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【元夫が自己破産】連帯保証人の元妻は自宅を任意売却できる?破産管財人との協力で生活を守るポイント

元夫が自己破産!! 連帯保証人は元妻だけど任意売却はできる?

 離婚後も「子どもの転校を避けたい」などの理由から、元夫名義の家に住み続け、住宅ローンの連帯保証人のままになっている女性は少なくありません。

特に離婚後の元ご夫婦の関係性が悪いと、元夫が約束通りに住宅ローンを返済してくれなければ、元夫名義の自宅は競売の憂き目にあってしまいます。

更にある日突然、金融機関から「元夫が自己破産した」と連絡が入り、あなたへ一括請求が開始されるという最悪の事態が起こります。

 元夫が破産した以上、元妻は「元夫名義の家」に住み続けることは不可能です

ただし、元夫が破産したことで、自宅の処分権限は裁判所が選んだ「破産管財人(弁護士)」へ強制的に移ります。

あなたが破産管財人と正しく協力できれば、最悪の「競売は回避」し、任意売却で前向きに新生活のスタートを切る道が開けます。

関係性の悪い元夫と連絡を取り合う必要はなくなるため、任意売却についてはストレスなく進めることができます。

この記事は、任意売却の現場に携わるFP&不動産コンサルの有資格者が解説します。

目次

なぜ「元夫の自己破産」が任意売却のチャンスになるのか?

 不動産の売却を決めるのは、あくまでも不動産の所有者です。

任意売却でも通常の不動産売却でも、この原則は変わりません。

離婚後に元夫名義の家に元妻が住み続けている場合、元夫がいくら住宅ローンを滞納していても、連帯保証人の元妻は何もできません。

元夫自身が協力しない限り、任意売却を進めることは100%不可能

関係性が冷え切った元夫に売却を促しても、感情的になって拒絶されたり、連絡を絶たれたりして、実質的にお手上げ(=競売を待つだけ)になってしまうケースが後を絶ちません。

しかし、「元夫が自己破産」すると、そのパワーバランスが一変します。

元妻(連帯保証人)の意思で任意売却の可能性大

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不動産を売却するのは破産管財人で元夫の意思は無関係

 不動産などの財産を所有したまま自己破産すると、その財産は破産管財人が管理し売却することになります。

破産管財人とは

 裁判所から選任され、破産者の財産を調査し換価処分(お金に換える)後、金融機関などの債権者へ配当します。
通常、破産管財人は弁護士が選任されます。

破産管財人について更に詳しく

基本的に破産管財人は早期に手続きを終了させたいので、連帯保証人である元妻が自宅の明け渡しに同意するならば任意売却に対して非常に協力的です。

一方で、すでに自宅を退去している元夫については、何の権限もありません。

つまり、元夫の意思は無関係となり、連帯保証人と破産管財人が足並みを揃えれば、高い確率で任意売却を成立させることができるのです。

破産管財人と協力すれば任意売却はよりスムーズに!

破産管財人と協力し、妻が相続した土地を残せた実例

 筆者が実際に担当した、破産管財人と連帯保証人が協力して任意売却を進めた実例をご紹介します。

※注釈 このケースのご夫婦は婚姻中でしたが、夫(主債務者)が破産し、連帯保証人がその責任を負うというリスクの本質は、離婚後であっても全く同じです。

〈連帯保証人の状況〉

  • 家族構成:自営業の夫、妻(連帯保証人)、お子様
  • 自宅の名義:土地・建物は夫名義(妻の持分なし)
  • 直面した危機:夫が事業低迷により自己破産、自宅は強制処分(売却)の対象となり、連帯保証人の妻に住宅ローンの全額請求

主債務者である夫が自己破産をしたため、破産管財人が、夫名義の自宅不動産を処分(売却)する手続きが始まりました。

通常であれば、連帯保証人の妻も一緒に自己破産するのが一般的です。

しかし、奥様自身は「自己破産はしない」とのこと。

その理由は自己破産してしまうと、奥様名義の土地も処分されてしまうからです。

 親から相続した土地は残したい・・・
任意売却に協力しますので、〇〇万円以上で売却してください!

