現実を直視すると年金額が全く足りていないのです。

場合によっては「すべての生活費」がマイナスの方もいるのではないでしょうか?

あえて説明する必要はないかもしれませんが「夫婦の年金受給額」では住宅ローンすら返済できないため、そのままでは住宅ローンによる老後破綻へ一直線となります。

相談者である奥様も、どう考えても年金が足りていないことを理解できていたため悩んでいます。

要するに、無関心とされている夫も「ねんきん定期便」を見ることで年金で住宅ローンの返済が不可能だと自覚できます

ポイントは先に書きましたが、まず最初にご夫婦一緒にお互いの「ねんきん定期便」を確認することです。

「ねんきん定期便」を夫婦で確認!

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どうすれば住宅ローンを減らせるか?

 「ねんきん定期便」を夫婦一緒に確認すれば、住宅ローンが払えなくなることが夫婦の共通認識となります。

そのうえで「今できることは何か?」を考えなければなりません。

そうなると、ご夫婦の年金収入に対する住宅ローンの支出割合が多過ぎるため生活を圧迫していることは明白です。

住宅ローンの支出を減らす必要があります。

具体的な方法としては、以下になります。

  1. 住宅ローンを完済する
  2. 現在の返済額を増やし、定年後の返済額を減らす
  3. 定年退職時に繰上げ返済し、定年後の返済額を減らす

1.住宅ローンを完済する

 住宅ローンを完済してしまえば、老後の返済の不安は無くなります。

可能な方は、そもそも相談自体必要ありません。

2.現在の返済額を増やし、定年後の返済額を減らす

 定年前の働けるうちに、予定より多く返済し、老後は無理のない返済に抑える。

当初より計画的に返済する必要があり、残された時間が少なければ難しいでしょう。

3.定年退職時に繰上げ返済し、返済額を減らす

 一番可能性があるのが定年時に退職金等で一括返済、それが難しければ、ある程度まとめて返済し老後は無理のない返済を続ける。

ただし、住宅ローンの一括返済ができるほど、高額な退職金を受取れる企業がどの程度存在するのでしょうか?

上記の1、2、3のどれを見ても、自身には当てはまらないというのが正直な印象だと思います。

なぜでしょうか?

それは、現在の自宅に住み続けることが前提となっているからです。

現在の住まいは老後にふさわしい家なのか!?

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住宅ローンは自宅を売却すれば減らせる

 幸いなことに住宅ローンは自宅を担保にしているため、単なる消費してしまった借金とは多少異なります。

自宅を手放すことにより借金を完済、又は完済できなくても減らすことが可能です。

そうなれば、定年後も年金生活の範囲内で借りられる家に住み、固定資産税や建物の修繕費用に悩むことも無くなります。

もしかしたら買い替えも可能かもしれません。

もう答えは一つしかありません。

どうするかでは無く、すぐにでも今の自宅を手放す相談をご夫婦で話し合わなければならないのです。

また、自宅を売却しても住宅ローンが完済できない(オーバーローンのケース)場合、残債の返済が必要になります。

しかしながら、そもそも住宅ローンが払えなくなることを念頭に、自宅を売却された方には多額の返済は不可能です。

そのため、返済については売却後に金融機関と相談し、生活を脅かすことのない可能な範囲での返済を続けていく方がほとんどです。

オーバーローンの場合、決断するのは簡単ではありませんが任意売却という方法で自宅を手放します。

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現状では終の棲家にはなりえない

老後にふさわしい家に住む

 とても愛着のある我が家かもしれませんが、一つ考えてみてください。

家族で住んでいた家であれば、家族構成に変化はありませんか?

もし、お子様が独立して夫婦二人での生活となったならば、今の広さは必要ないかもしれません。

3LDKのマンションなら、せいぜい2LDKあれば十分で1LDKでも生活に不自由しません。

一戸建ても広い建物は維持管理も大変なものです。

おまけに庭の手入れも必要になります。

〈筆者が伝えたいこと〉

生活のダウンサイジングが重要

自動車を例にすると分かりやすいでしょう。

ご家族が夫婦二人になると軽自動車に買換える家庭も珍しくありません。

維持費が安くなることと、サイズが小さくなることで運転もしやすくなります。

家も同じなのです。

買換えが可能ならば、小さくなることでメンテナンス、固定資産税、マンションであれば管理費や修繕積立金も面積に比例して下がります。

賃貸住宅でも同様で、狭くなれば家賃も抑えられます。

年を取るとともに自宅の見直しは老後に向けてのライフプランそのものなのです。

自宅を車に例えてみる!

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老後破綻するのに明確な返答をナゼ避けるのか?

 冒頭の相談者である奥様が老後の住宅ローンの返済が不安で仕方ないのですが、夫が全く取り合わないため、どうしたらいいか分からず困り果てています。

なぜ、大変な状況なのに夫は無関心でいられるのか?

