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住宅ローンの滞納は銀行に相談しても解決しない!回収不能でも困らない訳

住宅ローンが払えないときは、まず銀行に相談というインターネット上のアドバイスを見かけます。
銀行に対して払えない理由を伝える機会にはなりますが、ほぼ「問題が解決することは無い」とハッキリしています。
「なぜ、住宅ローンの滞納は銀行に相談しても解決しないのか?」
そこには、「貸したお金が回収不能でも銀行は困らない訳」があるからです。
FP&不動産コンサルの有資格者が詳しく解説します。
もう払えないのと、一時的に払えないとで対応が異なる
まず初めに、住宅ローンの払えない状態を解消できるなら、銀行(以下、金融機関)に相談することは非常に有効です。
一時的や、ある一定期間だけ返済額を減らせば、また元通りの返済ができる目途のある方が該当します。
この様な場合、リスケジュールという方法で金融機関は対応します。
是非とも、早い段階で相談しましょう。
ただし、その様な方は既に金融機関に相談済みであったり、知人や身内に援助を求めたり、自身で解決策をある程度は模索できます。
一時的に払えない場合は相談も有効!

返済ができない人が悩んでいる
根本的に違うのは、もう当初の約束通り、「住宅ローンを払っていく見通しの立たない方」が、本当に困って、どうしたらいいかアドバイスを求めていることです。
端的に言えば、「住宅ローンは払えないけど、今の家には住んでいたい・・・」その方法を探しています。
しかし、そのような方法は残念ながら存在しません。
それゆえに、金融機関に相談しても問題が解決しない理由です。
例外的に住宅ローンが払えなくてもリースバックという方法で住み続けられるケースもありますが、成立させるには条件も厳しいため期待は禁物です。

そもそも返済がなければ、金融機関も事業として成り立ちません。
その金融機関に対し『返済できそうもありません。どうすればいいですか?』と相談されて、担当者にできる事はありません。
自身が立場を置換え考えてみても、いいアイデアは浮かばないと思います。
百歩譲って個人間のお金の貸し借りならば、融通は聞くかもしれません。
しかし、住宅ローンのような高額の不動産担保ローンでは、貸した金融機関もマニュアルに沿って対処するだけとなってしまいます。
続いて、金融機関の対処法を解説していきます。
返済の目途が無い相談は対応不可
金融機関は相談されても対処法は代位弁済のみ
民間の金融機関の多くは住宅ローンを貸し出すとき、万が一に備え保証会社を利用しています。
そのため、借り手が金融機関に対して「住宅ローンが払えない」となれば、その万が一に該当しますので、保証会社に代わって払ってもらいます。
ご存知かも知れませんが、これを代位弁済と言います。
つまり、住宅ローンが払えなくなると、対処法は決まっています。
決められた通りに代位弁済されるだけだからです。
もちろん、住宅ローンの滞納後に即代位弁済となる訳ではありません。
その前段階には、催告書などの各種通知が送られ、期限の利益を喪失し代位弁済へと至ります。


保証会社を利用しないネット銀行なども、返済がストップしてしまえば、他の保証会社同様の代位弁済後の処理を進めるだけとなってしまいます。
幾分、対処のスピードが速いため住宅ローンの滞納が続いているならば、「今後どうするべきか?」決断を急ぐ必要があります。
返済がストップすれば決められた処理方法へ進む
代位弁済後にどうするのかが重要
民間の金融機関は多くの場合、住宅ローンの返済がストップすると保証会社に代位弁済してもらい、そこで借り手とは完全に縁が切れてしまいます。
住宅ローンが払えなくなった後では、この代位弁済後は「保証会社から返済を求められます」
きちんと解決するには、借金問題として認識しなければ、次の行動に移る妨げとなるかもしれません。
借金の問題として再認識する!

代位弁済後は借金を返すか?返さないか?選択できる
住宅ローンという借金が払えなくなったとき、「この借金をどうするか?」考えなければなりません。
大きく分けると以下の3つになります。
もちろん、全額を返済(完済)してしまう方法もありますが、それができないために悩んでいるので「完済する」については除外します。
1.自己破産
住宅ローンが払えなくなると、自己破産を選択される方もいます。
住宅ローンが払えなくなり、法律の専門家である弁護士に相談することで自己破産へ進むことになります。
すぐに借金の請求から逃れることもできるため、非常に合理的な対処法です。
借金の返済義務が消滅し気が楽に!