自宅を「相場ズレした高値」で売却すること強く要望

オーバーローンは確実な状況だったため、奥様は連帯保証人の責任として「任意売却後の残債を返済していく」強い覚悟はあるものの、できる限り残債を圧縮したかったのです。

高値のこだわりは貴重な時間のロス

破産管財人と膠着状態による競売の危機

 奥様の要望は、金融機関から見れば、「高値での売却」「連帯保証人の責任を果たす」どちらも反対する理由はありません。

しかし、不動産市場の相場を無視した高値での売却は、相当な困難を極めます。

高値での売却」を譲らない奥様と、早期処理を進めたい破産管財人との間で、状況は膠着状態となっていました。

このままでは、破産管財人が任意売却を諦め、金融機関は「競売」へ進むのは確実な局面です。

筆者

 このままでは競売です
自宅が競売になることを家族も受け入れられますか?

奥様

 確かにそうですね・・・
自宅が競売となるのは精神的にも辛いです

最終的に奥様は、競売が家族に与える精神的な負担を心配され、「適正な市場価格での任意売却」に合意してくれました。

現実を直視した任意売却が解決への道

奥様

 正直、ホッとしています
残債はあるけど、受け継いだ土地も残せそうです

 希望額には届かないものの、競売回避は成し遂げた

奥様にとって1つの大きな救いは、夫の「事業資金の借入」には連帯保証人になっていなかったことです。

だからこそ、住宅ローンの残債だけに集中し、今後の返済計画を立てることができました。

この事例の最大の教訓は、「適正価格での任意売却を早期に決断しなければならない」というシビアな現実です。

連帯保証人を引受けたのは住宅ローンのみ

【事例の教訓】連帯保証人の妻が受けた「リアルな影響」

主債務者(夫)の自己破産によって、連帯保証人である妻が最終的に受けた影響をまとめます。

〈連帯保証人への影響〉

  1. 【自宅の喪失】夫名義の「今の自宅」を残すことは100%不可能だった(任意売却)
  2. 【自己破産不可】連帯保証人名義の土地を残したかったため、自己破産が選択できない
  3. 【残債の返済】上記の理由で自己破産できないため、任意売却後の残債(住宅ローン)の返済義務を負う

この事例の教訓は、主債務者(夫)は自己破産できても、連帯保証人(妻)は事情により自己破産できないという過酷な現実です。

元夫の破産や滞納によって引き起こされる連帯保証人への影響は、個人の状況によって大きく変わります。

自分自身の守りたい財産があれば、「自己破産できないリスク」を抱え込むことになるのです。

その結果、主債務者が残した借金を1人で返済する義務を負う

このような現実についても、離婚前に覚悟しておく必要があります。

自己破産したくても、できない現実がある!

破産管財人との交渉で「やってはいけない2つのNG行動」

 元夫の自己破産によって任意売却のチャンスとはいえ、一歩間違えると破産管財人は、あなたを「非協力的な連帯保証人」とみなし、任意売却を断念してしまいます。

言うまでもありませんが、その先は競売へと進んでしまいます。

元夫名義の家に住み続ける連帯保証人が、破産管財人に対して「絶対に避けるべきNG行動」は以下の2つです

〈2つのNG行動〉

  1. 破産管財人からの連絡を無視
  2. 相場度外視の高値売却に固執

1.破産管財人からの連絡を無視

 破産管財人からの連絡を「元夫側の弁護士だから」あるいは「よく分からない」という理由で無視して放置する行為は厳禁です。

そして状況としては、最終的に「引っ越し」を済ませ、自宅を明け渡すことになる。

そこに協力しない態度で臨めば、破産管財人は淡々と業務をこなすため、連絡がつかない、あるいは非協力的な居住者(このケースでは連帯保証人)がいると判断すれば、無理に任意売却を進めることはありません。

