住宅ローンが払えなくなり、悩んでいるとリースバックという方法で、任意売却しても住み続けることを知り、安心してる方も多いと思います。
自宅が人手に渡っても、今の家に住み続けることが出来れば、救われた気にもなります。
では、実際のところ何年住むことが出来るのか?
家賃はいくらになるのか?
なぜ、投資家はリースバックしてくれるのか?
いろいろ疑問も生じてきます。
リースバックで本当は何年住み続けることが出来るか?
本題に入りますが、『リースバックで何年住み続けることが出来るか?』を決めるのは賃貸借契約の内容しだいです。
つまり、本当にリース バックを望むならば、まず最低でも何年住む必要があるかを考え、それを前提とします。
リースバックが可能でも、希望する期間住むことが出来なければ、本来の意味がありません。
身内や知人の協力者でない限り、買主は投資目的で購入するため、契約内容は投資家にとってリスクの少ないものとなります。
その反面、借りる側としては厳しい条件が付きつけられます。
リースバックは条件をクリアするのが難しく、該当者は少ないのですが現実です。
リースバックで発生するトラブル
リースバックばかりに目を奪われて、肝心な契約内容や方法について確認を怠ると、後に上記の様なトラブルに見舞われます。
- 希望した期間住めない。
- 家賃の増額を求められ、断ったら退去を求められた。
トラブルの原因は?
リースバックを条件に任意売却で購入した買主が、今度は貸主となります。
その賃貸借の条件は口約束という訳にはいかず、売買契約と同様にきちんと賃貸借契約を締結します。
実は締結される賃貸借契約の種類が、借主に取ってかなり不利でリースバック後に見舞われる、トラブルの原因となることがあります。
一般の人には馴染みが無いのですが、賃貸借契約には2つの契約体系があります。
普通借家契約 | 通常の賃貸は、この契約がほとんどで借主の権利が保護されているため、契約期間終了後の契約の更新を、貸主が断ることは特段の事情が無い限り難しくなります。 |
定期借家契約 | 契約書に定められた契約期間で契約は終了し、更新することはできません。 |
この2つの契約は、契約期間終了後に更新ができる・できないが大きな違いとなります。
リースバックで通常用いられるのは2の定期借家契約です。
定期借家契約がリースバックに用いられる理由
定期借家契約を投資家が望む理由は単純で、任意売却で購入した家の転売です。
任意売却で購入した不動産を賃貸で収益を上げ、契約期間終了後は退去してもらい、任意売却で購入した価格以上で売却したいからです。
希望する期間住めないのは、契約期間が元々希望する期間より短いからです。
また、家賃の増額を断ると退去を求められるのは契約期間が終了するので、家賃を増額すれば更新は無理でも、再契約は可能だからです。
つまり、定期借家契約は貸主の希望を満たさなければ、再契約は成立しません。
投資家にしてみれば『契約期間終了後は転売したいが家賃を増額してくれるなら、儲かるので再契約してあげます』といった具合です。
公正証書にするときもある
リースバックは定期借家契約が普通ですが、更に契約書を公正証書にする場合もあります。
契約内容に『一度でも家賃を滞納した場合、即退去する』等の条件があれば、公正証書にした場合、裁判所の判決を取らずに強制執行が可能になります。
何をとっても投資家に有利で、借手にとっては悪条件でしかありませんが、リースバックを希望する以上仕方ありません。
リースバックで失敗しないためには
リースバックのトラブルを防ぐには、条件の確認が重要です。
永遠に住み続けることは不可能なので、きちんと見切りをつけなければなりません。
家賃を払って借りるとの認識をしっかり持ちましょう。
・希望する契約期間をしっかりと決める。
・定期借家契約でなく普通借家契約を希望する。
例えば、住みたい期間が4年ならば、定期借家契約の場合はしっかり4年とする。
普通借家契約であれば2年契約で更新するのが一般的ですが、契約更新時の更新料の取り決め等の問題も発生するので、注意が必要です。
また、取決めた家賃はきちんと払えることが前提なので、公正証書に関しては、契約内容に従っている限り、問題にはなりません。
特別な事情が無い限り、リースバックは借りる側にとって都合のいい条件ではなく、ただ単に住み慣れた家だから引っ越したくないとの理由では、あまりお勧めできるものとは言えません。
リースバックが有効な方
住宅ローンが払えない状況では選択肢は限られてきます。
リースバックにこだわり過ぎて、一番大切な競売回避に必要な時間を費やしてしまう恐れもあります。
厳しいこともきちんと伝えてくれる誠実な業者に相談しましょう。