2.自宅を売却
住宅ローンが払えなければ、自宅の売却は、真っ先に検討するべきでしょう。
今できる最大限の対応は、自宅を手放し借金を完済することです。
悩ましいのは、売却を検討しても住宅ローンの残債に届かない金額でしか売れないケースです。
この場合、任意売却という方法で金融機関(以下、銀行、保証会社を含む)と交渉して所有者の意思で売却することができます。
一見すると金融機関からは拒否されそうに感じますが、自ら自宅を手放すことは誠意ある対応で、歓迎されます。
また、精神的な負担や、プライバシーに関しても、次に説明する競売と比較して有利に進めることができます。
任意売却は誠意ある対応!

3.競売
競売については、住宅ローンの滞納が続いいるにも関わらず、何もしなければ業を煮やした金融機関が競売を申立てます。
また、自宅を手放す決断をしても、売却に時間を要してしまえば金融機関の判断で競売へ進んでしまうケースもあります。
詳しい説明は必要ないと思いますが、裁判所が強制的に自宅不動産を競売で処分し、落札金額を金融機関へ配当します。
競売は裁判所が主催するオークション
順番に説明しましたが、上記3つ、どれもご自身の意志で決めることができます。
どれを選択しても、「住宅ローンが返済されない限り、その家を手放さない方法はありません。」
何を大切にしたいかのか!?
また、状況によっても変わりますので、対応力のある不動産業者へご相談ください。
住宅ローンが払えないまま持家は不可能
もともと金融機関は保証会社で備え
住宅ローンが払えないと、貸してくれた金融機関に対し、大変申し訳ない気持ちになる誠実な方もいます。
しかし、民間金融機関の住宅ローンであれば、借りた時のことを思い出してみて下さい。
諸費用として、かなりの金額を用意しませんでしたか?
借入当時の明細を見れば一目瞭然ですが、諸費用の中に数十万円の住宅ローン保証料という項目があると思います。
〈保証料の計算〉
〇 3,000万円を35年返済の例
保証料は100万円に対し約2万円(金融機関によって異なる)
2万円×30=60万円
保証料は約60万円
実はこんなに払っています!
改めて高額だと感じるでしょう。
また、一括での支払いがなければ、金利上乗プランで約0.2%程度を住宅ローンの金利にプラスして、毎月支払っています。
その保証料により、あなたの住宅ローンの返済が滞ると、保証会社が金融機関に一括で支払いを済ませてくれます。
民間の金融機関の多くは、もしもに備え保証会社を利用、しっかりと準備しています。
しかも、その保証料は住宅ローンを借りている、あなた自身が払っているのです。
そして、この保証会社による代位弁済があるため、貸した金融機関は困らない理由となります。
借り手が払った保証料で金融機関は保証される
金融機関のために保証料・保険料も払っている
借り手が保証料を払っているので、住宅ローンが焦げ付いても、金融機関に対しては保証会社が代位弁済してくれますので、困らない理由をお伝えしました。
実は、これだけではありません、住宅購入時に加入する火災保険に対しても質権を設定している金融機関もあります。
火災保険は自分のためでもありますが、金融機関のためでもあるのです。
火災保険については、金融機関が代理店となり住宅ローンの申込時にパンフレットと共に営業してくることもあります。
そして不幸にも、火災にあったとき、金融機関は借り手が払って加入した火災保険を受け取れるように、しっかりと備えているのです。
ここまでくれば住宅ローンが払えなくなり、「一番困っているのは金融機関ではなく、自分自身」であると、お気付きでしょう。
火事で家が燃えてしまっても、金融機関は火災保険でカバーされるため一向に困りません。
むしろ、住宅ローンの借り手側こそ、次はどこに住めばいいのか?
本当に深刻な問題なのです。
一番困っているのは自分自身
住宅ローンの貸し倒れで驚く金融機関はない
住宅ローンが払えなくなることは、決して珍しいことではありません。
最近では、夫婦二人で住宅ローンを借りるペアローンの貸出件数も増えております。
一人では借りられないために、夫婦二人で借りています。
厳しいことを言えば、夫婦のどちらかが収入の減少や失業となれば、あっという間に返済不能の状態へ陥ってしまいます。
そういったリスクを抱えながら、それでも金融機関は貸し出しに応じているのです。
滞納が始まっても金融機関に対して、後ろめたい気持ちになる必要は全くありません。
また、担当者も与えられた仕事なので、特別な感情を持って接している訳でなく、普段と同じ対応です。
担当者にとっては事務的作業

大切なのは自分自身がどうするか?
住宅ローンが払えなくなれば、保証会社が代位弁済します。
そのあとは、あなた自身がどう行動するかを考えなくてはなりません。
残された道は、先に挙げた<3つの選択肢>です。
当然ですが、どの選択肢にもメリット・デメリットがあります。
本当ならば、どれも避けたい選択肢です。
それでも、ご自身にとって少しでも救われる要素があれば、早めに決断し行動することをお勧めします。
もしも、自宅の売却を考えるならば、早めに相談は非常に重要となってきます。
自宅の売却ならば要相談!