それどころか、「任意売却は不可能」と見切りをつけてしまいます。

破産管財人が任意売却を諦めてしまえば、金融機関が自宅の競売手続きを進めるのは確実な局面となります。

ここで正しく認識しておくべきなのは、破産管財人は決してあなたの敵ではないということです。

むしろ、非協力的だった元夫を無視して自宅を任意売却するための「最大の協力者」であり、連絡には誠実に応じることが鉄則です。

破産管財人は任意売却する際の強い味方

2.相場度外視の高値売却に固執

 先述の解決事例の通り、「借金を減らしたいから」という理由で、市場相場を度外視した高値での売却を要求し続けるのは危険です。

相場からズレた価格で販売を試みても内覧すら入らず、ただ時間だけが経過します。

金融機関が待ってくれる時間にも限り(滞納開始から約3〜6ヶ月)があり、時間切れになれば裁判所へ競売の申立てへと進行します。

高値に固執した結果、競売を回避できないという最悪の結果を招きます。

買手不在では任意売却も成立しない

残債や自身の自己破産への対処について

 任意売却が無事に成立すれば、競売という精神的負担からは解放されます。

しかし、それで全てが終わるわけではありません。

解決後に直面する「問題」については、以下の概要を確認し、必要に応じて各リンク先をチェックしてください。

任意売却後の残債の支払いについて

 任意売却をしても、売却額が住宅ローン残高に届かなければ、残った借金(残債)の返済義務は連帯保証人であるあなたにそのまま残ります。

残った数百万〜数千万円を一括請求されたらどうしよう・・・

過度に怯える必要はありません。

任意売却後の残債については、金融機関も収入や生活状況を考慮し、無理のない範囲で分割返済(毎月数千円〜数万円など)に応じてくれることがほとんどです。

大切なのは、競売を避けて「借金をコントロール可能な規模」にまで縮小させることです。

具体的な任意売却後の残債については、以下の記事を参考にしてください。

連帯保証人自身が自己破産を検討すべき基準

 元夫の自己破産によって発生した数千万円の連帯保証債務は、あなた自身も「自己破産」を申立てることで、法的に断ち切ることが可能です。

自己破産が認められれば、連帯保証人としての返済義務は100%免除されます。

ただし、自己破産を選択するには、以下の「3つのデメリット」を受け入れる覚悟が必要です。

〈自己破産で受けるデメリット〉

  • 資産の処分(自分名義の不動産や一定以上の財産はすべて処分される)
  • 信用情報への登録(数年間はカード作成やローン、スマホの分割払いが不可)
  • 官報への掲載(国の機関紙に氏名・住所が載る)

任意売却後の残債を自力で分割返済していくべきか、それともデメリットを受け入れて自己破産すべきか、判断に迷う方は、関連記事「住宅ローンで自己破産のメリットが大きいのは!」を参照してください。

ブラックリスト・官報に関する実務的な真実については、以下の詳細記事で詳しく解説しています。

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優先させるべきは感情論ではなく「自分の生活を守る防衛策」

 主債務者である元夫が自己破産するという事態は、連帯保証人である元妻にとって、強い憤りや不安を感じるのは当然です。

しかし、ここで元夫への怒りに囚われて時間を失うことこそが、最も危険です。

今必要なのは、現実に目を向け、「いかにして、これからの生活を守るか」という一点に尽きます。

不動産とお金の現場に20年以上向き合ってきた経験から言えるのは、夫が破産した以上、連帯保証人であるあなた自身が「1日でも早く、自発的に次の手を打つ」ことが、最善の対策です。

元夫の自己破産により、住み慣れた自宅を手放し、引っ越しを余儀なくされるという重い現実を受け入れるのは簡単ではないかもしれません。

それでも、競売を回避し、早期の任意売却によって背負う借金(残債)を極限まで減らすことが、前を向くための絶好のタイミングとなることも間違いありません。

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この記事を書いた人

小田嶋譲のアバター 小田嶋譲 代表取締役

 有限会社 O&Trade代表 大学卒業後、不動産会社と譲渡債権回収の金融機関での勤務経験を経て独立。
競売間近の自営業者の不動産担保ローンや不動産投資の失敗による相談、そして、住宅ローンの滞納や住宅ローンによる老後破綻など、『お金と不動産の専門家』として難易度の高い任意売却に精通し、「不動産に関わるお金の悩みの解決」に取組んでいます。
「ADR」と呼ばれる法務大臣認証の裁判外紛争解決機関(一社)日本不動産仲裁機構の調停人としても登録しています。

詳しいプロフィールは、下(左)のリンクボタンからどうぞ。

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