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任意売却で連帯保証人とトラブルになる共通点は1つ!
『連帯保証人になる方が悪い』この一言で片付けられるほど、連帯保証人を巡る問題の解決は、簡単ではありません。
一度、連帯保証人になってしまった者は、その借金が完済されるまで返済の義務が付いてまわります。
そして、連帯保証人との関係性で任意売却がスムーズに進められず、トラブルとなるケースには、ある共通点があります。
それは、状況が悪化し「どうにもならない状況」で連帯保証人へ連絡してくるからです。
連帯保証人にしてみれば『連絡が遅い!』この1点に尽きます。
この記事は「任意売却で連帯保証人とトラブルになる共通点」
そして「連帯保証人とのトラブルを事前に回避する方法」について、任意売却に精通するFP&不動産コンサルの有資格者が解説します。
連帯保証人とトラブルになる共通点は1つ
任意売却が必要とされるとき、連帯保証人の存在は無視できません。
連帯保証人の協力なしでは、任意売却を進めることはできないからです(その理由は後述します)。
そのため、任意売却へ至る状況でありながら、「連帯保証人がその事実を知らない」となれば、連帯保証人とのトラブルへ発展してしまうのは、当然の結果と言えます。
任意売却で連帯保証人とトラブルになる1つの共通点、それは何と言っても「連絡が遅い!」ことです。
連帯保証人とトラブルの原因は連絡が遅い!
任意売却が必要な状況とは
任意売却が必要な状況とは、主債務者(借金した本人)が返済不能に陥っています。
金融機関からすれば、不良債権の処理へ進まざるを得ません。
そして、任意売却後には必ずと言っていいほど、残債が発生します。
残債の返済にも、連帯保証人を巻き込んでしまいます。
そのため、どうしようもない程、状況が悪くなってから連絡する。
或は、何もしないまま金融機関が連絡して、初めて状況を知らされるでは、誠実な対応ではありません。
もう、連帯保証人がどうすることもできません。
いきなり告げられ、挙句の果てに「残債もあります!」
これでは、連帯保証人が任意売却に納得できる材料が、何もないのも理解できます。
連帯保証人はお手上げ状態で告げられる
任意売却に連帯保証人の同意は大前提
住宅ローンや他の不動産担保ローンが払えなくなり、不動産を任意売却するには、連帯保証人の同意も必要です。
金融機関から連帯保証人に対しても「任意売却に同意する旨の書類」にサインを求められます。
言い換えれば、連帯保証人が同意しなければ、任意売却は諦めなければなりません。
そのため、連帯保証人に対しては、返済状況の報告等をしていなければ、どうなるでしょうか?
いきなり「任意売却?」と聞いて、寝耳に水の状態になってしまうこともあります。
〈伝える順番が間違っている〉
✕ 任意売却に連帯保証人の同意が必要だから連絡
〇 事前に連帯保証人にも相談した結果が任意売却
順番が全くの逆だから、トラブルとなってしまいます。
連帯保証人にも多大なリスクが及ぶため、任意売却に同意してもらうならば、順を追って丁寧な説明が必要です。
いきなり任意売却に同意しては無理な相談
身近な存在の連帯保証人とはトラブルは少ない
任意売却の際、連帯保証人とのトラブルは多くあります。
その反面、連帯保証人がいてもトラブルが少ないケースもあります。
住宅ローンで連帯保証人になるのは、妻が圧倒的に多いでしょう。
また、中小零細企業が利用する不動産担保ローンでは、借りるのは法人でも、ほぼ例外なく代表者(経営者)が個人で連帯保証人になっています。
どちらのケースも返済が困難になり、連帯保証人との関係で任意売却が進まなくなることは、ほとんどありません。
妻が連帯保証人の場合は生計を一緒に立て、共に生活する主債務者の夫と任意売却を決断します。
夫婦で出した答えなので、離婚でもしない限り問題とはなりません。
同様に、中小零細企業の代表者も、自身が経営する会社が原因で任意売却となれば、そもそも連帯保証人が任意売却を決定するので、トラブルになりません。
連帯保証人が近い存在ならトラブルは少ない
任意売却でトラブルになる連帯保証人の詳細とは
任意売却が必要なとき「連帯保証人への連絡が遅れるとトラブルになる」ことは既に説明しました。
更にトラブルとなってしまう、連帯保証人の詳細についても触れておきます。
まず、借金のタイプを同じ不動産担保ローンではありますが「住宅ローン」と「他の不動産担保ローン」の2つに分けます。
〈借金のタイプ〉
- 住宅ローンの連帯保証人
- 他の不動産担保ローンの連帯保証人
1.住宅ローンの連帯保証人
住宅ローンの連帯保証人との関係でトラブルになるのは、義理の両親や義理の兄弟が連帯保証人に名を連ねているケースです。
しかも妻とは既に離婚してしまっている場合となります。
元妻の両親や兄弟にしてみれば、もう他人のような存在となり、任意売却の協力を拒んでしまうことがあります。
もちろん、そこには任意売却しても返済できない、残債の問題が根底にあります。
残債の対処をどうするのか?
