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新築ワンルームマンションは節税や年金代わりになるか!?
不動産投資の第一歩として、ワンルームマンションを購入された方、毎月しっかりキャッシュフローが生まれ、その他に諸経費を払っても手元に少しでも残れば、まずまずと言ったところでしょう。
しかし、不動産投資とは言えないようなプランで、新築ワンルームマンションを購入されている方も大勢いらっしゃいます。
新築ワンルームマンションの購入で資産形成や節税、或いは老後の年金代わりになり得るのか!?
そして更に、突き詰めれば借金をしてまで購入する価値があるのか?
FP&不動産コンサルの有資格者が新築ワンルームマンションの現実について解説します。
新築ワンルームマンションの現実を知れば、判断に迷うことは無いでしょう。
特に今現在、下記のケースに該当する方は、後悔しないためにも本記事が参考になれば幸いです。
【新築ワンルームマンションについて】
- 購入を検討している方
- 既に購入してしまった方
- 更に買い増しを勧められている方
新築ワンルームマンションは節税や年金代わりにならない
筆者から見て、新築ワンルームマンションは購入する価値を見出せない不動産です。
あえて言わせてもらえば『新築ワンルームマンションは購入しないほうが賢明』でしょう。
ましてや借金してまで購入すると泥沼から抜け出すのは相当な困難を極めます。
営業トークの節税や年金代わりには成り得ないリスクの塊です。
「新築ワンルームマンションは節税や年金代わりにならない」理由を詳しく知りたい方は記事を読み進めて下さい。
新築ワンルームマンション購入者3つの問題
新築ワンルームマンションの購入者から、当事務所へ寄せられる相談内容をまとめると、以下のような問題点が見えてきます。
【3つの問題点】
- 新築のプレミアムで購入価格が高い
- ローンで購入しているので返済額が毎月持出し
- 想定より節税効果が薄い
1 新築のプレミアムで購入価格が高い
新築ワンルームマンションは、そもそも投資利回りから見ると割高です。
購入後すぐに売却したくても2~3割程度、価格を下げないと売れない。
この売れないとは、購入価格と同程度で不動産の売却情報を公開しても、全く買手が現れないことを意味しています。
情報公開によって、全国の不動産業者に情報提供されるため、当然にしてプロの不動産投資家へも情報が届きます。
しかし、プロの不動産投資家に見向きもされなければ、投資に見合った価格ではないということがハッキリします。
築年数が新しければメンテナンス費用も少なくて済み、建物の評価額も高くなるため価格に反映されますが、正直なところ新築のプレミアム価格を上乗せされてまで購入するほどのメリットは感じません。
ムダに高い新築より、リターンが得られる中古の築浅物件のほうが不動産投資家には好まれます。
2 ローンで購入しているので返済額が毎月持出し
購入者資金のほとんどを金融機関からの借入れに頼っているため、家賃収入からの返済割合が高くキャッシュフローが生まれない要因となっております。
家賃から管理費・修繕積立金を除くと、毎月のローン返済額に足らず、他の収入から都合する必要があります。
この部分が、年金を毎月積み立てるようなイメージと重ね合わせているのかもしれませんが、年金で借金を背負うことはありません。
そして、手元に現金が残らなければ、不動産投資と言えるのか? 疑問が残ります。
属性が良いとされるサラリーマンや公務員でも、毎月手元に現金が残らなければ固定資産税の納付にも苦労する事態に陥ります。
3 想定より節税効果が薄い
鉄筋コンクリート造りの新築ワンルームマンションや築浅中古マンションの魅力の一つに、建物の減価償却で長期に渡り節税できるメリットもあります。
しかし、高額所得者でなければ、その効果を十分に発揮できません。
そして、もっともらしく建物と設備を分けて減価償却することを提案されたりすれば、得した気分にもなります。
ところが購入初年度は諸費用が多く節税できたが、2年目から控除できるものが減り、借金のリスクと見合わない。
また、減価償却で節税効果を高めるならば、同じ年に複数戸の新築ワンルームマンションを購入するのは得策ではありません。
そうでありながら、相談者の多くが同じ年にいくつも購入している現実を見ると、いかに営業マンの腕が良かったのかと・・・ある意味感心してしまいます。
的外れな投資計画
そもそも、購入を勧められた時点で将来に向けての資産形成や節税、はたまた年金代わりに新築ワンルームマンションを購入する計画です。
ところが、どれも的外れで何と呼ぶのが相応しいプランなのか思い当たりません・・・
逆に新築ワンルームマンションの投資に相応しい人はいるのか?