実は無関心ではなく、どう考えても答えが出ないからです。

奥様と同じで、どうしようもない状況と分かっているため現実から目を背けているのです。

分かっているから現実逃避

定年後の住宅ローンは年金だけでは不十分

 ご夫婦二人とも『どうするの?』では互いに答えは出ません。

どうしても、払えなければ年金以外の収入源を確保する。

つまり、定年後も働く場があれば、働き続ける。

それができなければ、収入に見合った賃貸住宅に越す、可能であれば買い替えるしかありません。

無理なことは分かっているから、もう自宅は手放そうと言わなければならないのに、お二人ともそれが言い出せません。

定年が近いご夫婦で、お子様が要る場合、相談してみるのも一つの方法です。

成人し自立されているお子様ならば、無理をせずに売却しようと声を掛けてくれるのではないでしょうか?

夫婦以外の意見にも耳を傾ける

老後破綻の不安解消は現状打破のみ

 ひしひしと迫る、老後破綻の不安に対処するには、現状を変えるしかありません。

当事務所においても、「老後破綻の不安」について相談をされた方が、再度、同内容の相談をされることがあります。

何度も相談されることは、老後破綻の現実について理解を深めるために必要で、いっこうに構いません。

しかし、どうもご本人がそれに気付いていない方もいらっしゃいます。

同内容の相談を当事務所も含めいくつかの業者に相談、納得のいく解決策が見つからずに、相談を繰り返しているのではと思われます。

現状を変えなければ深刻な現実が待つのみ

今現在は、ぎりぎり住宅ローンが払えているけど、「数年先には定年等で払えなくなる方」や「住宅ローンをこの先も返済を続けていけるのか・・・」など、不安を感じている方が多いように見受けられます。

早い話、「焦っているけど、今は生活ができている」状況です。

その結果、あえて現状を変えないまま、不安が解消する方法を探していることになります。

今のままでは老後破綻

目先の不利益が障害になる

 地方にお住まいの方にとっては、住宅ローンが苦しくて家を売却すると、噂になるのではと「体裁が気になる

今まで一戸建だったので「アパート住まいが受け入れられない」等、売却して引っ越すことを避けてしまいます

気持ちとしては理解できますが、この先住宅ローンが払えなくなったら、どうでしょうか?

もっと、精神的につらい現実が待っています

根本的には収入に見合わない住宅ローンが原因です。

その住宅ローンを見直さない限り、何も変わりません。

つまり、負担となる住宅ローンを何とかするためには、自宅を手放す一大決心が必要になります。

この先、住宅ローンが払えなくなります

不動産を所有し続けるリスク

 異次元の金融緩和で低金利に慣れてしまっています。

しかし、今後は金利の変動や空家の増加、住宅価格の値下がりなど想定しなければなりません。

不動産を取り巻く環境は、決して明るいものではありません

不動産の二極化、「需要のある不動産」と「需要の無い不動産」に線引きされる時代になってきました。

〈不動産の二極化〉
良い不動産・ダメな不動産

また最近に至っては、自然災害にも目を向けなければなりません。

斜面に盛土して作られた住宅が崩れたり、土砂崩れなどで他人を巻込む事故も発生しております。

しかし、災害といえども私有地で起きたことなので、所有者が対処するのが一般的です。

この先、大雨によって被害が出そうな低地や急斜面近くに造成された住宅が、以前のような感覚で取引されることは考えにくいでしょう。

二束三文であれば、引取り手が見つかるような事態になりかねません。

それでも、災害リスクのある不動産が手放せれば、まだマシと思える状況も想定できます。

自然災害も考慮すると一部の都心部を除いては、住宅価格が上昇するよりは下落すると考えるのがイメージしやすいと思います。

自然災害は個人レベルでの対処は不可能

資産価値の低下は老後破綻と隣り合わせ

 終の棲家として購入した家が、定年を過ぎても住宅ローンが残っているため、返済できず持ち家を失う老後破綻者が増えているのは、紛れもない事実です。

定年後の収支バランスが釣り合っていないため、住宅ローンが生活を圧迫してしまいます。

また、売却しても住宅ローンの残高よりも低い価格での取引となることが多く、問題がより一層表面化しております。

無理をしながら返済を続けても、自然災害や価格下落のリスクは常に不動産について回ります。

住宅ローンに不安を覚えるのなら、余裕のない状況で自宅を所有するリスクについても、今後は考えていく必要があります。

老後の住宅ローンは負債の塊

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この記事を書いた人

小田嶋譲のアバター 小田嶋譲 代表取締役

 有限会社 O&Trade代表 大学卒業後、不動産会社と譲渡債権回収の金融機関での勤務経験を経て独立。
競売間近の自営業者の不動産担保ローンや不動産投資の失敗による相談、そして、住宅ローンの滞納や住宅ローンによる老後破綻など、『お金と不動産の専門家』として難易度の高い任意売却に精通し、「不動産に関わるお金の悩みの解決」に取組んでいます。
「ADR」と呼ばれる法務大臣認証の裁判外紛争解決機関(一社)日本不動産仲裁機構の調停人としても登録しています。

詳しいプロフィールは、下(左)のリンクボタンからどうぞ。

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