連帯保証人が家族の生活や所有する自宅がある場合等、その後の不安が大きいことも関係します。
また、急に連絡があったと思えば、借金問題では、穏やかにしていられない事情もよく分かります。
連絡の後回しで任意売却を断念することも
連帯保証人でなくても物上保証人もトラブルになる
その他に気を付ける点は、元義理の両親が所有する土地の上に建物を建てた場合です。
建築資金に住宅ローンを利用していれば要注意です。
仮に連帯保証人となっていなくても「物上保証人」という立場になります。
元義理の両親名義の「土地も建物とセットで任意売却」することになります。
当然ながら、物上保証人の同意が無ければ、任意売却は不可能です。
物上保証人には何も残らない!
2.他の不動産担保ローンの連帯保証人
住宅ローン以外の不動産担保ローンの利用者は、圧倒的に中小零細企業や自営業者が多く「事業資金の借入」がメインです。
中小零細企業(法人)を例にしましょう。
法人の借入れの場合、不動産を担保としても更に経営者個人が連帯保証人となることは、珍しくはありません。
ところが、それでも信用が足らず、他の者までもが連帯保証人となっていることがあります。
このようなケースでは、任意売却がスムーズに進められない場合があります。
例えば、連帯保証人が「取引先の者」や「友人・知人」、また住宅ローンのケースと同様ですが「離婚した妻やその身内」などです。
もちろん血縁関係の者もおりますが、トラブルになる割合は減少しますので、今回の説明からは除きます。
事業資金の借入は高額となることも
取引先が連帯保証人の場合
取引先の方が連帯保証人になっていると、任意売却で借金が完済されるならば、協力を惜しむ理由はありません。
その反面、高額な残債が発生するとなると、残債の対処も含めて対応を協議しなければなりません。
しかし、抜本的な解決策などありません
取引先が連帯保証人となっていると、連鎖倒産のリスクすら考える必要があります。
早めに行動しなければ、取引先の従業員等も路頭に迷ってしまう可能性もあるでしょう。
任意売却どころでは、ないかもしれません・・・
取引先を巻込むと影響は甚大
友人・知人・離婚した妻やその身内が連帯保証人
友人・知人・離婚した妻やその身内が連帯保証人になっていれば、その者にも家族や生活があります。
自宅等の不動産を所有していれば、任意売却後に待受ける残債の問題と共に考えなければなりません。
任意売却も容易に進められる訳もありません。
この場合は、上の「住宅ローンの連帯保証人」の事情と同様と言えるでしょう。
ただし、事業資金のため住宅ローンと比較して負債額大きい場合もあります。
債権者の対応次第ですが、自己破産も検討しなければならないかもしれません。
連帯保証人にとって最悪の結果
任意売却で連帯保証人とのトラブルを事前に回避する方法
連帯保証人が協力せず、任意売却が進められない原因は、事前の連絡や相談を怠っていたコミュニケーション不足です。
身内でない者(元は身内だった場合も含め)であれば、余計に連絡できない気持ちも分からなくもありません。
どうしても連帯保証人に対し、多大な迷惑を掛けてしまう状況を伝えるのは、相当な心の準備も必要です。
逆に言ってしまえば、だからこそ連帯保証人にとっては一大事なのです。
任意売却でのトラブルを事前に回避するには「返済の状況が良くなければ真っ先に伝える」に尽きます。
そうすることで、主債務者同様に「連帯保証人も考え、悩み、相当な心の準備が必要」だからです。
実際には、連帯保証人なっている時点で、半分トラブルに巻き込んでいるのと一緒です。
何かあったときの連帯保証人なので、その何かが起きてしまっただけで、決して珍しいことではありません。
連帯保証人も相当な心の準備が必要
連帯保証人の気持ちを察すれば早めの連絡が重要
主債務者にしてみれば、引け目を感じ、連絡すること自体気が引けることです。
しかし、連帯保証人の気持ちを考えれば、一刻も早く連絡をもらい、解決策を探りたいのが本音です。
そのため、早急に状況を伝えることは、連帯保証人に対する誠意ある対応になります。
その上で、連帯保証人と一緒に任意売却について考えれば、自ずと答えは出ると思います。
早めの連絡は連帯保証人に対する誠意の証