考えてみた結果、無理やり当てはめるとすれば、潤沢なキャッシュが手元にあるので散財しないために購入する。
又は、毎年安定した高額所得者がローンで購入し、浪費に回さないために新築ワンルームマンションを購入されるのなら、案外お勧めかも知れません。
それ以外の方にとっては、購入してしまうと、現金の持出しが増え深刻な問題しかありません。
堅実な方が購入するには、後悔のほうが大きい買い物となってしまいます。
新たに噴出する3つの変動リスク
新築のワンルームマンションに限らず、不動産投資では常に以下の変動リスクにさらされています。
【不動産投資3つの変動リスク】
- 管理費・修繕積立金
- 家賃設定
- 金利負担
上にあげた3つについて、どれも良い方向には動いてくれるとは到底思えません。
1.管理費・修繕積立金
管理費・修繕積立金についてはマンション特有ではありますが、将来的に下がると予測を立てる者は皆無です。
管理人のなり手不足・資材や人件費の高騰もあり、管理費・修繕積立金共に将来的には上昇すると考えるのが自然でしょう。
2.家賃設定
建物は年々古くなりますが、新たなマンションも続々と建設中のため賃貸物件は、どんどん増え続けています。
そして、少し都心を離れれば、相続税対策を口実にアパートも建設され続けています。
その反面、将来の人口予測は減少するとの見方が大勢を占めております。
このような状況の中で、20年先、30年先も家賃を現状維持できるほど甘くは無いでしょう。
従いまして、家賃は上昇すよりも下落すると考えるのが、こちらもまた自然です。
3.金利負担
上の2つは下落としましたが、金利については分からないとしたいのですが現在の日本は異常なほどの低金利とされています。
高額な借り入れをしてマンションを購入しているため、下がれば喜ばしいですが、これ以上の下落の余地はほとんどないと言って差し支えないでしょう。
その結果、金利については上昇する可能性はかなり高いと考えるべきです。
変動リスクに打ち勝つには
変動リスクの3点について書きましたが、都心のごく限られエリアでは家賃を現状維持できる可能性も否定はできません。
しかし、仮に家賃が現状維持できたとしても、1.管理費・修繕積立金の上昇・3.金利負担の増加は避けられそうに無いため、実質的には手取り収入は減少してしまいます。
変動リスクはすぐに表面化する訳ではありません。
そのため、今から備えるには、やはりできる限り借入額を減らす、債務の圧縮を心掛けていくしかありません。
要するに手放す際には、持出しを最低限に抑えて、いつでも撤退できる準備をしておくことが重要です。
賃料不明では年金の代わりにならない
頑張ってローンを返済しながら完済までたどり着いたとき、新築マンションは築後30年以上経過、いったい家賃はいくらになっているでしょうか?
誰にも想像できません。
つまり、分からない賃料に対して年金と同じように計算など不可能なのです。
現在収支が合わず毎月の持出しがある時点で、不動産投資としては不適格。
プロであれば、すぐに処分という言葉がピタリとあてはまります。
住宅ローンの審査に影響を及ぼすことも
新築ワンルームマンションというより、新築ワンルームマンションを販売する営業マンは、とにかく売ることで生計を立てています。
売れば売るほど収入に跳ね返ってきます。
そのため、一度でも新築ワンルームマンションを購入した顧客には、金融機関の融資上限枠いっぱいまで購入を勧めてきます。
その結果、顧客が自宅の購入で住宅ローンの申込をすると「審査落ち」を招いてしまいます。
新築ワンルームマンションを借金して購入したため住宅ローンが借りられなくなる事態に陥ることもあります。
ワンルームマンションのローンが苦しいときの対処
ワンルームマンションのローンが生活までも圧迫している場合は、その状態がいつまで続くのか考えて下さい。
頑張って返済ができそうであれば、そのままでもいいかもしれません。
しかし、先が長く、ワンルームマンションのローン返済のために働いていると感じるならば、思い切って売却の道を選ぶしかありません。
幸運にも売却によってローンが全額返済できれば何よりです。
売却価格がローンの残債に満たないときは任意売却
任意売却という聞きなれない言葉ですが、住宅ローンの返済ができなくなった方には提案されることがあります。
よく考えた結果『売却が最適だけど・・・ローンの残りが多く、完済できない・・・』このようなケースが新築ワンルームマンションでは多発しています。
足りない分は現金で用意できれば困りませんが、それができずに悩んでいるのが現実だと思います。
新築ワンルームマンションのローンは、住宅ローンと同じで不動産を担保にした借金です。
対処方法は住宅ローンが払えない場合と同じで、任意売却という手法を用いて金融機関同意のもとに、ローンの残りより低い金額で売却することが可能になります。
自宅のローンもあり返済が苦しいとき
一番悩ましいのは不動産投資のローンが苦しく、本来ならば払えている住宅ローンの返済までもが厳しくなっている方は、任意売却すると自宅はどうなるか不安が残ります。
この様な方は条件次第で個人民事再生という法的手段により、自宅は売却しないで済む方法もあります。
自宅の住宅ローンも投資用不動産のローンも返済が滞れば、金融機関は競売による売却によって借金を回収しますが、仮に自宅が競売に掛けられると精神的負担は想像を超えるものがあります。
自宅と投資用不動産、2つのローンを抱え、悩んでいるときは専門家へ早急にご相談下さい。
条件次第となりますが、やり直せる可能性が残っています。
相談は専門知識を有する者へ